JLPT N3文法 – 「〜うちで」と「〜なかで」の違い

目次
1. 「〜うちで」と「〜なかで」の違い
2. Aのうちで
3. AのなかでB
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜うちで」と「〜なかで」の違いは何ですか?
A: どちらも「範囲」を表す表現ですが、使い方に明確な違いがあります。 時間・期間・数量など抽象的な範囲を表すときは「〜うちで」、 人・場所・物など具体的な範囲を表すときは「〜なかで」を使います。
Aのうちで (JLPT N3)
[意味]
時間・期間・数量など、抽象的な範囲を表す
[ルール]
[N] 名詞+の+うちで
[例]
日本は一年のうちで8月が一番暑いです。
In Japan, August is the hottest month of the year.
100人のうちで、合格したのはたった5人だけでした。
Out of 100 people, only 5 passed.
一日のうちで、朝が一番忙しいです。
In a day, the morning is the busiest time.
「Aのうちで」は、時間・期間・数量などの抽象的な範囲を表すときに使います。
[例]
50人のうちで、アンケートに答えたのは10人でした。
Out of 50 people, 10 answered the questionnaire.
一年のうちで春が一番好きです。
Of all the seasons in a year, I like spring the most.
一日のうちで、どの時間がいちばん長く感じますか。
During the day, which time feels the longest to you?
AのなかでB (JLPT N3)
[意味]
人・場所・物・状況など、具体的な範囲を表す
[ルール]
[N] 名詞+の+なかで
[例]
くだもののなかで、いちごが一番好きです。
Among fruits, I like strawberries the most.
バチカン市国は、ヨーロッパのなかで一番小さい国です。
Vatican City is the smallest country in Europe.
日本社会のなかで、生活するのは大変なこともあります。
Living in Japanese society can sometimes be difficult.
「AのなかでB」は、「Aのうちで」に比べて使用範囲が広い表現です。
基本的には物理的・具体的な範囲を示す名詞と一緒に使いますが、次のような特徴があります。
① 限定された範囲やカテゴリーの中で比較・注目する場合
「家族」「国」「種類」など、限られた範囲の中で特に目立つものを述べるときに使います。
このとき、文中には「一番」「特に」「最も」などの語がよく使われます。
[例]
家族のなかで、兄が一番背が高いです。
Among my family members, my older brother is the tallest.
⇒ 「家族」という範囲に限定し、その中で兄が最も背が高いことを示しています。
昔は日本の電化製品のなかで、冷蔵庫が特に人気がありました。
In the past, among Japanese home appliances, refrigerators were especially popular.
日本は、先進国のなかで一番地震が多い国です。
Japan has the most earthquakes among developed countries.
② ある状況や環境の中で行われる動作・状態を表す場合
Aの「動作・状態・できごと」などが、Bという状況・環境の中で成り立つことを示します。
[例]
厳しい社会のなかで生き抜くのは大変です。
It’s hard to survive in a harsh society.
⇒ 「生き抜くことの大変さ」は、「厳しい社会」という状況の中で成立しています。
困難のなかで、最後まで諦めずに戦いました。
In the midst of hardship, they fought without giving up until the end.
数ある選択肢のなかで、この方法が一番効果的だと思います。
Among the many options, I think this method is the most effective.
比べてみよう
次の文では、どちらの表現がより自然でしょうか?
[例]
① 一年のうちで8月が一番暑いです。
② 一年のなかで、8月が一番暑いです。
正解は①です。
前述のとおり、「うちで」は時間・期間・数量などの抽象的な範囲を表すときに使います。
ただし、最近では母語話者でも「なかで」を使う傾向が強く、日常会話ではどちらも自然に聞こえることがあります。
[例]
① 一日のうちで、昼過ぎがいちばん落ち着く時間帯です。
② 一日のなかで、昼過ぎがいちばん落ち着く時間帯です。
文法的には①が正しいですが、会話では②のほうがよく使われる自然な言い方です。
まとめ
[Aのうちで]
- 抽象的な時間・期間・数量などの範囲を表す。
- 使える場面は限定的で、主に「時間的な比較」に使われる。
[AのなかでB]
- 「Aのうちで」に比べて使用範囲が広い。
- 基本的に具体的・物理的な範囲と一緒に使うが、一定のルールがある。
① Bが「限られた範囲・カテゴリー」を示し、その中で特に注目されるものをAで述べる。文中では「一番・特に・最も」などがよく使われる。
② Bが「状況・環境」を示し、その中でAの「動作・状態・出来事」などが成立することを表す。
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