JLPT N2文法 – 「〜上で」と「〜上は」の違い

目次
1. 「〜上で」と「〜上は」の違い
2. A上でB①(事後)
3. A上でB②(目的)
4. A上はB
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「~上で」と「~上は」の違いは何ですか?
A: この2つは形がよく似ていますが、文法的な役割・意味・使われ方に大きな違いがあります。
A上でB①(事後) (JLPT N2)
[意味]
まずAを行い、その結果や内容をふまえてBを行う
[ルール]
[V] 動詞た形+上で
[N] する動詞の名詞+上で
[例]
この件については社長と話し合った上でお返事いたします。
I will respond to this matter after discussing it with the company president.
契約書をよく読んだ上で、ハンコを押してください。
Please read the contract carefully before stamping it.
この文型は、「〜てから」のように単に順番を表すのではなく、Aを行った結果を踏まえてBを行うという文脈で使われます。
AとBには、話し手の意思や判断が関わる動詞が使われるのが特徴です。
[例]
いつ留学するかは、両親との相談の上で決めます。
I’ll decide when to study abroad after discussing it with my parents.
⇒ 両親と相談し、その内容をもとに判断するという意味です。
いい条件の仕事でしたが、よく考えた上で断ることにしました。
It was a good job offer, but I decided to turn it down after careful consideration.
実際に商品を使ってみた上で、感想を教えてください。
Please try the product yourself and let me know your thoughts afterward.
A上でB②(目的) (JLPT N2)
[意味]
〜するために、〜のに
[ルール]
[V] 動詞辞書形+上で
[N] する動詞の名詞+上で
[例]
外国で生活する上で、大切なのは現地の文化を尊重することです。
When living abroad, what’s important is to respect the local culture.
食料品の保存の上で、温度管理は非常に重要です。
In storing food, temperature control is extremely important.
この文型は、ある目的や場面において必要な条件・注意点・重要なことを述べるときに使います。
Aには「目的」や「状況」が入り、Bにはそれに対して「大切なこと」「役に立つこと」「必要なこと」などが続きます。
そのため、Bには単純な行動ではなく、判断や評価を含む文が使われます。
[例]
プロジェクトを成功させる上で、チームワークは欠かせません。
Teamwork is essential for making a project successful.
⇒ プロジェクトを成功させるには、チームワークが非常に重要だという意味です。
子供を育てる上で、周囲のサポートや良好な環境は大切なことです。
When raising a child, support from those around and a good environment are very important.
オンライン学習は外国語の勉強の上で、かなり役に立ちます。
Online learning is quite useful for studying foreign languages.
A上はB (JLPT N2)
[意味]
Aという事実がある以上、当然Bすべきだ/Bするのが当然だと判断する
[ルール]
[V] 動詞辞書形/た形+上は
[例]
やると決めた上は、最後まで責任をもってやり通します。
Since I’ve decided to do it, I’ll carry it through with full responsibility.
試合に出ると決まった上は、必ず勝つ気持ちで挑もう。
Since it’s been decided that I’ll join the match, I’ll face it with a strong will to win.
この文型は、話し手の強い決意や覚悟、あるいは当然の責任感を表すときに使います。
Aにはすでに起きた事実や決定された状況が入り、Bにはそれに対して取るべき行動・義務・決意などが続きます。
[Bに使われやすい表現]
「〜べきだ」「〜つもりだ」「〜はずだ」「〜にちがいない」「〜てはいけない」 など
[例]
代表に選ばれた上は、責任を持って務めたいです。
Since I was chosen as a representative, I want to fulfill my role with a sense of responsibility.
⇒ 代表に選ばれたという事実を受けて、その職務を果たす覚悟があることを示しています。
母国を離れる上は、十分な覚悟をするべきです。
If you are going to leave your home country, you should be fully prepared for it.
一度謝った上は、誠意を見せ続けるべきです。
Once you’ve apologized, you should continue to show sincerity.
まとめ
[A上でB]
- ① 事後:「まずAしたあとで、それに基づいてBの行動をする」という前後行動を表す。
- ②目的:Aに積極的な目標をいい、Bではその目的達成のために必要な条件・注意点・重要事項などを述べる。
[A上はB]
- 話し手の強い決意や覚悟を表すときの表現。Aにはある事実や状況をいい、BにはAに伴う行為(決意・覚悟)を言う。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 上は
起業すると決めた上は、成功させるつもりです。
Since I’ve decided to start a business, I intend to make it a success.
*起業に対する強い決意や覚悟を表しているため、「上は」がふさわしいです。
A. 上で
よく話し合った上で離婚することにしました。
After thorough discussions, we decided to get divorced.
*「話し合い、その内容をもとに離婚を決めた」という意味なので、「上で」がふさわしいです。
A. 上は
受験する上は必ず合格したいです。
Since I’ve decided to take the entrance exam, I definitely want to pass.
*受験に向けた強い意志や覚悟を示しているため、「上は」がふさわしいです。
A. 上で
語学学習の上でデジタルツールは、欠かせないものになっています。
In language learning, digital tools have become indispensable.
*「語学学習」という目的や場面においてデジタルツールが必要であることを述べているため、「上で」がふさわしいです。
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