JLPT N2文法 – 「〜ものだから」と「〜ものなら」の違い

目次
1. 「〜ものだから」と「〜ものなら」の違い
2. 〜ものだから
3. 〜ものなら
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「ものだから」と「ものなら」の違いがよくわかりません。
A: 一見似ているように見えますが、「ものだから」と「ものなら」は意味も使い方もまったく異なります。ニュアンスや使い分けのポイントをしっかり理解して、正しく使えるようになりましょう。
〜ものだから (JLPT N2)
[意味]
「~ので」「~(だ)から」と同じように、理由を説明する
[ルール]
[V] 動詞普通形+ものだから
[A] い形容詞+ものだから/い形容詞普通形+ものだから
[Na] な形容詞+ものだから/な形容詞普通形+ものだから
[N] 名詞+なものだから
*口語では「もんだから」も使われる
[例]
事故があったものだから、遅れてしまいました。
There was an accident, so I ended up being late.
あまりおいしかったもんだから、全部食べてしまいました。
It was so delicious that I ate all of it.
きれいなものだから、写真を何枚も撮りました。
It was so beautiful that I took many pictures.
ひどい雨なものだから、出かけることができませんでした。
Because it was raining heavily, I couldn’t go out.
「ものだから」は、「もの」と「だから」が組み合わさった表現で、「だから」や「ので」と同じように理由を説明するときに使います。
ただし、「だから」との違いは、より個人的な言い訳や弁明のニュアンスが強くなる点です。カジュアルな会話では「もんだから」と柔らかい形でも使われます。
[例]
A:えっ、全部食べちゃったの!?
B:うん。あまりおいしかったもんだから、つい全部食べちゃったよ。
A: What? You ate the whole thing!?
B: Yeah. It was so delicious that I ended up eating all of it.
⇒「おいしかった」という個人的な理由を、軽い言い訳として使っています。
A:あれ、歯医者に行く予定じゃなかった?
B:うん、ひどい雨なものだからキャンセルしちゃった。
A: Weren’t you supposed to go to the dentist?
B: Yeah, but I canceled because it was raining heavily.
⇒ 雨を理由に予定を変更した、自分の都合を説明しています。
このように、言い訳や弁明の印象が強くなるため、ビジネスやフォーマルな場面では不適切になることがあります。丁寧な言い方をしたいときは、「ので」や「ために」などを使いましょう。
[例]
〇:すみません。電車が止まっていたので、遅れました。
I’m sorry. I was late because the train had stopped.
×:すみません。電車が止まっていたもんだから、遅れました。
〜ものなら (JLPT N2)
[意味]
「もし~できるなら」と同じ意味をもち、あることを仮定する
[ルール]
[V] 可能の意味を持つ動詞+ものなら
[例]
できるものなら、1か月休みを取りたいです。
If I could, I’d like to take a month off.
A:明日、マリアさんとカラオケに行くけど一緒に行かない?
B:行けるものなら行きたいけど…明日は忙しいんだ。
A: I’m going to karaoke with Maria tomorrow. Want to come?
B: I’d love to if I could… but I’m busy tomorrow.
戻れるものなら、学生時代に戻りたいです。
If I could go back, I’d want to return to my student days.
「なら」は仮定を表す言葉で、「もし〜できたら」と同じような意味で使われます。
この「なら」の前に「もの」がついた「ものなら」は、実現が難しいことを仮定して話すときに使われる表現です。
文中では、「もの」の前に可能の意味を含む動詞を置くのが基本です。
そのあとの文には、話し手の希望・命令・意志などが続くのが特徴です。
[例]
やり直せるもんなら、今すぐやり直したい。
If I could do it over, I’d want to start again right now.
⇒ 実現が難しいけれど、本音ではそうしたいという強い希望を表しています。
できるものなら、やってみたら?
If you really think you can, why don’t you try?
⇒ 相手にとって実現が難しいことを前提に、挑戦を促すような命令的・挑発的なニュアンスを含んだ表現です。
比べてみよう
次のような文では、どちらの表現が適切でしょうか?
[例]
① 飛べるものだから、鳥のように空を飛んでみたいな。
② 飛べるものなら、鳥のように空を飛んでみたいな。
⇒ 正解は②です。
「飛べるものなら」は、「実際にはできないけれど、もしできたら」という非現実的な仮定と願望を表しています。
①は「理由」を述べているように見えますが、「ものだから」はこの文のような一般的事実には不自然です。
[例]
① 人が多かったものだから、列に並ぶのをあきらめました。
② 人が多かったものなら、列に並ぶのをあきらめました。
⇒ 正解は①です。
「人が多かった」という実際の状況が理由になっているため、「ものだから」が自然です。
②は仮定のニュアンスを持つため、文意に合いません。
まとめ
[ものだから]
- 「(だ)から」と同じ意味を持つが、より個人的な理由や言い訳、弁明を述べるときに使われる。
[ものなら]
- 「ものなら」は「もし〜できたら」と同じ意味を持ち、実現が難しいことを仮定して、話し手の希望・命令・意志を表す。
- 使用する際は、可能の意味を持つ動詞と組み合わせるのが一般的。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. ものだから
急いでたものだから、ケータイを忘れてしまいました。
I was in such a hurry that I forgot my phone.
*ケータイを忘れたことに対する個人的な理由・言 い訳を述べているため、「ものだから」が適切。
A. ものなら
時間を戻せるものなら、10代に戻りたいよ。
If I could turn back time, I’d want to go back to my teenage years.
*「時間を戻す」という実現が難しい仮定に基づいて、願望を述べているため、「ものなら」が適切。
A. ものですから
急な出張が入ってしまったものですから、今日の飲み 会は欠席します。
Because an unexpected business trip came up, I won’t be able to join today’s dinner.
*出張という個人的な事情を理由に欠席を伝えているため、「ものだから(ものですから)」が適切。 です。
A. ものなら
彼女と仲直りできるものなら、したいものです。
If I could make up with her, I really would.
*仲直りが簡単ではない状況を仮定しつつ、希望を述べているため、「ものなら」が適切。
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