JLPT N2・N3文法 – 「〜に関して」と「〜をめぐって」の違い

目次
1. 「〜に関して」と「〜をめぐって」の違い
2. Aに関してB
3. AをめぐってB
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜に関して」と「〜をめぐって」は何が違いますか?
A: この2つはどちらもややフォーマルな表現で、「〜について」と似た意味を持っています。
ただし、使い方には「対立があるかどうか」という違いがあります。
詳しく見ていきましょう。
Aに関してB (JLPT N3)
[意味]
AについてBする
[ルール]
[N] 名詞+に関して
[ポイント]
・多くの場合「〜について」と置き換えることが可能。
・「〜に関して」の「て」は省略されて「〜に関し」と表記されることもある。
・より丁寧に言いたい場合には、「〜に関しまして」という形も使われる。
[よく一緒に使われる言葉]
話す・聞く・考える・書く・調べる・知る など
[例]
犯人はそのときの出来事に関して、何も話していません。
The criminal is not talking about what happened at that time.
教授は、歴史に関してとても詳しいです。
The professor is very knowledgeable about history.
警察はこのあいだの事件に関して、色々な人を調べています。
The police are investigating various people regarding the recent incident.
この表現は、「〜について」よりフォーマルで、ビジネスや改まった場面で使われることが多いです。
[例]
〇 今、この事件に関して調べています。
We are currently investigating this incident.
〇 次の会議に関して質問をしてもよろしいでしょうか。
May I ask a question regarding the next meeting?
カジュアルな場面で使うと不自然になるので注意しましょう。
× 宿題に関して質問してもいい?
〇 宿題について質問してもいい?
Can I ask a question about the homework?
AをめぐってB (JLPT N2)
[意味]
Aについて、複数の人がBする
[ルール]
[N] 名詞+をめぐって
[ポイント]
・「〜をめぐり」と表記される場合もある。
・あるテーマを中心に、対立や争い、議論が起きている状況で使われる表現。
・関係者は複数いることが前提となり、一人だけの場合には基本的に用いない。
・内容は深刻なテーマが多く、主にビジネスや報道などのフォーマルな場面で使われる。
[よく一緒に使われる言葉]
議論する・争う・対立する・裁判する など
[例]
マンションの建設をめぐって、住民と建設会社が対立しています。
Residents and the construction company are in conflict over the construction of the apartment building.
今日の会議では来年の予算をめぐって議論が行われました。
In today’s meeting, there was a debate over next year’s budget.
彼らは会社の権利をめぐって争っています。
They are disputing over the company’s rights.
主にビジネスや報道などの改まった場面で使われます。「〜に関して」と違い、話題の内容が深刻で、複数の立場が争ったり対立したりしていることがポイントです。
[例]
〇 この裁判では消えたお金をめぐって争っています。
In this trial, they are disputing over the missing money.
〇 親戚は土地の権利をめぐって対立しています。
The relatives are in conflict over the land rights.
こちらもカジュアルな場面で使うと不自然になるので注意しましょう。
× 姉は明日のデートをめぐって彼とけんかしているようです。
〇 姉は明日のデートについて彼とけんかしているようです。
My sister seems to be fighting with her boyfriend about their date tomorrow.
比べてみよう
では、この2つの違いとなる「対象」について説明します。
「〜に関して」は、単にテーマや対象を示す表現です。一方、「〜をめぐって」は、そのテーマを中心に対立や争いが起きている場合に使われます。そのため、使われる動詞も、それぞれの意味に合ったものを選ぶ必要があります。
また、「対立する」という状況には複数の立場や人物が関わります。そのため、一人しか関係していない場合に「〜をめぐって」を使うことはできません。それに対して、「〜に関して」は関係者が一人でも問題なく使うことができます。
[例]
次の会議では予算に関して話すつもりです。
In the next meeting, we plan to talk about the budget.
⇒ 私が「予算」というテーマについて話します。対立はありません。
A社と予算をめぐって対立しています。
We are in conflict with Company A over the budget.
⇒「予算」を中心に、私の会社とA社の意見が対立しています。
まとめ
[Aに関してB]
- あるテーマを単純に示す表現。
- 対立や争いの意味は含まれない。
- 主に真剣な内容や改まった話題で使われる。
- 関係する人物が一人でも使うことができる。
[AをめぐってB]
- ある事柄を中心に対立や議論が起きていることを表す。
- 争い・対立・裁判などの意味を含む。
- 深刻な内容になりやすい。
- 関係者が複数いることが前提で、一人だけの場合は使えない。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. に関して
この記事は20年前の事件に関して書かれています。
This article is written about the incident from 20 years ago.
*単に記事のテーマを示しているだけで、対立や争いの意味はありません。そのため「に関して」が適切です。
A. をめぐって
政治家はこの法律をめぐって何年も議論しています。
Politicians have been debating this law for years.
*「議論する」は複数の立場が対立する場面で使われます。対立を含むため「をめぐって」が適切です。
A. をめぐって
土地の利用をめぐって市と住民が争っています。
The city and the residents are disputing over the land use.
*「争っている」とあるため、対立関係が明確です。したがって「をめぐって」が適切です。
A. に関して
この問題に関してもう一度調べたいと思っています。
I want to investigate this issue again.
*調べる対象を示しているだけで、対立の意味はありません。そのため「に関して」が適切です。
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