JLPT N2文法 -「〜あげく」と「〜末に」の違い

目次
1. 「〜あげく」と「〜末に」の違い
2. 〜あげく
3. 〜末に
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜あげく」と「〜末に」に違いはありますか?
A: どちらも、いろいろなことをした後で、最終的にどうなったのかという「結果」を表す表現です。
背景には、長い時間がかかったり、多くの出来事があったりする状況が含まれています。
そのため、「いろいろ」「さんざん」「長い時間」などの言葉と一緒に使われることが多く、最終的な結果を強調するニュアンスを持っています。
〜あげく (JLPT N2)
[意味]
長く続いた行動や状態が、最終的に残念な結果になったことを表す
[ルール]
[V] 動詞た形+あげく
[N] する動詞の名詞+あげく
[例]
彼は1時間も私を待たせたあげく、今日は行けないと言い出しました。
After making me wait for an hour, he finally said he couldn’t come today.
散々迷ったあげく、結局何も買いませんでした。
After much deliberation, I ended up not buying anything.
けんかのあげく、息子は家出をしました。
After the argument, my son ran away from home.
〜末に (JLPT N2)
[意味]
長く続いた行動や状態が、最終的にどうなったかを表す
[ルール]
[V] 動詞た形+末(に)
[N] 名詞+の+末(に)
*「に」は省略される場合もあります
[例]
いろいろ考えた末に、転職することにしました。
After considering various options, I decided to change jobs.
2年勉強した末に、やっとJLPT N1に合格できました。
After studying for two years, I finally passed the JLPT N1.
さんざん議論した末、ついにA社と合意しました。
After much debate, we finally reached an agreement with Company A.
比べてみよう
[悪い結果のとき]
話し手にとって悪い結末/結果が起きたときや更に悪いことが起こったときには「〜あげく」を使います。
[例]
ケータイが壊れたあげく、その修理代に5万円もかかってしまいました。
After my phone broke, it ended up costing 50,000 yen to repair it.
さんざん待たされたあげく、「本日の受付は終了しました。」と言われました。
After being kept waiting for a long time, I was told, “Today’s reception has already closed.”
これらはどれも良くない出来事なので「〜あげく」を使います。
次のように、結果として良いことが起こった場合には「〜あげく」を使えないので注意しましょう。
[例]
× たくさん勉強をしたあげく、弁護士になれました。
After studying hard, I became a lawyer.
[いい結果のとき]
「〜あげく」とは反対に、良い結末/結果ことが起こった場合には「〜末に」を使います。
[例]
たくさん勉強をした末に、弁護士になれました。
After studying hard, I became a lawyer.
努力の末に、弟は東京の美術大学に合格しました。
After much effort, my younger brother got into the University of the Arts in Tokyo.
[悪い結果でも納得しているとき]
話し手にとって結末/結果が悪いものであっても、その結果に納得している場合は「〜末に」を使うことができます。
[例①]
夫とさんざん話し合ったあげく離婚することになりました。
After much discussion with my husband, we decided to divorce.
⇒「離婚」という結果が話し手にとって悪いことだったということを表しています。
夫とさんざん話し合った末に離婚することになりました。
After a lengthy discussion with my husband, we ended up getting divorced.
⇒「離婚」という結果に話し手が納得しているということを表しています。
[例②]
いろいろ考えたあげく、転職することにしました。
After considering various options, I ended up changing jobs.
⇒「転職」という結果が話し手にとって悪いことだったということを表しています。
いろいろ考えた末に、転職することにしました。
After considering various options, I decided to change jobs.
⇒「転職」という結果に話し手が納得しているということを表しています。
このような場合、「〜あげく」と「〜末に」のどちらも文法的には使えます。
ただし、話し手がその結果を「残念なもの」と感じているのか、それとも「よく考えた末の納得できる決断」ととらえているのかによって、選ぶ表現が変わります。
ポイントは、出来事そのものではなく、話し手の気持ちや評価です。
まとめ
[〜あげく]
- 長い時間や多くの出来事のあとに使う。
- 最終的に良くない結果・残念な結果になったことを表す。
- 後悔・不満・予想外のマイナス結果のニュアンスがある。
- 「いろいろ」「さんざん」などと一緒に使われることが多い。
- 話し手がその結果を否定的に評価しているときに使う。
[〜末に]
- 長い時間や多くの出来事のあとに使う。
- 最終的にそうなったという結果を表す。
- 良い結果や、努力の結果としての達成に使われることが多い。
- 結果が悪くても、話し手が納得している場合には使える。
- 話し手の評価や気持ちが選択のポイントになる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 末に
父との話し合いの末に留学を許してもらいました。
After discussions with my father, I got permission to study abroad.
*父と話して良い結果が出ているので「末に」が正解です。
A. あげく
今日は財布を落としたあげく定期券も落としてしまいました。
Today, I ended up losing both my wallet and my commuter pass after.
*更に悪い出来事が続いているので「あげく」が正解です。
A. 末に
色々な会社へ書類を送った末に、1つの会社が返事をくれました。
After sending documents to various companies, one of them finally replied.
*話し手が1つの会社から返事ももらえたことを良いことと思っているので「末に」がふさわしいです。
A. あげく
自転車が壊れたあげく駅まで30分も歩くことになりました。
My bike broke down, so I ended up having to walk 30 minutes to the station.
*自転車が壊れたことが駅まで歩くという悪い結果になっているので「あげく」が正解です。
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