JLPT N2文法 – 「〜ものがある」と「〜ものだ」の違い

目次
1. 「〜ものがある」と「〜ものだ」の違い
2. 〜ものがある
3. 〜ものだ
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜ものがある」と「〜ものだ」の違いを教えてください。
A:「〜ものがある」は、話し手がある物事に特別な価値や印象を感じ、その特徴を強調する表現です。
一方「〜ものだ」には、回想・感慨・忠告の3つの用法があります。それぞれ例文を見ながら違いを理解しましょう。
〜ものがある (JLPT N2)
[意味]
とても~だ・~という感じがある
[ルール]
[V] 動詞辞書形+ものがある
[A] い形容詞+ものがある
[Na] な形容詞+ものがある
[例]
子供の上達の速さには、驚くべきものがあります。
There is something truly remarkable about how quickly children improve.
ずっとあった建物が取り壊されるのは、寂しいものがありますね。
It’s rather sad to see a building that has been there for so long being torn down.
彼が言うことには不自然なものがあるように思います。
I feel there’s something unnatural about what he says.
話し手が、あるものに特別な価値や印象を感じ、それを強調して伝えたいときに使う表現です。
肯定的にも否定的にもニュアンスを表せます。
[例]
彼の歌には心に響くものがあるね。(肯定的)
His song has something that really touches the heart.
⇒「心に響く」というのは、話し手にとって特別な価値や印象を持っているという意味です。
夫は自分で頑張るのはいいけれど、私に相談してくれないのは寂しいものがあります。(否定的)
It’s good that my husband is doing his best on his own, but there’s something sad about him not consulting me.
⇒ 夫が相談してくれないことへの寂しさを強調しています。
〜ものだ (JLPT N2)
[意味①]
回想 / よく〜したなあ
[ルール]
[V] 動詞た形+ものだ
[例]
昔はここでよく遊んだものです。
I used to play here a lot when I was young.
学生のときは、よくこの図書館に通ったものだ。
I used to come to this library often when I was a student.
[意味②]
感慨 / 本当に・実に〜だ
[ルール]
[V] 動詞普通形+ものだ
[A] い形容詞+ものだ
[Na] な形容詞+ものだ
[例]
よくこんな小さいピースのパズルを作ったものだ。
It’s amazing how I used to make such tiny-piece puzzles.
時間が過ぎるのは早いものだ。
Time really does pass quickly.
自然は本当に美しいものだ。
Nature is truly beautiful.
[意味③]
忠告 / 〜するのは当たり前だ
[ルール]
[V] 動詞辞書形/ない形+ものだ
[例]
人には親切にするものですよ。
You should always be kind to others.
約束は守るものだ。
It’s only natural to keep your promises.
「ものだ」には「回想」「感慨」「忠告」の3つの意味があります。
「回想」は、昔のことを思い出し、懐かしい気持ちを込めて使う表現です。一度きりの出来事ではなく、何度も繰り返したことを表すので、「よく〜ものだ」の形で使われることが多いです。
[例]
学生のころはよく旅行したものです。
I used to travel a lot when I was a student.
子どものとき、この広場で遊んだものだ。
When I was a child, I used to play in this square.
「感慨」は、話し手がある物事に対して感じた驚きや感心など、特別な思いを込めて使う表現です。
否定的なニュアンスではなく、肯定的に用いられます。
[例]
祖母は病気や手術を繰り返したが、よく90歳まで生きたものだ。
My grandmother went through illness and multiple surgeries, but she still managed to live to the age of 90.
⇒ 祖母が困難を乗り越えて長生きしたことに、話し手が驚きを込めています。
え、最後に会ったのはもう10年前ですか。時間が経つのは早いものですね。
What? It’s already been 10 years since we last met? Time really does fly by, doesn’t it?
「忠告」は、道徳や社会的な常識の観点から、「そうすることが当たり前だ」と述べたいときに使います。
[例]
人の話は最後まで聞くものだ。
You should always listen to people until the end.
⇒「人の話は最後まで聞くことが礼儀である」という意味です。
最近の若い人は言葉遣いがひどいですね。目上の人には敬語を使うものですよ。
Young people these days have terrible language, don’t they? You should use polite language with your elders.
比べてみよう
では、「〜ものがある」と、感慨の意味での「〜ものだ」について考えてみましょう。
次のような場合、どちらがふさわしいでしょうか。
[例]
① この作品には感動するものがある。
② この作品には感動するものだ。
正解は①です。
「〜ものがある」は、話し手が感じた「物事と特徴」を表現するときに使います。
この文では「作品」の特徴に焦点を当てているため、①が適切です。
「感慨」の「〜ものだ」として使う場合は、「この作品は何度見ても、(話し手にとって)感動するものだ」というように、話し手が心に強く感じたことを表現します。
では、次の場合はどうでしょうか。
[例]
① 若いころ、この映画を見てよく泣いたものがある。
② 若いころ、この映画を見てよく泣いたものだ。
正解は②です。
「〜ものだ」は、よくしたことを思い出して懐かしさを表すときに使います。
この文では「 映画」を見て、よく泣いたことを思い出しているため、②が適切です。
まとめ
[〜ものがある]
- 話し手があるものに特別な価値や印象を感じ、そのことを強調する表現。
- 肯定的・否定的なニュアンスの両方を含めることができます。
[〜ものだ ]
- 「ものだ」には、「回想」「感慨」「忠告」という3つの意味がある。
[「〜ものがある」と感慨・回想の「〜ものだ」の違い]
- 「ものがある」は、話し手が感じた「ある物事とその特徴」を表す。
- 感慨の「ものだ」は、話し手が物事に対してどのように心を強く動かされたかを表す。
- 回想の「〜ものだ」は、話し手が過去にしたことを思い出し、懐かしさを伝える表現。
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