JLPT N1・N2文法 – 「やら~やら」と「だの~だの」の違い

目次
1. 「〜やら〜やら」「〜だの〜だの」の違い
2. 〜やら〜やら
3. 〜だの〜だの
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「やら~やら」と「だの~だの」の違いは何ですか?
A: どちらも複数の事柄を並べる表現ですが、込められる感情や文脈で使い分けが必要です。それぞれニュアンスや使い方に明確な違いがあります。
やら~やら (JLPT N2)
[意味]
いくつかの事柄や状態が同時に起こっていることを表す。混乱・困難・複雑な気持ちなど、話し手にとって大変な状況を伝えるときによく使われる。
[ルール]
[V]動詞辞書形+やら+動詞辞書形+やら
[A]い形容詞やら+い形容詞+やら
[N]名詞+やら+名詞+やら
[例]
子どもが泣くやら騒ぐやらで、全然仕事に集中できませんでした。
The children were crying and making noise, so I couldn’t concentrate on my work at all.
父の書斎には本やら置物やらが置いてあります。
In my father’s study, there are books, ornaments, and all sorts of things.
嬉しいやら恥ずかしいやら、なんとも言えない気持ちになりました。
I felt happy and embarrassed at the same time—it was a feeling I couldn’t quite describe.
「やら~やら」は、複数の事柄や状況を並べて、その全体像を伝える表現です。肯定的な内容に使われることもありますが、多くの場合、話し手にとって困難・混乱・複雑な状況を表す際に使われます。文脈によってニュアンスが変わるため、使い方に注意が必要です。
① 例を挙げて「いろいろある」ことを表す
「や~など」と似ていますが、「やら~やら」は例以外にも多くのものが含まれていることを暗示し、雑多でまとまりのない印象を与えます。
[例]
この店には、家具やら照明やら、いろいろなものが売られています。
This shop sells all sorts of things, such as furniture and lighting.
弟のかばんの中は、レシートやらガムやらでぐちゃぐちゃでした。
My younger brother’s bag was a mess, filled with things like receipts and chewing gum.
② 状況を並べて、大変さや混乱を表す
具体的な出来事を列挙しながら、その結果としての忙しさや混乱した気持ちを伝えます。
[例]
引っ越しの準備で、荷造りやら掃除やら、毎日バタバタしています。
With all the moving preparations, like packing and cleaning, every day has been hectic.
レポートやら会議やらで、昼ごはんを食べる暇もなかったよ。
I was so busy with things like reports and meetings that I didn’t even have time to eat lunch.
※このように、「何が大変だったのか」を例として挙げる形で使われます。
③ 相反する感情を並べて、複雑な気持ちを表す
ポジティブとネガティブ、または複数の異なる感情が入り混じっているときに使われます。
[例]
雨やら風やらで、運動会はさんざんな結果だったよ。
Because of the rain and wind, the sports day ended in a terrible result.
社内発表を伝えると、喜ぶやら驚くやら、反応は様々でした。
When I shared the company announcement, reactions varied—some were happy, others surprised.
クラスメイトの前で先生に褒められて、嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気持ちだった。
I was praised by the teacher in front of my classmates, and I felt a mix of emotions—both happy and embarrassed.
だの~だの (JLPT N1)
[意味]
話し手が相手の言動や状況に対して不満・批判的な気持ちを含んで、複数の事柄を並べるときに使う表現。相手が言ったことやしたことを引用して皮肉っぽく列挙するときにもよく用いられる。
[ルール]
[V] 動詞普通形+だの+動詞普通形+だの
[A] い形容詞普通形+だの+い形容詞普通形+だの
[Na] な形容詞普通形+だの+な形容詞普通形+だの
[N] 名詞普通形+だの+名詞普通形+だの
[例]
最近の若者は働きたくないだの責任を持ちたくないだの言ってるけど、それで社会は回りません。
Young people these days say things like they don’t want to work or don’t want to take responsibility, but society can’t function like that.
