JLPT N4 文法 – 「〜ばよかった」と「〜ばよかったのに」の違い

目次
1. 「〜ばよかった」と「ばよかったのに」の違い
2. 〜ばよかった
3. 〜ばよかったのに
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
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8. コメント
Q: 「〜ばよかった」と「〜ばよかったのに」の違いはなんですか?
A: どちらも主に後悔・残念、反省の気持ちを表しますが文脈や状況によって意味合いが異なります。
〜ばよかった (JLPT N4)
[意味]
後悔・残念・反省 の気持ちを表す
[ルール]
[V] 動詞条件形+よかった
[A] い形容詞条件形+よかった
いい⇒よければ
[Na] な形容詞な+なら(ば)+よかった
[N] 名詞+なら(ば)+よかった
[例]
もう少し早く出発すればよかったね。
We should have left a little earlier.
眠いな。昨日もっと早く寝ればよかった。
I’m so sleepy. I should have gone to bed earlier yesterday.
もう少しいい天気ならよかったなあ。
I wish the weather were a little nicer.
〜ばよかったのに (JLPT N4)
[意味]
後悔・残念・反省 の気持ちを表す
「そうすればよかったのに、そうしなかった」という不満や非難を含む
[ルール]
[V] 動詞条件形+よかったのに
[A] い形容詞条件形+よかったのに
いい⇒よければ
[Na] な形容詞な+なら(ば)+よかったのに
[N] 名詞+なら(ば)+よかったのに
[例]
もっと早く連絡してくれればよかったのに。
You should have contacted me earlier.
A「昨日、一人で映画を見たよ。」
B「誘ってくれればよかったのに!」
A: I watched a movie alone yesterday.
B: You should have invited me!
このアパート、素敵だけど駅まで歩いて30分か…。もっと便利ならよかったのに。
This apartment is nice, but it’s a 30-minute walk to the station… I wish it were more convenient.
明日の天気、晴れならよかったのに…。
I wish the weather would be sunny tomorrow…
比べてみよう
はじめに、「現実とは異なる状況を想像し、それに対して後悔や残念な気持ちを抱いている」という点から考えましょう。
[例]
料理がもっと上手ならばよかった。
I wish I were better at cooking.
料理がもっと上手ならばよかったのに。
I wish I were better at cooking.
どちらも「実際には料理が上手ではないが、もし上手だったら」と仮定している点は共通しています。
「ばよかった」は単に「料理が上手だったらよかった」と願望を述べています。
一方、「ばよかったのに」は、料理が上手でないことに対する残念な気持ちがより強く表れています。
また、「~のに」の後ろには話し手の気持ちが省略されているため、例えば
「(料理がもっと上手ならばよかったのに)みんなにまずい料理を出してしまった」
という結果を伴う後悔が含まれていることも考えられます。
次に、「過去にした行動への後悔や反省」という視点から、話し手の気持ちの違いを考えてみましょう。
[例]
車で来たけど、道が渋滞しているから電車に乗ればよかったね。
I came by car, but the roads are congested. We should have taken the train.
⇒ 過去の行動を振り返り、単に「別の方法を選べばよかった」という後悔や残念な気持ちを表しています。
あのときバスではなく電車に乗ればよかったのに、バスに乗ってしまいました。
I should have taken the train instead of the bus back then, but I ended up taking the bus.
⇒ 過去の状況でより良い選択肢があったにもかかわらず、それを選ばなかったことに対する後悔を強調しています。
「ばよかったのに」の後ろには、話し手が実際に選んだ行動(バスに乗った)が述べられ、その結果の残念さが強調されています。
では最後に、「ばよかったのに」に着目しましょう。
「ばよかったのに」は、話し手が相手の過去の行動に対して残念に思ったり、非難の気持ちを込めて伝えたりする場合 に使われます。この場合、「のに」の後ろは省略されることが多いです。
[例]
A「今朝、授業に間に合わなかったんだ。」
B「もっと早く起きればよかったのに。」
A: I didn’t make it to class on time this morning.
B: You should have gotten up earlier.
⇒ 「のに」の後ろには「しかし、あなたは早く起きなかった」という事実が省略されており、話し手の非難の気持ちが込められています。
A「昨日は何も予定がなくて本当に暇だったよ。」
B「え、私に連絡してくれればよかったのに。」
A: I had nothing planned yesterday and was really bored.
B: What? You should have contacted me.
⇒ 「のに」の後ろには「しかし、あなたは連絡をくれなかった」という残念な気持ちが含まれています。
まとめ
[〜ばよかった]
- 事実とは違うことを想像し、それに対する後悔や残念な気持ちを表す場合、単に「そうだったらよかった」という願望を表す。
- 過去の行動に対する後悔や反省を表す場合、話し手が自身の過去を振り返り、単純に「別の選択をすればよかった」と思うときに使う。
[〜ばよかったのに]
- 事実とは違うことを想像し、それに対する後悔や残念な気持ちを表す場合、そうでない現実をより強く残念に思う気持ちを表す。
- 話し手が過去を振り返り、もし別の行動を選んでいればより良い結果になったかもしれないが、そうしなかったときに使われる。
- 相手の過去の行動について話し手が残念に思ったり、軽く非難したりするときにも使う。
- 「のに」の後ろには、話し手が実際にした行動やその結果が省略されていることが多い。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. ばよかったのに
雨が降りそうだな。傘を持って来ればよかったのに置いてきてしまったよ。
It looks like it’s going to rain. I should have brought an umbrella, but I left it behind.
*後ろに結果的に選んだ行動があるので「ばよかったのに」が正解です。
A. ばよかったのに
ゆみ「この間のテスト、50点だったよ。」
けん「もっと勉強すればよかったのに。」
Yumi: I got 50 points on the last test.
Ken: You should have studied more.
*相手を非難しているので「ばよかったのに」が正解です。
A. ばよかったのに
旅行の日は雨が降るみたい。晴れならばよかったのに。
It looks like it will rain on the day of the trip. I wish it were sunny.
*事実と違うこと(晴れじゃない状況)をイメージして残念がっているので「ばよかったのに」がふさわしいです。
A. ばよかった
お腹が空いたな。朝ごはんを食べればよかった。
I’m hungry. I should have eaten breakfast.
*朝ごはんをたべなかったことを単純な気持ちで後悔しているので「ばよかった」が正解です。