出来事が「すぐ起こる」ときに使う文法5選②

目次
1. 出来事が「すぐ起こる」ときに使う文法5選
2. 文法比較
3. Aが早いかB
4. Aかと思ったらB
5. Aとたん(に)B
6. 比べてみよう
7. まとめ
8. 関連記事
9. コメント
Q: 「〜そばから」「〜てすぐ」「〜が早いか」「〜かと思ったら」「〜とたん」の文法の違いは何ですか?
A: いずれも「ある動作が終わった直後に、次の動作が起こる」ことを表す表現ですが、それぞれにニュアンスや使い方の違いがあります。
前回は「〜そばから」と「〜てすぐ」に注目しました。今回は「〜が早いか」「〜かと思ったら」「〜とたん」について詳しく見ていきましょう。

「〜そばから」と「〜てすぐ」の違いを
詳しく知りたい人は
この記事を読んでください。
文法比較
まずは、全体の違いを一覧で確認しましょう。
| 表現 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| A そばから B | ~するとすぐに、また同じことが起こる | A のあとすぐに、また B(繰り返し)起こること |
| A てすぐ | ~の直後に | A のあとすぐの B(すぐ次の行動)を表す |
| A が早いか B | ~した瞬間/ほとんど同時に | A と B がほぼ同時に起こるようなニュアンスが強い |
| A かと思ったら B | ~したと思ったら | A が起きた直後に B(意外な展開)が起こる |
| A とたん(に)B | ~した直後に/~したら、その瞬間に | A が終わったのと同時に B(予期しないこと)が起きる(驚きなど) |
Aが早いかB (JLPT N1)
[意味]
Aが起こるのとほぼ同時にBが起こる
[ルール]
[V] 動詞辞書形+が早いか
[例]
ベルが鳴るが早いか、生徒たちは教室を飛び出しました。
As soon as the bell rang, the students rushed out of the classroom.
玄関のドアを開けるが早いか、母が「おかえり」と言いました。
No sooner had the front door opened than my mother said “Welcome home.”
Aが発生した瞬間に、ほとんど同時にBが続くという、動作の即時的な連続を表します。
動作の「素早さ」や「瞬間性」を強調する表現で、主に書き言葉で使われることが多いです。
[例]
娘は家に帰るが早いか、またどこかへ出かけて行きました。
As soon as my daughter came home, she went out again.
⇒ 帰宅してすぐに、間を置かず外出したということです。
電車のドアが開くが早いか、みんな一斉に電車に乗りました。
No sooner had the train doors opened than everyone boarded at once.
⇒ドアが開いた瞬間に、乗客が一斉に乗り込んだことを強調しています。
Aかと思ったらB (JLPT N2)
[意味]
Aが起こった直後に、意外な展開Bが続くことを表す
[ルール]
[V] 動詞た形+かと思ったら
[例]
子供は帰ってきたかと思ったら、すぐ出かけてました。
Just when the child got home, they immediately went out again.
ようやく雨が止んだかと思ったら、また降り出しました。
Just when the rain finally stopped, it started falling again.
「Aかと思ったらB」 は、Aが起こった直後に、Bという意外な展開や変化が起こることを表します。
[例]
注意して静かになるかと思ったら、子供達はまた騒ぎ始めました。
Just when I thought the children would quiet down after being scolded, they started making noise again.
⇒ 静かになると思いきや、逆に騒ぎ始めるという予想外の展開を伝えています。
大きな仕事が終わったかと思ったら、すぐに新しいプロジェクトが始まりました。
Just when I thought the big project was over, a new one started right away.
⇒ 一段落したと思った直後に、すぐ新しい仕事が始まったという意外性があります。
この表現は単に意外性を伝えるだけでなく、AとBの間に気持ちの落差があるときによく使われます。
A:話し手が待ち望んでいたこと、期待していたこと
B:落胆や驚きなど、期待を裏切るような出来事
そのため、「ようやく」「やっと」などの副詞と一緒に使われることが多く、努力や期待が裏切られた印象を強調する効果があります。
[例]
ようやく桜が咲いたかと思ったら、もう散ってしまいました。
Just when the cherry blossoms finally bloomed, they had already fallen.
⇒ A:桜が咲いた(期待) B:すぐに散った(落胆)
やっと電車が来たかと思ったら、満員でした。
Just when the train finally arrived, it was full.
