JLPT N1・N3文法 -「〜とたん」と「〜と思いきや」の違い

目次
1. 「〜とたん」と「〜と思いきや」の違い
2. Aとたん(に)B
3. Aと思いきやB
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜とたん」と「〜と思いきや」の違いは何ですか?
A: どちらも、ある出来事の直後に別の出来事が起こることを表しますが、「〜とたん」は時間的な連続性を強調し、「〜と思いきや」は予想に反する結果や意外性に焦点を当てるなど、ニュアンスと使い方に明確な違いがあります。
AとたんB (JLPT N3)
[意味]
ある動作や出来事が起こった、その瞬間に次のことがすぐに起こること。予想外の出来事や急な変化を表す場合が多い表現。
[ルール]
[V] 動詞た形+とたん(に)
[例]
ドアを開けたとたん、強い風が入ってきました。
I opened the door, and a strong wind rushed in at that very moment.
外に出たとたん、雨が降ってきました。
As soon as I stepped outside, it started to rain.
子供は母親の顔を見たとたん、泣き出しました。
The child burst into tears the moment he saw his mother’s face.
Aが終わった直後、ほとんど同時にBが起こることを表す表現です。
Bには、話し手にとって予想外の出来事や急な変化が来ることが多く、AとBの時間的な連続性と意味的な関係性が重要なポイントです。
[例]
騒がしかった教室が、先生が来たとたんに静かになりました。
The noisy classroom suddenly became quiet the moment the teacher walked in.
⇒ A「先生が来た」とB「静かになった」が時間的に連続し、原因と結果の関係にもなっています。
立ち上がったとたん、めまいがしました。
The moment I stood up, I felt dizzy.
⇒ A「立ち上がった」直後にB「めまいがした」という、体の変化という予想外の出来事がすぐに起こっています。
真っ暗になったとたん、会場には歓声が響き渡りました。
The moment it went completely dark, cheers echoed through the hall.
⇒ A「真っ暗になった」という演出の変化に続いて、B「歓声が響き渡った」という反応が瞬時に起こっており、強い連続性があります。
Aと思いきやB (JLPT N1)
[意味]
① ~だろうと思ったが、実際は予想と反対の結果になった
② あることが起きた直後、すぐにそれとは逆のことが起こった
*いずれの場合も、「意外」「予想外」といった驚きの気持ちが込められる
[ルール]
[V] 動詞普通形+と+思いきや
[A] い形容詞普通形+と+思いきや
[Na] な形容詞普通形+と+思いきや
[N] 名詞普通形+と+思いきや
[例]
父は反対すると思いきや、賛成してくれました。(①)
My father, whom I expected to oppose my decision, surprisingly agreed with it.
彼女は静かな人だと思いきや、とてもおしゃべりでした。(①)
I thought she was a quiet person, but it turned out she was very talkative.
雨がやんだかと思いきや、また降り出しました。(②)
Just when I thought the rain had stopped, it started coming down again.
弟は帰ってきたと思いきや、またすぐに出かけました。(②)
I thought my younger brother had come home, but he went out again right away.
この表現には2つの使い方があります。
1つ目は、Aのすぐあとに、話し手にとって意外な・予想外の出来事Bが起こる場合です。
この場合、「普通なら〜だろうと思ったが、実際はそうではなかった」というニュアンスを含みます。
2つ目は、Aが起こった直後にBが起こるものの、Aの状態が継続せず、反対のことがすぐに起きたことへの驚きを表します。
「何かが起きたと思ったら、逆のことがすぐに起こった」という意外性に焦点があります。
いずれの場合も、話し手の「予想に反した驚き」や「意外だと感じた気持ち」が強く込められています。
[例]
父に留学したい意志を伝えたら、反対すると思いきや大賛成でした。(①)
When I told my father that I wanted to study abroad, I thought he would oppose the idea, but to my surprise, he was completely in favor of it.
⇒ A「父は反対すると思った」が、B「賛成だった」という意外な展開を表しています。
子供たちは静かになったかと思いきや、また騒ぎ始めました。(②)
The children had just become quiet, or so I thought — but then they started making noise again.
⇒ A「静かになった」直後にB「再び騒ぎ始めた」という予想外の展開を表しています。
比べてみよう
次のような文では、どちらの表現が適切でしょうか?
[例]
① 夏が来たとたん、涼しくなりました。
② 夏が来たと思いきや、涼しくなりました。
⇒ 正解は②です。
一般的に「夏が来れば暑くなる」と考えるのが自然ですが、実際には「涼しくなった」という予想外の結果が起こっています。
そのため、「〜と思いきや」の方が適切です。
[例]
① 寝たとたん、大きな雷が鳴りました。
② 寝たと思いきや、大きな雷が鳴りました。
⇒ 正解は①です。
A「寝た」の直後に、B「雷が鳴った」という出来事が時間的に連続して起こっているため、「〜とたん」がふさわしい表現です。
まとめ
[Aとたん(に)B]
- Aが終わった直後、ほとんど同時にBが起こることを表す。
- Bには、予想外の出来事や急な変化が来ることが多い。
- AとBの時間的な連続性と意味的な関係性がポイント。
[Aと思いきやB]
- ① Aの直後に、話し手にとって意外なこと・予想外のことBが起こる場合に使われる。「普通なら〜だろうと思ったが、実際は違った」という意味合いを持ちます。
- ② Aが起こったかと思えば、すぐにAとは反対のBが起こったという驚きを表す。 Aが継続すると思いきや、すぐに打ち消されるような展開に使う。
- ※①②いずれの場合も、話し手の驚き・意外性といった感情が強く含まれる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. とたん
父が怒ったとたん、息子が泣き出しました。
The moment the father got angry, his son burst into tears.
*父が怒った直後に息子が泣き始めたという、時間的な連続性があるため、「とたん」が正解です。
A. とたんに
外に出たとたんに、雪が降り出しました。
The moment I stepped outside, it started to snow.
*外に出たその瞬間に雪が降り始めたという出来事の連続性を表しているため、「とたんに」が適切です。
A. と思いきや
男の子だと思いきや女の子でした。
I thought it was a boy, but it turned out to be a girl.
*見た目などから男の子だと思っていたが、実は女の子だったという意外性を表しているため、「と思いきや」が適切です。
A. と思いきや
社長は賛成すると思いきや、まさかの反対でした。
I thought the president would agree, but unexpectedly, he was against it.
* 社長が当然賛成すると思っていたのに、予想に反して反対されたという驚きがあるため、「と思いきや」が正解です。
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