JLPT N1・N3語彙「さっぱり」と「あっさり」の違い

目次
1. 「さっぱり」と「あっさり」の違い
2. さっぱり
3. あっさり
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「さっぱり」と「あっさり」は同じ意味ですか?
A: 大きく分けると、どちらも「味・人の性格・気持ち・肯定的に何かできたこと・否定的に何かできなかったこと」を表す言葉ですが、微妙な違いがあり、場合によって使い分ける必要があります。
日本語を勉強する人たちにとってオノマトペほど難しいものはないのでしょうか。
今日は「さっぱり」と「あっさり」というオノマトペについて考えていきましょう。
この2つは似たような言葉で言い替えができるときとできないときがあり、日本人は微妙な言い替えをして物事を表現しています。
それではこれらの言葉をどのように使い分けているのか、詳しく見ていきましょう。
さっぱり (JLPT N3)
[意味]
① 新鮮で清潔な様子・不快感がないこと
② 油っぽくない、軽いもの
③ 完全に、全くと言う時
[ルール]
[V] さっぱり+動詞辞書形/た形+名詞
[N] さっぱりだ
[例]
シャワーを浴びてさっぱりしました。
I took a shower and felt refreshed.
暑い日は、さっぱりしたものが食べたくなります。
On a hot day, I crave something refreshing.
ゆみさんはさっぱりした性格です。
Yumi has a straightforward personality.
[よく一緒に使われる名詞] 味・食べ物・飲み物・性格
[よく一緒に使われる動詞] 分からない
あっさり (JLPT N1)
[意味]
① 人の性格や、ものごとの状態が、複雑ではない様子
② 濃くない、軽いもの
② 時間や手間がかからず、簡単なこと
[ルール]
[V] あっさり+動詞辞書形/た形+名詞
[N] あっさり+名詞
[例]
このラーメンは塩味であっさりしています。
This salt flavored ramen has a light flavor.
チャンピオンがあっさり負けてしまいました。
The champion lost easily.
ゆみさんはあっさりした性格です。
Yumi has an easygoing personality.
[よく一緒に使われる名詞] 味・食べ物・飲み物・性格
[よく一緒に使われる動詞] できる・終わる・決まる
比べてみよう
[食べ物や飲み物の味に使う場合]
味に関しては二つの言葉を言い換えてもそれほど大きな違いは感じられませんが、実は詳しく見ていくとどんな調味料や食材を使っているのかで使い分けることができます。
[さっぱり]
味が濃くなくて、さわやかな味を表します。
日本人は酢やレモンなど酸味のある料理や飲み物を「さっぱりした味」と表現することが多いです。
[例]
これに酢を少しかけたら、さっぱりしますよ。
It will taste refreshing if you sprinkle a little vinegar on it.
[あっさり]
味が濃くなくて油や調味料を控えた味を表します。
例えばしょうゆや塩、だしを使った味が濃くない煮物やスープの味の表現に使われます。
[例]
和食は、あっさりしたものが多いです。
Japanese cuisine often features light dishes.
[人の性格に使う場合]
性格のことを表すときはあることを背景(前提)にしながら話すので、出来事とその人がどのようなことをしたのかがポイントになります。
まず「さっぱり」から見ていきましょう。
[例]
A「え、もう彼氏と別れたの!?」
B「うん、いっしょにいてもおもしろくなかったから」
A「さっぱりした性格だねぇ。」
A: “What, you already broke up with your boyfriend!?”
B: “Yeah, it just wasn’t interesting being together.”
A: “You really have a straightforward personality, huh?”
この場合の「さっぱり」とは女性が「(彼に)無関心・冷たい」と似た意味合いになります。
次に「あっさり」ではどうでしょうか。
[例]
A「え、もう彼氏と別れたの!?」
B「うん、別れようって言われたから。」
A「それで「うん」って言ったの?」
B「うん」
A「あっさりした性格だね。」
A: “What, you already broke up with your boyfriend!?”
B: “Yeah, because he said we should break up.”
A: “And you just said ‘okay’?”
B: “Yeah.”
A: “You have a very straightforward personality, don’t you?”
この場合の「あっさり」は「物事を深く考えずに簡単に判断する」というような意味合いになります。
つまり「さっぱり」はある人の心理的な部分、「あっさり」は思考的な部分を指しています。
[肯定的な「さっぱり」と「あっさり」]
[さっぱり+肯定的な行動]
話し手があることをして、どのような気持ちになったのかを表します。
そのため、まず「さっぱりした」という気持ちを表す前に、何か1つ行動が必要になります。
このような場合の「さっぱり」は「不快な/嫌な気持ちがない」と似た意味合いになります。
[例]
汗をかいて気持ち悪かったけど、お風呂に入ってさっぱりしました。
I felt gross after sweating, but I felt refreshed after taking a bath.
