JLPT N3文法「〜いけない」と「〜ならない」の違い

目次もくじ

1. 「〜いけない」と「〜ならない」の違ちがい
2. 〜いけない
3. 〜ならない
4. 比くらべてみよう
5. まとめ
6. 関連かんれん記事きじ
7. コメント

Q: 「〜いけない」と「〜ならない」は何なにが違ちがいますか？

A: 「〜いけない」と「〜ならない」は似にた表現ひょうげんですが、使つかい方かたに制限せいげんがあったり、ニュアンスに違ちがいがあります。

〜いけない

[意味いみ]
「悪わるい」を遠回とおまわしに表現ひょうげんする言いい方かたで、必要ひつよう・不ふ必要ひつよう、義務ぎむ、禁止きんしなどの意味いみを表あらわす

[文法ぶんぽう]
①～なければいけない
②～ないといけない
③～てはいけない
④～たらいけない
⑤～といけない

[例れい]
5時じまでに帰かえらなければといけない。／5時じまでに帰かえらないといけない。（必要ひつよう・義務ぎむ）
I have to go home by 5 o’clock.

危あぶないからそこに入はいってはいけませんよ。（禁止きんし）
It’s dangerous, so you must not enter there.

この書類しょるいをなくしたらいけないよ。（禁止きんし）
You must not lose this document.

雨あめがふるといけないから、傘かさを持もって行いこう。（悪わるい状況じょうきょうを回避かいひしたい願望がんぼう）
Let’s bring an umbrella, just in case it rains.

〜ならない

[意味いみ]　
義務ぎむや禁止きんしを表あらわす表現ひょうげんで、特とくに法律ほうりつ・規則きそく・道徳どうとくに関かかわる場面ばめんで使つかわれる

[文法ぶんぽう]　
①～なければならない
②～てはならない

[例れい]　
社会しゃかい人じんとしてマナーを身みにつけなければならない。（義務ぎむ）
As a member of society, you must learn proper manners.

ここで写真しゃしんを撮とってはならない。（禁止きんし）
You must not take photos here.

子こどもの安全あんぜんを守まもるために、信号しんごうを無視むししてはならない。（禁止きんし）
To protect children’s safety, you must not ignore traffic signals.

この申請しんせい書しょは、今月こんげつ中ちゅうに提出ていしゅつしなければならない。（義務ぎむ）
This application form must be submitted within this month.

比くらべてみよう

[違ちがい①]

「～いけない」は口語こうご的てきな表現ひょうげんで、日常にちじょう会話かいわでもよく使つかわれます。
一方いっぽう、「～ならない」は文語ぶんご的てきで、公式こうしきな場面ばめんや硬かたい表現ひょうげんが求もとめられる場面ばめんで使つかわれることが多おおいです。

[例れい]
（お母かあさんが子こどもに注意ちゅういする）
危あぶないから、ここで遊あそんではいけないよ。
It’s dangerous, so you must not play here.

（警告けいこくの張はり紙がみ）
工事こうじ中ちゅうにつき、ここに入はいってはならない。
Due to ongoing construction, entry is prohibited.

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[違ちがい②]

「～いけない」はさまざまな形かたちに接続せつぞくでき、柔軟じゅうなんに使つかわれますが、「～ならない」は接続せつぞくに制限せいげんがあります。
特とくに「ならない」は文語ぶんご的てきであり、「それをしないと法律ほうりつ的てき・道徳どうとく的てきに許ゆるされない」という強つよい意味いみを持もつため、用法ようほうに違ちがいが生しょうじます。

	いけない	ならない
なければ	◯	◯
ないと	◯	✕
ては	◯	◯
たら	◯	✕
と	◯	✕

[例れい]
〇 明日あしたは早はやく起おきないといけない。（個人こじん的てきに必要ひつようなこと）
I have to get up early tomorrow.

✕ 明日あしたは早はやく起おきないとならない。
I have to get up early tomorrow or it would not be allowed.

〇 割わるといけないから、このコップに触さわらないでおこうね。（個人こじん的てきな判断はんだん)
Let’s not touch this cup so that it doesn’t get broken.

✕ 割わるとならないから、このコップに触さわらないでおこうね。
Let’s not touch this cup because it must not break.

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次つぎのような場合ばあい、どちらの表現ひょうげんも使つかうことができますが、ニュアンスに違ちがいがあります。

[例れい]
① 人ひとにうそをついてはいけません。
You must not lie to others.

② 人ひとにうそをついてはなりません。
You must not lie to others.

①は、聞きき手てに対たいして直接ちょくせつ、やわらかく注意ちゅういを促うながす言いい方かたです。
②は、道徳どうとく的てきな規範きはんとして堅かたく述のべるニュアンスになります。

まとめ

[〜いけない]

• 口語こうご的てきで、日常にちじょう会話かいわでもよく使つかう。
• 個人こじん的てきに必要ひつようなことや、良よくないと判断はんだんしたことを軽かるく注意ちゅういするときにも使つかわれる。
• 聞きき手てに直接ちょくせつ伝つたえるときは、「～いけない」を使つかうほうが自然しぜん。
• ①～なければいけない　②～ないといけない　③～てはいけない　④～たらいけない　⑤～といけない　のすべてに接続せつぞくできる。

[〜ならない]

• ほとんどの場合ばあい、文語ぶんご的てきに使つかわれる。
• 法律ほうりつ的てき・道徳どうとく的てきな内容ないようを述のべるときに使つかわれることが多おおい。
• ①～なければならない　②～てはならない　に接続せつぞくできる。

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