JLPT N1・N3文法 「〜つくす」と「〜きる」の違い

目次
1. 「〜つくす」と「〜きる」の違い
2. 〜つくす
3. 〜きる
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜つくす」と「〜きる」の違いは何ですか?
A: いずれも「すっかり〜する」「完全に〜する」という意味を表す補助動詞ですが、表すニュアンスや使い方に違いがあります。
〜つくす(JLPT N1)
[意味]
残らず~する
[ルール]
[V] 動詞語幹+つくす
[例]
大きな会場はファンで埋めつくされました。
The large venue was completely filled with fans.
アイデアを出しつくして何も思い浮かばないよ。
I’ve used up all my ideas, and nothing else comes to mind.
基本的な意味は「あるものを残さずにする」ことですが、大きく2つに分けられます。
① 対象を残さずなくす状態を表す
[例]
お腹が空いていてお菓子を食べつくしました。
I was so hungry that I ate up all the sweets.
⇒ 対象は「お菓子」で、それを残さず食べたという意味です。
貯金を使いつくして、もう一円も残っていません。
I’ve used up all my savings, and not a single yen is left.
⇒ 対象は「貯金」。すべて使い切って、残りがゼロになったことを強調しています。
② 思考を表す動詞と結びつき、徹底的に行う様子を表す
よく使われる動詞:「知る」「考える」
[例]
彼は明治の歴史を知りつくしています。
He knows the history of the Meiji era thoroughly.
⇒「明治の歴史」について、知らないことが何もないほど知っているということです。
問題の解決方法を考えつくしたが、よい答えは見つかりませんでした。
I thought through all the possible solutions to the problem, but I couldn’t find a good answer.
⇒ 解決方法を徹底的に考えたが、成果は得られなかったということです。
〜きる (JLPT N3)
[意味]
① ~を完了する・終える
② 完全に~する(100%の状態になる)
③ はっきり・強く~する
[ルール]
[V] 動詞語幹+きる
[例]
3200字のレポートを一日で書き切りました。(①)
I finished writing a 3,200-character report in one day.
犯人に逃げきられてしまいました。(②)
The criminal managed to get away completely.
「絶対にやれる」と言い切ったけど、少し不安です。
I declared, “I can definitely do it,” but I still feel a little uneasy.
① 完了を表す
動作や出来事が完全に終わることを表します。
特に「食べ物」「本」「量のあるもの」と一緒に使われ、その量を最後まで達成したニュアンスになります。
[例]
42.195キロを走りきりました。
I ran the full 42.195 kilometers.
500ページの本を一日で読み切ったよ。
I finished reading a 500-page book in one day.
インクを使いきったので、新しいものを買いました。
I used up all the ink, so I bought a new one.
② 完全に~する
ある動作や状態が100%成り立っていることを表します。
[例]
彼の話を信じきっていましたが、全てうそでした。
I completely believed his story, but it turned out to be all lies.
⇒ 彼の話を100%信じていたということです。
朝から晩まで遊んで、疲れきってしまいました。
I played from morning until night and ended up totally exhausted.
今日の運動会で全ての力を出しきりました。
I gave all my strength at today’s sports festival.
③ はっきり・強く〜する
ある動作を強く、迷いなく行う という使い方があります。
この場合、「断ち切る」「言い切る」などのように、特定の動詞と結びついて複合動詞を作ることが多いのが特徴です。
[よく使われる動詞]
言う → 言い切る
思う → 思い切る
断つ → 断ち切る
割る → 割り切る
振る → 振り切る
見る → 見切る
[例]
好きな仕事ではないけれど、生活のためと割り切って働いています。
It’s not work that I enjoy, but I accept it as just for making a living and keep working.
思い切って来年、海外留学に挑戦しようと思います。
I’ve decided to take the plunge and challenge myself to study abroad next year.
暗い過去を断ち切って、前向きに生きています。
I’ve cut off my dark past and now live with a positive outlook.
比べてみよう
次のような場合、どちらも正しい使い方ですが、ニュアンスには違いがあります。
[例]
① ケーキを食べつくしました。
② ケーキを食べきりました。
① は、「対象を完全になくす」という動作で、単純な「完了」より意味が強く、「きる」より勢いのある印象を与えます。
② は、ケーキをきれいに食べ終えたという単純な「完了」を表します。
では、次はどうでしょう。
[例]
① 力を出しつくしました。
② 力を出しきりました。
① は、力を余すことなくすべて使い果たしたという「勢いの強さ」があります。
② は、持っている力を最後まで使い切ったという「完了」です。
このように、どちらも「終わりまでやる」ですが、「つくす」は“残さない勢い・徹底感”がプラスされ、「きる」はシンプルな完了という違いが出ます。
まとめ
[〜つくす]
- ① 対象のものを残さずなくす状態を表す。
- ② 「知る」「考える」と結びつき、完全に・徹底的に行う様子を表す。
- 対象を“完全になくす”という動作を強調し、「きる」よりも勢いがある印象を与える。
[〜きる]
- ① 動作や出来事が完全に終わることを表す。
- ② ある動作が「完全に~だ・100%~だ」という状態を表す。
- ③ ある動作を強く、迷いなく行うことを表す。この場合、「言う」「割る」など特定の動詞とよく組み合わせて使う。
- 「つくす」よりもシンプルに「完了・終了」を表す。
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