⇒ 話し手がお風呂に入ったあとで、不快な気持ちがないことを表しています。
言いたいことが言えて気持ちがさっぱりしました。
I felt relieved after I was able to say what I wanted to say.
⇒ 話し手が何か言いたいことを言ったので、いやな気持ちがないことを表しています。
[あっさり+肯定的な言動]
だれかががあることをするときに、その言動自体をどのようにしたのかを表します。
[性格]の「あっさり」と同じように「物事を深く考えずにあることをする」と似た意味合いになります。またそれに加えて「全く遠慮しないで」ということもできます。
[例]
何回も勧誘されたけど、あっさり断りました。
I was invited many times, but I declined straightforwardly.
⇒ 話し手が何度も勧誘されているにも関わらず、遠慮をしないで断ったことを表しています。
みんな社長には何も言えないのに、山本さんはみんなが言いたいことをあっさりと言いました。
While everyone else couldn’t say anything to the president, Yamamoto-san straightforwardly said what everyone wanted to say.
⇒ みんなは社長に遠慮をしたり、社長だから何も言えないのに、山本さんはあまり考えずに発言したことを表しています。
[慣用句的な「さっぱり」と「あっさり」]
[さっぱり(否定的)]
「さっぱり」と否定的な動詞を使う場合は、ほとんど慣用句のように使われます。そのため、よく使われる動詞も一緒に覚えると便利です。この場合の「さっぱり」は「全然・~ない」と似た意味合いになります。
[例]
さっぱりわかりません。
I don’t understand at all.
⇒ 「全然わからない」という意味です。
テストはさっぱりできなくて0点でした。
I couldn’t do the test at all and got zero points.
⇒ 「テストが全然できなかった。」という意味です。
[あっさり(肯定的)]
これも「さっぱり」と同じく慣用句のように使われることが多いので、よく使われる動詞も一緒に覚えると便利です。この場合の「あっさり」は「簡単に~する」と似た意味合いになります。
[例]
難しそうな問題だったけど、あっさりできました。
It looked like a difficult problem, but I solved it easily.
⇒ 「簡単にできた」という意味です。
つぎのプロジェクトはあっさり決まりました。
The next project was decided easily.
⇒ 「簡単に決まった」という意味です。
彼女との関係はあっさりと終わってしまいました。
My relationship with her ended easily.
⇒ 「簡単に終わった」という意味です。
まとめ
さっぱり
- 味覚:油を使っていなくて、酢やレモンなどの柑橘類を使った味を表します。
- 性格:心理的な部分を指して「無関心・冷たい」と似た意味合いになります。
- 行動:話し手が何かをした結果、不快な気持ちがないことを表します
- 慣用句:否定的な動詞と一緒に使われ「全然~ない」と似た意味合いになります。
あっさり
- 味覚:味が濃くなくて、油や調味料をあまり使わず、代わりにしょうゆやだしを使った味を表します。
- 性格:思考的な部分を指して「物事をあまり考えずに判断する」というような意味合いになります。
- 言動:だれかが「深く考えず/簡単にあることをする」している様子を表します。
- 慣用句:肯定的な動詞と一緒に使われ「簡単に」と似た意味合いになります。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A.さっぱり
A: 「今日は何を食べたい?」
A: “What do you feel like eating today?”
B: “Hmm, let’s see. I’d like something light with lemon or yuzu.” *レモンやゆずと柑橘類の食材と言っているので「さっぱり」がふさわしいです。
A. さっぱり
この文法の説明、何度聞いてもさっぱりわからないよ!
No matter how many times I hear this grammar explanation, I just don’t get it at all!
*動詞が否定形の「わからない」なので「さっぱり」が正解です。
A. あっさり
もっと手続きに時間がかかると思ったけどあっさり終わりました。
I thought the procedure would take more time, but it finished quickly.
*時間がかかると思ったけど、簡単に終わった様子を表しているので「あっさり」がふさわしいです。
A. あっさり
わたしは先輩が怖くて何も言えないのに、かおるちゃんはあっさり言うからすごいです。
I’m too scared to say anything to the senior, but Kaoru-chan just says it outright, which is amazing.
*話し手は先輩に何かを言うことに難しさを感じている一方で、かおるちゃんはそうではない様子を表しているので「あっさり」がふさわしいです。
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