ビジネス日本語 – 失礼にならない「分かる・分からない」の伝え方

目次
1. 失礼にならない「分かる・分からない」の伝え方
2. 「分かる・分からない」を直接使わない理由
3. 理解を伝える・質問するときの表現
4. 理解できない・返答が難しいときの表現
5. まとめ
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7. コメント
Q: 上司に「分かりますか?」と言ったら失礼ですか?
A: 「分かる・分からない」は能力や理解を示す表現ですが、直接的すぎるため、目上の人には丁寧な言い方をするのが適切です。場面に応じて適切な敬語を使い分けることが大切なので、今日は「分かる・分からない」のビジネスシーンでの使い方を見ていきましょう。
「分かる・分からない」を直接使わない理由
「分かる・分からない」は、能力や理解度を表す表現ですが、そのまま使うと直接的すぎる印象を与えることがあります。
特に目上の人やビジネスシーンでは、「理解できるかどうか」を尋ねること自体が、相手の能力を疑うように聞こえる可能性があるため、失礼にあたる場合があります。そのため、より慎重な言い回しが求められます。
また、「分からない」と伝える際も、単純に「分かりません」と言うと、冷たく聞こえたり、責任を回避しているような印象を与えることがあります。そのため、できるだけ丁寧な言葉を選び、相手に配慮した伝え方をすることが重要です。
適切な敬語表現を使うことで、円滑なコミュニケーションができるだけでなく、相手に対する敬意やプロフェッショナルな態度を示すことができます。
理解を伝える・質問するときの表現
① 理解を問われた場合
単に「分かります」と答えても問題はありませんが、直接的なため、本題に入る方が自然なこともあります。
[例]
上司:「ここの英語の文の意味、分かる?」
△ 部下:「はい。分かります。」
Supervisor: “Do you understand the meaning of this English sentence?”
△ Subordinate: “Yes, I understand.”
上司:「ここの英語の文の意味、分かる?」
◯ 部下:「はい。「これは急ぎでお願いします」という意味ですね。」
Supervisor: “Do you understand the meaning of this English sentence?”
◯ Subordinate: “Yes, it means ‘This is urgent, please take care of it.'”
② 相手に理解を確認するとき
「お分かりになりますか」「お分かりいただけましたか」「ご理解いただけましたか」といった表現が適切です。
[例]
ここまでの説明でお分かりいただけましたでしょうか。
Have you understood the explanation so far?
契約内容について、ご理解いただけましたか。
Have you understood the details of the contract?
※ ただし、目上の人に対して知能的な能力を問うのは失礼になる場合があるため注意しましょう。
理解できない・返答が難しいときの表現
① 「分からない」と伝える場合
「分かりかねます」を使うと、より丁寧な表現になります。
[例]
上司:「ここの英語の文の意味、分かる?」
部下:「申し訳ございませんが、わたくしでは分かりかねます。」
Supervisor: “Do you understand the meaning of this English sentence?”
Subordinate: “I apologize, but I am unable to determine the meaning.”
恐れ入りますが、おっしゃっている意図が分かりかねます。もう一度ご説明いただけますでしょうか。
I’m sorry, but I am unable to grasp your intention. Could you kindly explain it once more?
② すぐに回答できない場合
「お答えしかねます」「返答いたしかねます」を使うと、柔らかい印象になります。
[例]
取引先:「Aの商品を100個、注文できますか?」
スタッフ:「恐れ入ります。ただいま担当者が不在のため、すぐにお答えしかねます。お調べしてすぐにお電話差し上げます。」
Client: “Can I place an order for 100 units of Product A?”
Staff: “I apologize, but as the person in charge is currently unavailable, I am unable to provide an immediate answer. I will look into it and get back to you as soon as possible.”
お客様のご質問に関しましては、詳細を確認しないと返答いたしかねます。
Regarding your question, I am unable to determine the details without further verification.
「〜かねる」の使い方について
「〜かねる」は、「〜できない」と同じ意味を持ちますが、より丁寧で柔らかい表現です。
単に「できません」と言うよりも、「そうしたいが、状況的に難しい」「努力したが対応できない」といったニュアンスを含むため、相手に配慮した言い方になります。
いずれの場合も相手を不快な気持ちにさせないためにも十分に気をつけましょう。
質問をするときには、クッション言葉を使って相手に考慮しながら話すのもいいでしょう。

クッション言葉については
こちらの記事を読みましょう。
まとめ
- 「分かる・分からない」は相手の能力や理解を示す表現だが、直接的すぎるとストレートに伝わりすぎることがある。
- 場面に応じて、より丁寧で配慮のある表現を使うことが重要。
- 「~かねる」を使うと、「できない」という意思をやわらかく伝えられる。
- 相手に質問するときは、「お分かりいただけますでしょうか」や「ご理解いただけますか」などが使える。ただし、相手の気持ちに十分配慮しながら話すことが大切。








