JLPT N1・N2文法 -「〜なくもない」と「〜ないこともない」の違い

目次
1. 「〜なくもない」と「〜ないこともない」の違い
2. 〜なくもない
3. 〜ないこともない
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜なくもない」と「〜ないこともない」は違いますか?
A: 「〜なくもない」と「〜ないこともない」は、どちらも二重否定の表現です。
否定の形を二回使うことで、断定を避けながい方になります。
使い方はよく似ていますが、ニュアンスに少し違いがあります。詳しく見ていきましょう。
〜なくもない (JLPT N1)
[意味]
完全には否定できない
まったく〜ないわけではない
[ルール]
[V] 動詞ない形い+くもない
[A] い形容詞い+くもない
[Na]な形容詞+で+なくもない
[ポイント]
・完全には否定できないことを表す
・控えめに「そう言える」と認める表現
・ある程度はそう言えるが、強く言い切らないニュアンスがある
[例]
このせんべいは固いけど食べられなくもないです。
These rice crackers are hard, but they are not impossible to eat.
⇒ 固いですが、まったく食べられないわけではありません。
払えなくもないけど、ちょっと高いなあ。
I could pay for it, but it’s a little expensive.
⇒ 払えないわけではありませんが、気軽には払いにくいです。
忙しくなくもないけど、少しなら話せます。
I’m not exactly free right now, but I can talk a little.
⇒ 忙しいのは事実ですが、まったく時間がないわけではありません。
この場所は不便でなくもないけど、気に入っています。
This place is not without inconvenience, but I like it.
⇒ 不便な点もありますが、全体としては気に入っています。
〜ないこともない (JLPT N2)
[意味]
可能性が少しある
条件次第ではできる
[ルール]
[V] 動詞ない形+こともない
[A] い形容詞ない形+こともない
[Na] な形容詞+で+ないこともない
[N] 名詞+で+ないこともない
[ポイント]
・可能性が少しあることを表す
・条件次第では「そう言える」と認める表現
・難しさや迷いはあるが、完全には否定しないニュアンスがある
[例]
このカレーは辛いけど食べられないこともないです。
This curry is spicy, but it’s not inedible.
⇒ 辛いですが、がんばれば食べられます。
映画にはそれほど興味はないけど、見ないこともないよ。
I’m not particularly interested in movies, but I do watch them occasionally.
⇒ 興味は強くありませんが、見ることはあります。
忙しくないこともないけど、確認しますね。
I’m not exactly not busy, but I’ll check it for you.
⇒ 忙しいですが、確認できる余地はあります。
仕事は大変でないこともないけど、楽しいです。
The job is not without its challenges, but it’s enjoyable.
⇒ 大変な面もありますが、楽しいです。
比べてみよう
まず、「可能性が少しある」「まったくないわけではない」という意味のときは、どちらを使っても大きな違いが出ないことがあります。
[例]
お酒は飲まなくもないけど、あまり強くないんです。
お酒は飲まないこともないけど、あまり強くないんです。
I do drink alcohol sometimes, but I cannot handle it very well.
⇒ どちらも、「お酒を飲むことがまったくないわけではない」ということを表しています。
また、ある気持ちや考えを完全に否定しないときにも、どちらも使える場合があります。
[例]
今の仕事は好きだけど、給料が安いので転職を考えなくもないです。
今の仕事は好きだけど、給料が安いので転職を考えないこともないです。
I like my current job, but since the salary is low, I do sometimes think about changing jobs.
⇒ どちらも、「転職をまったく考えていないわけではない」ということを表しています。
では、次のような場面ではどちらのほうがより自然でしょうか。
[例](携帯電話のお店で)
客:すみません、携帯を落として、画面が割れたんです。修理できますか。
店員:修理できなくもないと思います。
店員:修理できないこともないと思います。
Customer: “Excuse me, I dropped my phone and the screen cracked. Can it be repaired?”
Store clerk: “I think it might still be possible to repair it.”
「修理できなくもない」は、完全に「できない」とは言い切れないときに使う表現で、否定をやわらげるようなニュアンスがあります。
一方、「修理できないこともない」は、難しそうではあるものの、条件しだいでは可能だというニュアンスがあり、難しさや微妙さをやや強く感じさせます。
そのため、携帯の修理のように、簡単ではないが可能性はあるという場面では、「できないこともない」のほうが自然に聞こえることが多いです。
一方で、ただ単に完全否定を避けたいときは、「できなくもない」のほうが合いやすいです。
まとめ
[なくもない]
- 二重否定で、断定を避ける表現。
- 完全には否定できない、まったく〜ないわけではないというときに使う。
- 控えめに認める言い方。
[なくもない]
- 二重否定で、断定を避ける表現。
- 条件次第では可能、少し可能性があるというときに使う。
- 難しさや負担がある場合にも使いやすい。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 聞かなくもない
アメリカの音楽は聞かなくもないな。
I do listen to American music from time to time.
*「聞かなくもない」は、「まったく聞かないわけではない」という意味を表します。
A. 飲めないこともない
このジュース甘いけど飲めないこともないです。
This juice is sweet, but it’s not undrinkable.
*「飲めないこともない」は、「少し飲みにくいが、飲める可能性はある」という意味を表します。
A. 忙しくもない
A:今、お忙しいですか。
B:忙しくもないけどどうしたの。
A: “Are you busy right now?”
B: “Not particularly, what’s up?”
*「特に忙しいわけではない」という自然な受け答えになります。
A. やれないこともない
A:この書類、明日までに作れないかな。
B:うーん、作ってみましょうか。やれないこともないと思います。
A: “Can these documents be prepared by tomorrow?”
B: “Hmm, let’s give it a try. It’s not impossible, I think.”
*「簡単ではないが、できる可能性はある」という意味です。
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