JLPT N3文法 – 「〜を通して」と「〜を通じて」の違い

目次
1. 「〜を通して」と「〜を通じて」の違い
2. 〜を通して/〜を通じて
3. 比べてみよう
4. まとめ
5. クイズ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜を通して」と「〜を通じて」は置き換えて使えますか?
A: 「〜を通して」と「〜を通じて」は、どちらも動詞「通る」に由来し、「ある人や物を介して何かをする・得る」という意味で使われます。多くの場合は置き換えても意味は通じますが、表現するニュアンスには微妙な違いがあります。それぞれの使い方と違いを具体例を交えて見ていきましょう。
〜を通して/〜を通じて (JLPT N3)
[意味]
ある人・物・手段などを介して、何かをする・得る
[ルール]
[N] 名詞 + を通して
[N] 名詞 + を通じて
[よく一緒に使われる動詞]
知り合う・学ぶ・広がる・伝わる・変わる・できる・作る・交流する など
※多くの場合置き換え可能ですが、ニュアンスに違いがあります。
・「〜を通して」:直接的な働きかけや手段そのものに焦点がある
・「〜を通じて」:間接的なきっかけ・つながり・影響などに焦点がある
[例]
新聞を通して社会の動きを知りました。
I learned about what’s happening in society through the newspaper.
メガネを通して見る世界は、いつもよりはっきりしています。
The world looks clearer when I see it through my glasses.
ボランティア活動を通じて多くの人とつながることができました。
I was able to connect with many people through volunteer work.
交換留学を通じて異文化理解が深まりました。
I deepened my understanding of other cultures through the exchange program.
比べてみよう
「〜を通して」と「〜を通じて」は、「学ぶ」「知る」「(知識を)広げる」といった動詞と一緒によく使われます。こうした場合は、どちらを使っても意味に大きな違いはなく、置き換えが可能です。
[例]
今の時代は、オンラインを通してネイティブスピーカーから語学を学べます。
In today’s world, you can learn a language from native speakers through online platforms.
今の時代は、オンラインを通じてネイティブスピーカーから語学を学べます。
In today’s world, you can learn a language from native speakers via online platforms.
[ [人を] 通して・通じて]
「〜を通して」と「〜を通じて」は、どちらも人を介した関係を表しますが、ニュアンスに微妙な違いがあります。
「通して」は、より直接的・積極的な関与を表し、「〜を通じて」は間接的なきっかけや手段を表すことが多いです。
[例]
友人を通して夫と知り合いました。
I got to know my husband through a friend.
⇒ 友人が二人を直接引き合わせたという、積極的な働きかけのニュアンスがあります。
友人のパーティーを通じて夫と知り合いました。
I got to know my husband through my friend’s party.
⇒ 友人はあくまで場を提供した間接的な存在で、出会いの「きっかけ」になったというニュアンスになります。
[ [道具・手段を] 通して vs 通じて]
「〜を通して」は、道具や手段そのものに焦点があり、それを直接使って何かをする・得るというイメージです。
一方、「〜を通じて」は、道具や手段そのものではなく、それを利用したことによって生まれる広がりやつながりに重点があります。
そのため、「〜を通じて」を使う文の後半には、それによって生じた影響や変化が続くことが多いです。
[例]
〇 カメラを通して見るよりも、目で見た景色のほうが美しいです。
△ カメラを通じて見るよりも、目で見た景色のほうが美しいです。
It’s more beautiful to see the scenery with your own eyes than through a camera.
⇒「〜を通して」はカメラという道具を使って実際に見る行為に焦点があるため自然です。
一方、「〜を通じて」は直接的な動作を表すのには適していないため、不自然になります。
〇 インターネットを通じて世界中に友達ができました。
△ インターネットを通して世界中に友達ができました。
I made friends all over the world through the internet.
⇒「〜を通じて」のほうが、インターネットを介して生まれた人とのつながりや広がりをイメージさせるため、より自然です。
まとめ
- 「〜を通して」と「〜を通じて」は、多くの場合置き換え可能だが、ニュアンスには違いがある。
- 「〜を通して」は、より直接的な働きかけや手段そのものに焦点がある。
- 「〜を通じて」は、間接的なきっかけやつながり、またはそこから生じる影響や広がりを表すときに使われる。
- 特に道具や手段を表す語と組み合わせる場合、「〜を通して」はそのもの自体に注目し、「〜を通じて」はそれによってもたらされる変化や影響に注目する傾向がある。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. どちらでもいい
最近の人はインターネットを通して知識を広げています。
最近の人はインターネットを通じて知識を広げています。
People today are expanding their knowledge through the internet.
*「知識を広げる」はどちらでも使える表現で、意味の違いはほとんどありません。
A. 通じて
ソーシャルネットワークを通じて世界に興味を持ち始めました。
I became interested in the world through social networks.
* ソーシャルネットワークが“きっかけ”や“つながり”を生み出しているため、「通じて」が自然です。
A. 通して
フィルターを通して見るときれいだけど、そのままだと微妙だね。
It looks beautiful when seen through a filter, but not so much without it.
* 道具である「フィルター」に焦点が当たっており、「通して」が適切です。
A. 通して
A「彼とはどうやって知り合ったの?」 B「友達が紹介してくれたんです。」 A「へー友達を通して知り合ったんですね。」
A: How did you meet him? B: A friend introduced us. A: Oh, so you met him through a friend.
*友達が積極的に引き合わせたという直接的な関与を示すため、「通して」が自然。
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