JLPT N3・N4文法 -「〜べきだ」「〜はずだ」「〜にちがいない」の違い

目次
1. 「〜べきだ」「〜はずだ」「〜にちがいない」の違い
2. 〜べきだ
3. 〜はずだ
4. 〜にちがいない
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜べきだ」「〜はずだ」「〜にちがいない」は何が違いますか?
A: この3つは似ているようですが、「〜べきだ」は義務や当然さを示し、「〜はずだ」は客観的な予想、「〜にちがいない」は主観的な確信を表します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
〜べきだ (JLPT N3)
[意味]
人として当然すべきこと、または道徳的・社会的に「そうするのが正しい」と考えられる行動を示す。
強めの提案や忠告にも用いられる。
[ルール]
[V] 動詞辞書形+べきだ
※「する」は「するべき」と「すべき」の形がある
[例]
約束は守るべきです。
You should keep your promises.
子供には正しいことを教えるべきです。
You should teach children what is right.
他人の話は最後まで聞くべきだよ。
You should listen to others until they finish speaking.
社会の一員として、ルールは守るべきだと思います。
As a member of society, I think you should follow the rules.
「べきだ」は、「人として当然すべきこと」や「する・しないのが義務である」といった道徳的な義務や当然性を表す表現です。忠告や強めの提案をするときによく使われます。
[例]
貴重品を拾ったら、すぐに警察に届けるべきです。(義務)
If you find a valuable item, you should report it to the police immediately.
会社の話を他人にすべきではない。(義務)
You shouldn’t talk about company matters with outsiders.
一度やると言ったのなら、最後までやるべきだよ。(強い提案)
If you said you would do it, you should see it through to the end.
その問題は会社全体で考えるべきことだね。(強い提案)
That problem is something the whole company should consider.
〜はずだ (JLPT N4)
[意味]
① 客観的・論理的な理由から「そうに違いない」と考えられることを表す
② 状況や事実から見て「当然そうなる」と期待されることを表す
[ルール]
[V] 動詞普通形 + はずだ
[A] い形容詞普通形 + はずだ
[Na] な形容詞 + はずだ/である + はずだ
[N] 名詞 + の + はずだ/である + はずだ
[例]
電気がついているから、誰かいるはずだよ。(①)
The lights are on, so someone must be here.
ここから駅までは1時間ぐらいかかるから、到着は16時ごろになるはずです。(①)
It takes about an hour from here to the station, so we should arrive around 4 p.m.
寒いはずだよ。雪が降っている!(②)
No wonder it feels cold. It’s snowing!
鈴木さんは一人で仕事をしているんだから、大変なはずです。(②)
Since Mr. Suzuki is working alone, it must be tough for him.
「はずだ」には主に2つの使い方があります。
① 客観的な根拠に基づく強い推量
事実やデータなど、客観的な情報から「きっとそうだ」と強く推測するときに使います。
[例]
(警察)西側の防犯カメラに犯人が映っている。犯人は西に向かって逃げたはずだ。
(Police) The suspect was captured on the security camera on the west side. The suspect must have fled west.
⇒ 客観的な証拠に基づいて、「犯人は西に向かった」という論理的な推測をしています。
Googleマップによると、私たちはもう店の近くにいるはずだよ。
According to Google Maps, we should already be near the store.
⇒ 客観的な根拠があるため、話し手の確信は強いです。
② 事実や状況から考えた当然の結果・期待
ある状況から自然に導き出される結果や、話し手の期待を表すときに使います。
[例]
山の上は気温が低いから、今ごろは雪が積もっているはずだよ。
The temperature is low at the top of the mountain, so there must be snow piled up by now.
⇒ 高い場所は寒いという一般的知識に基づく推測です。
A:このケーキは三ツ星レストランのケーキなんです。
B:ああ、じゃあおいしいはずだ。
A: This cake is from a three-star restaurant.
B: Oh, then it must be delicious.
⇒ 名店のケーキなので、「おいしい」という期待を込めて使っています。
〜にちがいない (JLPT N3)
[意味]
きっと~だと思う、間違いなく~だと強く確信しているときに使う主観的な表現
[ルール]
[V] 動詞普通形+にちがいない
[A] い形容詞普通形+にちがいない
[Na] な形容詞+にちがいない / な形容詞+である+にちがいない
[N] 名詞+にちがいない / 名詞+である+にちがいない
[例]
母は昨日のことで怒っているにちがいありません。
My mother must be angry about what happened yesterday.
こんなにチョコレートや砂糖を使ったケーキ、とても甘いにちがいないです。
A cake made with this much chocolate and sugar must be very sweet.
あの人はお金持ちにちがいないね。
That person must be rich.
彼が犯人にちがいないよ。
He must be the culprit.
「にちがいない」は、話し手の直感や状況判断に基づいて「間違いなく〜だ」と断定的に推測する際に使います。「はずだ」よりも主観的で強い確信を含みます。
[例]
部屋に足あとが残っている。誰かが入ったにちがいない。(客観的状況に基づいた確信)
There are footprints left in the room. Someone must have entered.
彼のカバンから盗まれた品が出てきた。彼がやったにちがいない。(証拠に基づく断定)
The stolen item came out of his bag. He must have done it.
ずっと連絡がないなんて…何かあったにちがいない。(心配や不安からくる主観的な推測)
No contact at all for such a long time… Something must have happened.
あんなに嬉しそうな顔をしてたんだから、試験に合格したにちがいないよ。(表情や様子からの推測)
He looked so happy—he must have passed the exam.
まとめ
意味 | ニュアンス | 確信度 | |
---|---|---|---|
〜べきだ | 人として当然すべきこと 〜する/しないのは義務だ | 道徳的な義務、当然性を表す | ―(推量ではない) |
〜はずだ | ① 客観的な事実や状況からの論理的な推量 ② 当然と考えられる結果・期待 | 客観的・論理的な判断 | 中くらい |
〜にちがいない | きっと〜だと思う 間違いなく〜だ | 主観的・直感や印象に基づく強い確信 | 高い |
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