JLPT N2・N3文法 -「〜わりに」と「〜にしては」の違い

目次
1. 「〜わりに」と「〜にしては」の違い
2. AわりにB
3. AにしてはB
4. 比べてみよう
6. まとめ
7. クイズ
8. 関連記事
9. コメント
Q: 「〜わりに」と「〜にしては」は置き換えができますか?
A: どちらも Aという事実と、それから予想されることを比較する表現です。
意味は似ていますが、「比較の基準」が異なります。詳しく見ていきましょう。
AわりにB (JLPT N3)
[意味]
Aという事実から予想される程度と比べるとBだ
[ルール]
[V] 動詞普通形+わりに(は)
[A] い形容詞普通形+わりに(は)
[Na] な形容詞+わりに(は)
[Na] な形容詞 な+である+わりに(は)
[N] 名詞+の+わりに(は)
[N] 名詞+である+わりに(は)
[ポイント]
話し手の予想と実際の結果が合わないときに使う。
意外さや評価の気持ちを含むことが多い。
[よく使われる言葉]
① 程度や幅のある言葉
値段、味、年齢、心配する、勉強する など
→ はっきりした基準がなく、人によって感じ方が違う表現とよく使われる。
② 外見・印象などの評価
若い、かっこいい、美人 など
→ 外見や印象など、主観的な評価を表す言葉と一緒に使われることが多い。
[例]
ダイエットを始めると言っていたわりによく食べてるね。
Despite saying you were going to start a diet, you eat quite a lot.
この店は有名なわりにいつでも予約が取れます。
Despite being famous, this restaurant always has available reservations.
この店は値段のわりにおいしくないね。
This restaurant isn’t very tasty considering its price, is it?
幅や程度のある抽象的な表現には「〜わりに」を使います。
[例]
ここの料理は安いわりにとてもおいしいです。
The food here is very tasty for such a cheap price.
⇒ 「安い」は具体的な値段ではなく、人によって感覚が違うため、抽象的です。
たくさん勉強したわりにいい点数ではありませんでした。
I didn’t get good grades despite studying a lot.
⇒ 「たくさん」は程度があいまいな表現です。
AにしてはB (JLPT N2)
[意味]
Aという事実から一般的にイメージされることと比べるとBだ
(Bには評価が入る)
[ルール]
[V] 動詞普通形+にしては
[N] 名詞+にしては
[ポイント]
・一般的な期待や社会的基準と違うときに使う。
・「話し手個人の予想」ではなく「世間の基準」と比較する。
・形容詞、抽象的な尺度を表す言葉とは一緒に使えない。(若い、かっこいい、値段、味、長さ、重さなど)
[例]
中国に3年も住んでたにしては木村さんの中国語はあまり上手じゃないです。
Despite having lived in China for three years, Mr. Kimura’s Chinese isn’t very good.
1月にしてはあまり寒くないね。
It’s not very cold for January, is it?
山本さんは大人にしては、趣味が子供っぽいです。
Mr. Yamamoto’s hobbies are childish for an adult.
事実かどうか分からない場合は「〜にしては」を使います。
Q:あの人、初めて見た。新入社員かな。
A:どうだろう、でも新入社員にしては落ち着いてるね。
Q: “I saw that person for the first time. Is he a new employee?”
A: “I’m not sure, but he seems pretty calm for a new employee.”
⇒ 本当に新入社員かどうかは分かりませんが、「新入社員の一般的なイメージ」と比べています。
Q:今日は夕方から雨らしいよ。
A:そうなの?でも雨が降るにしては空がきれいだね。
Q: “I heard it’s going to rain this evening.”
A: “Really? But the sky looks too clear for it to rain.”
⇒ 実際に雨が降るかどうかは分かりませんが、「雨が降るときの一般的な空の様子」と比べています。
比べてみよう
次のような場合は、どちらを使っても不自然ではありません。
ただし、話し手が何を基準にしているかに違いがあります。
[例]
ここは都会のわりに人が少ないです。
ここは都会にしては人が少ないです。
Despite being in the city, there are few people here.
では、この2つの違いを考えましょう。
「〜わりに」は、話し手の予想を基準にして比べる表現です。
「都会ならもっと人が多いはずだ」という自分の感覚と実際を比べ、予想より少ないというズレを表します。つまり、主観的な比較になります。
一方、「〜にしては」は、一般的な基準や社会的なイメージを基準にして比べる表現です。「普通の都会」と比べて人が少ない、というように、一般的に想定される状態と実際を比較します。こちらは一般的な基準との比較になります。
| 表現 | 比較しているもの |
|---|---|
| 〜わりに | 話し手の予想 |
| 〜にしては | 一般的なイメージ・社会的な基準 |
[AわりにB]
A = 事実
B = その事実から話し手が予想することと比較して、それ以上か以下か
[AにしてはB]
A = 事実
B =その事実から一般的にイメージされることと比較してどうか
また、月日など、具体的な時期を表す言葉は両方使えます。
[例]
◯ 4月にしてはまだ少し寒いですね。
◯ 4月のわりにまだ少し寒いですね。
It’s still a bit chilly for April, isn’t it?
⇒「4月」は具体的な時期を表しています。
まとめ
[AわりにB]
- 話し手の予想と比較して、それ以上かそれ以下かを表す表現。
- 主観的な基準に基づく比較になる。
- 程度や幅のある抽象的な言葉と一緒に使うことができる。
[AにしてはB]
- 一般的な期待や社会的な水準と比較する表現。
- 個人の予想ではなく、一般的な基準との比較になる。
- その事実が確かかどうか分からない場合について述べるときにも使われる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. どちらでもいい
子どもにしてはたろうくんは背が高いです。
子どものわりにたろうくんは背が高いです。
For a child, Taro is tall.
*話し手の予想より高いと考えることも、一般的な子どもの基準と比べて高いと考えることもできます。そのため、どちらも使えます。
A. わりに
彼はかっこいいわりに人気がないです。
He’s handsome but not very popular.
*「かっこいい」は主観的で抽象的な評価なので、「わりに」を使います。
A. わりに
勉強しなかったわりにいい点数でした。
Despite not studying, I got a good grade.
*「勉強しなかったのに、予想よりよい結果だった」という話し手の予想とのズレを表しています。そのため「わりに」が適切です。
A. にしては
ジョン:あれ、見て。何だろう、ねこかな。
みか:えー、ねこにしては大きすぎない?
John: “Hey, look at that. What is it, a cat?”
Mika: “Hmm, isn’t it too big for a cat?”
*本当にねこかどうか分からない状況なので、「ねこの一般的なイメージ」と比べる「にしては」を使います。
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