JLPT N2・N4語彙 – 「探す」と「探る」の違い

目次
1. 「探す」と「探る」の違い
2. 探す
3. 探る
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「探す」と「探る」の違いは何ですか?
A: どちらも「見つけようとする」という共通の意味を持っていますが、「探す」は目に見える対象を見つけようとする行動、「探る」は目に見えない情報や状況を慎重に調べる行動を指します。詳しく見ていきましょう。
探す (JLPT N4)
[意味]
見つけたい物や人など、ほしいものを見つけ出そうとすること
[例]
いい日本語の本を探したけど、見つかりませんでした。
I looked for a good Japanese book, but I couldn’t find one.
すみません、このレストランを探しているんですが。
Excuse me, I’m looking for this restaurant.
新しい仕事を探しています。
I’m looking for a new job.
「探す」は「人・物・場所」など具体的で視覚的なものが対象となります。
実際に目で見たり、手で触れたりして見つけようとする、はっきりとした行動を表します。
[例]
日本語の本を探してるんだけど、いいの知らない?
I’m looking for a good Japanese book. Do you know any?
パーティーのためのレストランを探しています。
I’m looking for a restaurant for the party.
娘が門限の時間になっても帰って来ないので、探しに行きました。
My daughter didn’t come home by her curfew time, so I went out to look for her.
探る (JLPT N2)
[意味]
① 手や感覚を使って探し求めること
② 相手の様子や状況をこっそり調べること
③ 未知のことを明らかにしようとすること
[例]
ポケットの中を手で探ったけど、小銭はありませんでした。(①)
I felt around in my pocket, but there were no coins.
警察は犯人の様子を探っています。(②)
The police are investigating the suspect’s behavior.
多くの研究者たちが、日本語の起源を探っています。(③)
Many researchers are exploring the origins of the Japanese language.
基本的に「情報・状況・気持ち(心理)・未知のもの」など抽象的なものが対象となり、それらを慎重に調べることを表します。
[例]
警察は火事の原因を探っています。
The police are investigating the cause of the fire.
彼は顔では笑ってるけど、本音が分からないから少し探ってみよう。
He’s smiling on the surface, but since I can’t tell what he’s really thinking, I’ll try to probe a little.
また、手や感覚を頼りに、直接目に見えないものを見つけようとするときにも使われます。
[例]
小銭がないか、バッグの中を探りました。
I felt around in my bag to see if there were any coins.
机の奥に何かあるようなので、中を探るとくしゃくしゃになった紙が出てきました。
It seemed like there was something in the back of the desk, so I felt around inside and found a crumpled piece of paper.
比べてみよう
次のような場合、ふさわしい表現はどちらでしょうか。
[例]
① 運命の人をずっと探しています。
② 運命の人をずっと探っています。
正解は①です。
一見「運命の人」は抽象的に思えますが、対象が「人」という具体的な存在なので、「探す」が正しい使い方です。
では、次の例はどうでしょうか。
[例]
① 相手の本音を探してから、計画を提案してみよう。
② 相手の本音を探ってから、計画を提案してみよう。
正解は①です。
相手の「本音」=「気持ち・心理」という抽象的なものが対象となるため、「探る」が正しい使い方です。
まとめ
[探す]
- 「人・物・場所」など、具体的で視覚的に捉えられるものが対象。
- 実際に目で見たり手で触れたりして、見つけようとするはっきりとした行動を表す。
[探る]
- 「情報・状況・気持ち(心理)・未知のもの」など、抽象的なものが対象で、慎重に調べようとする意味を持つ。
- また、手や感覚を頼りに、直接目に見えないものを探し求めるときにも使われる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 探して
友達の誕生日プレゼントを、ネットで探しています。
I’m looking for a birthday present for my friend online.
*プレゼントは具体的・視覚的な対象なので、「探している」が正解です。
A. 探した
なくしたイヤホンを1か月も探したけど、見つかりませんでした。
I searched for my lost earphones for a whole month but couldn’t find them.
*イヤホンという具体的な物を見つけようとした行動なので、「探した」が正解です。
A. 探る
真っ暗な中、壁を探るようにしてスイッチを見つけました。
In the dark, I felt around the wall to find the switch.
* 手(感覚)を使って見つけようとしているため、「探る」が正解です。
A. 探る
事件の真相を探るために記者たちが動き始めたようです。
Reporters have started moving to probe the truth behind the incident.
*真相という抽象的な対象を慎重に調べようとしているため、「探る」が正解です。
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