仕事が大変だの忙しいだの言って、彼とはまともに話す時間もないです。
He keeps saying he’s too busy or that work is too hard, and I can’t even have a proper conversation with him.
彼は遅刻だの忘れ物だの、いつもトラブルばかりですね。
He’s always causing trouble—being late, forgetting things, and so on.
この表現は、話し手が「不満」や「批判的な気持ち」を伝えたいときによく使われます。多くの場合、相手の言動を受けて、その印象を少し皮肉っぽく述べるときに用います。
[例]
母はダイエットすると言いながら、チョコレートだのケーキだのを食べています。
My mother keeps saying she’s on a diet, but she eats things like chocolate and cake.
あの人は疲れただの忙しいだのと、いつも誘いを断ります。
That person is always saying they’re tired or busy, and turns down every invitation.
弟は面接で緊張しただの、うまく話せなかっただのと言い訳ばかりで、聞いていて嫌になりました。
My younger brother keeps making excuses, like being nervous or not speaking well during the interview, and I got tired of listening to it.
また、相手の発言を不満をこめて引用するときにも使われ、「何だの」で2つ目を省略することがあります。
[例]
彼は社長に言われなかっただの何だの言って、締め切りを守りませんでした。
He said things like “The president didn’t tell me” and other excuses, and didn’t meet the deadline.
妹は夢があるだの何だの言って、いまだに定職に就いていません。
My younger sister keeps saying things like “I have a dream” and so on, and still hasn’t gotten a steady job.
比べてみよう
次のどちらが自然でしょうか?
[例 ①]
① 夏祭りで焼きそば屋やらたこ焼き屋やらが並んでいて、何を食べようか悩みました。
② 夏祭りで焼きそば屋だのたこ焼き屋だのが並んでいて、何を食べようか悩みました。
正解は①です。
「やら~やら」は例を挙げつつ、他にも多くあるという雰囲気を出します。
[例 ②]
① 上司は結果が出てないやら態度が悪いやらって、部下の努力をまったく見ていません。
② 上司は結果が出てないだの態度が悪いだのって、部下の努力をまったく見ていません。
正解は②です。
批判や不満を込めた表現なので「だの~だの」が適切です。
まとめ
[やら~やら]
- 「や~など」と異なり、例以外にもさまざまなものが入り混じっている状態を表す。
- 多くの場合、話し手にとって困惑や大変さを伴う否定的な状況に使われることが多く、「嬉しい・恥ずかしい」のように相反する言葉とともに用いられることもある。
[だの~だの]
- 相手の言動や状況に対して不満や批判的な気持ちを表す際に使う。
- 相手の発言を引用しつつ、否定的なニュアンスを込めることができ、二つ目以降の例は「何だの」で省略することも可能。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. やら・やら
銅メダルをとって嬉しいやら悔しいやら複雑な気持ちになりました。
I got a bronze medal and felt a mix of emotions — happy and frustrated.
*相反する感情が混ざった、話し手の困惑を表しているため「やら~やら」が適切です。
A. だの・だの
彼女はお金がほしいだの、服がほしいだの言っているのに働くつもりはないようです。
She says she wants money and clothes, but doesn’t seem willing to work.
*相手の言動を否定的に引用しており、批判のニュアンスがあるため「だの~だの」を使用します。
A. だの・だの
彼はうるさくて仕事ができないだの、何だの文句ばかり言っています。
He keeps complaining that it’s too noisy to work and brings up other issues.
*相手の発言を否定的に引用し、非難する文脈なので「だの~だの」が適切です。
A. やら・やら
東京の電車は丸の内線やら中央線やらあって、乗り方が難しいです。
In Tokyo, there are many train lines like the Marunouchi Line and the Chuo Line, which makes it hard to figure out how to ride them.
*多くの路線が入り混じっている状態を表しており、「やら~やら」がふさわしいです。
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