JLPT N4文法 – 「〜てしまう」の2つの使い方

目次
1. 「〜てしまう」の2つの使い方
2. 〜てしまう①
3. 〜てしまう②
4.「〜てしまう」の短縮形
5. 比べてみよう
6. まとめ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜てしまう」の使い方がよくわかりません。
A: 1つで2つの異なる意味をもつ「てしまう」ですが、1つ目は「完了」、2つ目「残念」です。使い分けが難しいかもしれませんが、よく一緒に使う単語も紹介するので合わせて覚えましょう。
〜てしまう① (JLPT N4)
[意味]
ある動作が完全に完了することを表す
[ルール]
[V] 動詞て形+しまう
[よく一緒に使う言葉]
読む・する(やる)・終わる・できる
もう、全部、早く など
[例]
ここにあった本は全部、読んでしまいました。
I finished reading all the books that were here.
会議の前に頼まれた仕事は終わらせてしまいました。
I finished the work I was asked to do before the meeting.
もっと時間がかかると思ったけど、早くできてしまいました。
I thought it would take more time, but I was able to finish it quickly.
「〜てしまう」は、あることを「全部済ませた」という点を強調したいときに使います。
ただし、特に強調の必要がない場面で使うと不自然に響くので注意が必要です。
[例]
いつも午前中に家事を済ませてしまいます。
I always finish all the housework in the morning.
⇒ 午前中に全ての家事を終わらせることを強調しています。
8月中旬までに宿題を終わらせてしまいます。
I will finish my homework by mid-August.
急ぐので書類は早く書いてしまってください。
Please write the documents quickly, since it’s urgent.
[不自然な使い方]
× みんなで食事してしまいましょう。
〇 みんなで食事しましょう。
Let’s have a meal together.
× A: この件について、分かりましたか。
× B: はい、分かってしまいました。
〇 B: はい、分かりました。
A: Did you understand this matter?
B: Yes, I understood it.
[量と一緒に使う場合]
数量を表す言葉と一緒に使うと、大量のものを短時間で終えたことを強調します。
[例]
のどが渇いていたので、1リットルの水を全部飲んでしまいました。
I was so thirsty that I drank a whole liter of water.
⇒ 「少量の水を全部飲んでしまいました」とは言えません。
いつもは1時間かかるのに、今日は道が空いていて40分で着いてしまいました。
It usually takes an hour, but today the road was clear and I got there in 40 minutes.
一日で本を20冊、読んでしまいました。
I finished reading 20 books in one day.
〜てしまう② (JLPT N4)
[意味]
意図せずある行為をしてしまい、その結果「残念」「後悔」の気持ちを表す
[ルール]
[V] 動詞て形+しまう
[よく一緒に使う言葉]
遅れる・壊れる・忘れる・失くす など
[例]
走ったけど間に合わなくて、電車が行ってしまいました。
I ran, but I didn’t make it in time and the train left.
買ったばかりなのに、服を汚してしまったよ。
Even though I had just bought it, I ended up staining my clothes.
単語を覚えてもすぐに忘れてしまうんです。
Even if I memorize vocabulary, I soon forget it.
この「〜てしまう」は、失敗や残念な出来事に対して、ネガティブな感情を強調するときに使います。「てしまう①(完了)」と違って、こちらは「自分のミス」「不運な出来事」を強調する用法です。
[例]
いつも乗るバスに遅れて遅刻してしまいました。
I was late for the bus I usually take and ended up being late for work.
最近買ったイヤリングを失くしてしまったんです。
I lost the earrings I bought recently.
お気に入りのコップを割ってしまいました。
I broke my favorite cup.
「〜てしまう」の短縮形
日常会話やカジュアルな場面では、次のように短くして使うことが多いです。
「て形+しまう」⇒「ちゃう」
してしまう⇒しちゃう
やってしまう⇒やっちゃう
終わってしまう⇒終わっちゃう
「で+しまう」⇒「じゃう」
飲んでしまう⇒飲んじゃう
読んでしまう⇒読んじゃう
[例]
時間に遅れちゃった。ごめんね。
I was late. Sorry about that.
あの人の名前、何だっけ。忘れちゃった。
What was that person’s name again? I forgot.
あと少しだから、全部やっちゃおう。
There’s only a little left, so let’s just finish it all.
このマンガおもしろいから、全部読んじゃおう。
This manga is interesting, so let’s read the whole thing.
*意向形の場合、「ちゃう」は「ちゃおう」、「じゃう」は「じゃおう」になります。
比べてみよう
次の文を読んで、「完了」か「残念」のどちらの意味になるか考えてみましょう。
[例]
弟にピザを食べられてしまいました。
正解は「残念」です。
この文の「〜てしまいました」は「後悔・残念」の意味で使われています。
さらに、ここで使われている受身形「られる」は「持ち主の受身」と呼ばれる用法です。つまり「弟にピザを食べられた」という出来事によって、話し手(=ピザの持ち主)が不快な気持ちを受けたことを表します。
この場合、単に「弟がピザを食べた」という事実だけではなく、「自分が楽しみにしていたピザを取られてしまった」という残念な感情が強調されています。
[対比例]
完了:ピザを全部食べてしまいました。
I ate all the pizza.
⇒ 自分でピザを完食したことを強調しています。
残念:弟にピザを食べられてしまいました。
My younger brother ate the pizza.
⇒ 他人の行為によって、自分が嫌な思いをしたことを強調しています。
このように、「てしまう」は同じ形でも「完了」と「残念」の2つの意味を持ちます。
文脈や一緒に使われる動詞・表現によってどちらの意味になるか判断することが大切です。

受身形の使い方について
詳しく知りたい方は
この記事を読みましょう。
まとめ
「〜てしまう」の使い方は2つ
① 完了を表す
- あることを「全部済ませる」ことを強調するときに使う。
- 特に強調の必要がない場面で使うと、不自然に聞こえるので注意。
- 量を表す言葉と一緒に使う場合は「大量のものを短時間で済ませる」ことを強調する。
② 残念・後悔を表す
- 意図せず行ってしまった行為や、望ましくない結果に対して使う。
- 「持ち主の受身形」と組み合わせると、残念な気持ちがより強調される。
「〜てしまう」の短縮形
- 日常会話では短くして使うことが多い。
- 「〜てしまう」 ⇒ 「〜ちゃう」
- 「〜でしまう」 ⇒ 「〜じゃう」
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