⇒ A:電車が来た(期待) B:乗れそうにない(がっかり)
Aとたん(に)B (JLPT N3)
[意味]
~したら、その瞬間に〜が起こる
[ルール]
[V] 動詞た形+とたん(に)
[例]
立ち上がったとたん、めまいがしました。
As soon as I stood up, I felt dizzy.
大きな雷が鳴ったとたんに、子供が泣き出しました。
The moment a loud thunder sounded, the child started crying.
「Aとたん(に)B」は、Aが起こったちょうどその瞬間に、B(予期していなかったこと)が起こったという意味を表す表現です。
Bには、以下のような内容が使われることが多いです:
身体的な変化(例:めまいがする、涙が出る)
反射的な反応(例:驚く、泣き出す)
自然現象(例:雨が降る、雷が鳴る)
[例]
この曲を聞いたとたんに、涙が出てきました。
The moment I heard the song, tears welled up in my eyes.
⇒ 曲を聞いた瞬間、感情が高まり、涙が出たことを表しています。
父が怒ったとたん、息子は静かになりました。
As soon as my father got angry, my son became quiet.
⇒ 父の怒りにすぐ反応して、息子が黙ったことを示しています。
比べてみよう
まずは5つの文型の使い方を簡単におさらいしましょう。
① AそばからB:
Aをしても、すぐにまた同じようなBが起こる。
⇒ Aの行動が繰り返し無駄になるという意味合いを含む。
② AてすぐB:
時間的・距離的な「すぐ」の意味。
⇒ Aの直後にBが起きたという事実を中立的に述べる。
③ Aが早いかB:
Aが起こると同時にBが起きるような瞬時の動作の連続を表す。
⇒ AとBがほぼ同時に起きたことを強調。書き言葉で使われやすい。
④ Aかと思ったらB:
Aが起こった直後に、Bという意外な展開や変化が起こる。
⇒ 特に、Aが「ようやく・やっと」など期待や努力の対象である場合、Bに落胆や驚きの気持ちが含まれ、感情の落差が表れる。
⑤ Aとたん(に)B:
Aが起こった瞬間に、Bという予期しない変化が起こる。
⇒ Bには身体的変化、自然現象、反射的な反応が使われやすい。
これら5つはいずれも「AのあとすぐにBが起こる」という共通点がありますが、それぞれニュアンスや使える場面が異なります。 ポイントは 「Bで何が起きるか」 を見て使い分けることです。
「帰る」をAにして、Bを変えて比較してみましょう:
帰ったそばから、またすぐ出かけました。
⇒ 「また」の繰り返しがポイント。「帰った」ことが無駄になる印象です。
帰ってすぐ出かけました。
⇒ 時間的な順序を中立的に述べています。
帰ったかと思ったら、また出かけました。
⇒ 「出かけるとは思わなかった」という意外性を表しています。
上の3つは、Bの内容がそれぞれの文型に合っているため、自然に使えます。
ただし、以下の2つは意味的に不自然です:
帰るが早いか、出かけました。
⇒「帰る」と「出かける」が一人の動作として瞬時に続くのは現実的ではありません。
帰ったとたん、出かけました。
⇒「出かける」は身体的変化や反射的反応ではないため、「とたん」との相性が悪いです。
このように、「Aの直後にBが起こる」という構造であっても、Bの内容の性質によって 適切な文型が変わることがわかります。正しく使い分けるには、Bの出来事の性質や、話し手の感情が含まれるかどうか に注目するのがポイントです。
まとめ
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| A そばから B | ~するとすぐに、また同じことが起こる | Aをしても、すぐにまた同じようなBが起こる。
Aの行動が繰り返し無駄になるという意味合いを含む。 |
| A てすぐ | ~の直後に |
時間的・距離的な「すぐ」の意味。
Aの直後にBが起きたという事実を中立的に述べる。 |
| A が早いか B | ~した瞬間/ほとんど同時に | Aが起こると同時にBが起きるような瞬時の動作の連続を表す。
AとBがほぼ同時に起きたことを強調。書き言葉で使われやすい。 |
| A かと思ったら B | ~したと思ったら | Aが起こった直後に、Bという意外な展開や変化が起こる。 特に、Aが「ようやく・やっと」など期待や努力の対象である場合、Bに落胆や驚きの気持ちが含まれ、感情の落差が表れる。 |
| A とたん(に)B | ~した直後に/~したら、その瞬間に | Aが起こった瞬間に、Bという予期しない変化が起こる。
Bには身体的変化、自然現象、反射的な反応が使われやすい。 |
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