JLPT N1・N3文法 – 「〜やら〜やら」と「〜とか〜とか」の違い

目次
1. 「〜やら〜やら」と「〜とか〜とか」の違い
2. AやらBやら
3. AとかBとか
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜やら〜やら」と「〜とか〜とか」は同じですか?
A: 一見似ていますが、実は使い方や表すニュアンスが異なります。それぞれの表現の違いや使い分けを見ていきましょう。
AやらBやら (JLPT N1)
[ルール]
[V/A/Na/N] 動詞辞書形/い形容詞/な形容詞な/名詞+やら+動詞辞書形/い形容詞/な形容詞な/名詞
[例]
机の上はパソコンやら本やらでぐちゃぐちゃです。
My desk is a mess with things like my laptop and books scattered everywhere.
今日は電車が遅れるやらパソコンが壊れるやら、散々な一日でした。
Today was a terrible day — the train was delayed, my laptop broke, and so on.
このドラマは悲しいやら面白いやらで、けっきょく毎週見てしまいます。
This drama is both sad and funny, so I end up watching it every week.
主な使い方は3つあります。
① 雑多に並ぶ例を挙げるとき
「〜や〜など」と似ていますが、よりごちゃごちゃした印象や、さまざまなものが混ざり合っている様子を強く表します。
[例]
財布の中はレシートやらポイントカードやらでパンパンです。
My wallet is stuffed with receipts, point cards, and all sorts of things.
この雑貨屋は本やらおもちゃやら、なんでも売っています。
This variety shop sells everything — books, toys, and more.
子供のベッドの上にはお菓子やらマンガやらが散らかっています。
My child’s bed is a mess with snacks, comic books, and other things scattered all over.
② 混乱・多忙・大変さを伝えるとき
日常で起こる「やることが多すぎる」「いろいろ重なって大変」といった場面で使われます。
[例]
引っ越しの準備で、荷造りやら掃除やら毎日バタバタしています。
I’ve been busy every day with things like packing and cleaning to prepare for the move.
レポートやら会議やらで、昼ごはんを食べる暇もなかったよ。
I was so tied up with reports and meetings that I didn’t even have time to eat lunch.
今月は子供が熱を出すやら、主人が入院するやらで本当に大変でした。
This month has been truly tough — my child had a fever, my husband was hospitalized, and so on.
③ 複雑な心情を伝えるとき
相反する感情を並べて、複雑で整理しきれない気持ちを表現します。感動・嬉しさ・寂しさなど、感情が入り混じる場面でよく使われます。
[例]
内定が決まったときは、嬉しいやら不安やらで複雑な気持ちでした。
When I got the job offer, I had mixed feelings — I was happy but also anxious.
卒業式では感動やら寂しさやらで、涙が止まりませんでした。
At the graduation ceremony, I was so moved and also felt lonely that I couldn’t stop crying.
旅行は楽しいやら忙しいやらで、あっという間でした。
The trip was fun and hectic, and it was over before I knew it.
AとかBとか (JLPT N3)
[ルール]
[V] 動詞普通形+とか+動詞普通形+とか
[N]名詞+とか+名詞+とか
[例]
家で仕事できなければ、図書館に行くとか部屋を借りるとかしたらどうですか。
If you can’t work at home, how about going to the library or renting a room or something like that?
わからない言葉は、ネットで調べるとか友達に聞くとかしています。
When I come across words I don’t know, I look them up online or ask a friend.
フランス語とかドイツ語とかヨーロッパの言語に興味があります。
I’m interested in European languages, like French or German.
使い方は2つです。
① 同じグループの中から具体例を挙げるとき
「~や~など」と似ていますが、より口語的でカジュアルな響きがあります。
日常会話で「たとえばこれとかこれ」と気軽に例を挙げたいときに使います。
[例]
財布にはカードとか免許証とかが入ってます。
I have things like cards and my driver’s license in my wallet.
明日は渋谷で買い物とか食事とかしない?
Do you want to go shopping or get something to eat in Shibuya tomorrow?
休みの日は、本を読むとかケーキを作るとかして過ごしています。
On my days off, I spend time reading books or baking cakes.
② 曖昧な言動・態度に対するもどかしさを表すとき
対立する言葉(行く・行かない、やる・やらないなど)を並べて、はっきりしない様子を表します。
多くの場合、話し手のイライラ・あきれた気持ちが込められています。
[例]
買い物に行くとか行かないとか、どっちなの?はっきりして。
Are you going shopping or not? Make up your mind.
仕事を続けるとか辞めるとか言ってるけど、逃げてるだけじゃないの?
You keep saying you’ll either keep the job or quit, but aren’t you just avoiding responsibility?
わかるとかわからないとかじゃなくて、ちゃんと説明してほしいです。
It’s not about whether you understand or not — I want you to explain it properly.
比べてみよう
次の場合、ニュアンスの違いは何でしょうか。
[例]
①子供の部屋はいつも散らかっていて、ゲームやら雑誌やらがあちこちにあります。
②子供の部屋はいつも散らかっていて、ゲームとか雑誌とかがあちこちにあります。
「やら〜やら」は、“ごちゃごちゃといろいろな物が入り混じっている感じ”を強く描写します。
一方で「とか〜とか」は、“いくつかの例を挙げている”という意味にとどまり、雑多で乱雑な様子までは伝わりません。
そのため、子供の部屋の散らかり具合をよりリアルに伝えたい場合は、「やら〜やら」の方が適しています。
まとめ
[AやらBやら]
- 例を挙げながらも、単なる列挙にとどまらず、混ざり合いや乱雑さ、感情の入り交じりを表現するのが特徴。
- ①代表的な例を2つほど挙げ、その周囲にさまざまなものが入り混じった雑多な状態を描写する。
- ②複数の出来事が重なり、非常に大変だったり困惑した状況を伝える。
- ③相反する感情や言葉を並べて、複雑で矛盾した心情を表す。
[AとかBとか]
- 口語的でカジュアルな例示表現。列挙のニュアンスはあるが、描写の深さや複雑さは含まない。
- ①同じカテゴリの中から、具体例をいくつか挙げるときに使う。「やら〜やら」とは異なり、乱雑さや感情の混在はない。
- ②対立する言葉と一緒に使って、相手の言動が曖昧でハッキリしない様子を示す。話し手のあきれや苛立ちが含まれるケースが多い。
関連記事
▼メールマガジンに登録▼
日本語学習のヒントを無料で受け取ろう!








