JLPT N4 語彙 – 「空く」は“あく”?“すく”?意味と使い分けを解説

目次
1. 「空く」は“あく”?“すく”?
2. あく
3. すく
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「空く」は「あく」と読むときと「すく」と読むときの見分け方はありますか?
A: 「あく」と「すく」の使い分けは、日本人にとっては文脈や状況から自然に判断されるものです。その場の状態や意味に応じて、適切な読み方が選ばれています。
あく (JLPT N4)
[意味]
今まで埋まっていた場所や時間が、使われていない状態になること。
ふさがれていたものが取り除かれ、「使える状態」になることを表す。
[よく一緒に使う言葉]
席・部屋・スケジュール(予定)など、特定の場所や時間を指す言葉
[例]
今日は祝日で、席が空いているレストランがありません。
Today is a public holiday, so there are no restaurants with available seats.
すみません。この席、空いてますか。
Excuse me, is this seat available?
空いている部屋で会議をしましょう。
Let’s have the meeting in an available room.
「あく」は、物理的・時間的に“使われていない状態”を表します。
ある場所に人がいない、あるいは物が置かれていないことで、その場所や時間が利用可能になっていることを意味します。ここでの「場所」や「時間」は、広い空間というよりも特定のスポットや特定の時間帯を指すイメージです。「そこが“使われていない”状態」と考えると理解しやすくなります。
[例]
あそこの席、空いてるよ。座ろう。
That seat over there is available. Let’s sit down.
⇒「席」という限定的な場所が使われていない状態を表しています。
この会議室は空いていますか?
Is this meeting room available?
⇒ 特定の会議室が使用中でないかどうかを尋ねる表現です。
明日の9時から空いていますよ。
I’m available from 9 o’clock tomorrow.
⇒「9時から」という特定の時間帯に予定が入っていないことを示しています。
すく (JLPT N4)
[意味]
人やもので混雑していた空間に余裕ができ、人や物の量が少なくなる状態。
空間全体の“密度”が下がるイメージ。
[よく一緒に使う言葉]
電車・道路・店内 など、空間の広がりを持つ場所を指す言葉
[例]
今日は平日だから、レストランが空いているね。
Since today is a weekday, the restaurant isn’t crowded.
道路が空いていて、思ったより早く着いたよ。
The road was clear, so I arrived earlier than I expected.
電車は田舎に向かうにつれて、空いていきます。
The train gets less crowded as it heads toward the countryside.
「すく」は、空間的な広がりを持つ場所において、人や物の数が少ない状態を表します。
その空間に「どれくらい人や物がいるか」という“密度”の低さに注目している点が、「あく」との大きな違いです。「すく」は、空間全体がゆったりしている、余裕があるといった印象を与えます。
[例]
休日にもかかわらず、高速道路は空いていました。
Despite it being a holiday, the highway was not crowded.
⇒ 高速道路という広い空間に車が少ない状態を表しています。
朝は電車が空いています。
Trains are usually not crowded in the morning.
⇒ 電車の中に人が少ないという意味です。
この時間はいつも空いていますよ。
It’s usually not crowded at this time.
⇒ この時間帯は、人や物の量が少なく、空間に余裕があるということを伝えています。
比べてみよう
「空く」は「あく」と読む場合と「すく」と読む場合があり、その違いは状態や状況のイメージによって判断されます。
下のイラストを見て、赤い〇で示された①と②がそれぞれ「あく」「すく」のどちらに当てはまるか考えてみましょう。

正解は、①「あく」/②「すく」です。
このイメージを頭に入れて、もう少し詳しく確認してみましょう。
[「あく」「すく」の見分け方のポイント]
① よく一緒に使われる言葉を覚える
言葉の組み合わせから、正しい読み方を判断できる場合があります。
電車:○「電車がすいている」×「電車があいている」
部屋:○「部屋があいている」×「部屋がすいている」
② 文脈からイメージをする
「あく」は、特定の場所や時間が“使われていない”状態(=からになる)
「すく」は、広い空間の中に人や物が“少ない”状態
ただし、文脈によってはどちらの読み方も成り立つ場合があります。
たとえば:「この時間は空いている」
⇒ 「予定が入っていない」という意味なら「あいている」
⇒「人や車が少ない時間帯」という意味なら「すいている」
このように、状況や意図をしっかり読み取る必要があります。
それでは、練習してみましょう!
[例①]
A:明日10時はいかがでしょうか?
B:その時間は空いています。
⇒ 正解:「あいている」=特定の時間帯に予定が入っていないということです。
[例②]
A:車が少なくて快適ですね。
B:この時間は比較的、空いているんですよ。
⇒ 正解:「すいている」=この時間帯は車の量が少ないということです。
まとめ
- 読み方を見分けるには、「空く」とよく一緒に使われる言葉をセットで覚えるのが効果的。
- 文脈から状況をイメージすることも重要。
→ 「あく」は、特定の場所や時間が「使われておらず、空になっている」イメージ。
→ 「すく」は、広い空間に人や物が「少ない」状態を表す。 - 単語によっては「あく」「すく」どちらの読み方も可能な場合があるため、そのときは何を指しているのか、文脈から判断する必要がある。
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