JLPT N3 語彙 – 「避ける」は“さける”?“よける”?意味と使い分けを解説

目次
1. 「避ける」は“さける”?“よける”?
2. さける
3. よける
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q:「避ける」は「さける」と読むときと「よける」と読むときの違いはありますか?
A: 「さける」と「よける」の使い分けは、日本語話者にとっては文脈や状況から自然に判断されるものです。場面の意味や状態に応じて、適切な読み方が選ばれています。
さける
[意味]
① 危険や面倒など、好ましくない人や物事から離れること、または近づかないようにすること
② 不都合や不利益な結果を招くような言動を意図的に避けること
[よく一緒に使う言葉]
時間・トラブル・危険・混乱・事故・対立・災害(台風・津波)など
[例]
危険を避けるために、こちらの道を歩きましょう。(①)
To avoid danger, let’s take this road instead.
あの政治家はずっと真実の公表を避けています。(②)
That politician has been avoiding the disclosure of the truth for a long time.
「さける」は、日常の物理的な動作というよりも、意図的・計画的に問題を回避しようとする行動に使われる。特に「トラブル」や「満員電車」「台風」などの重大・不快な事態を回避する場面に用いられる。
[例]
この時間は人が多いので、避けたほうがいいです。
There are a lot of people at this time, so it’s better to avoid it.
⇒ 混雑を予測して、意図的にその時間を選ばないという意味です。
満員電車を避けるために、時差出勤をしています。
I commute at off-peak hours to avoid crowded trains.
あの人とトラブルになるのは避けたいものです。
I’d really like to avoid getting into trouble with that person.
私たちは、地震による災害をできるだけ避けるために備えています。
We are preparing as much as possible to avoid disasters caused by earthquakes.
不正を犯したにもかかわらず、彼はコメントすることを避けています。
Despite having committed a wrongdoing, he continues to avoid making any comments.
よける
[意味]
① 触れたり当たったりしないように、体や物を動かして端に寄ること
② 被害や災いを受けないように、事前に避けること
③ 全体の中から一部を別にすること・除外すること
[よく一緒に使う言葉]
ボール・人・車・自転車・風・雨・日差しなど
[例]
この道は狭いから、車をよけなければいけません。(①)
This road is narrow, so you have to avoid the cars.
傘をさして雨をよけました。(②)
I used an umbrella to shield myself from the rain.
子供のお菓子を少しよけておきました。(③)
I set aside some snacks for the children.
「よける」は、目の前の物や状況から身体や動作を使って物理的に距離を取るイメージがあります。
たとえば「ボール」や「雨」など、形のあるものだけでなく、日差しや煙のような目に見えにくいものにも使えます。
[例]
飛んできたボールをよけました。
I dodged the ball that came flying toward me.
⇒ ボールが当たらないように体を動かしたということです。
たくさんの人をよけながら通り抜けるのは大変です。
It’s difficult to make your way through while avoiding many people.
木陰に入って日差しをよけました。
I stepped into the shade to avoid the sunlight.
たばこの煙が苦手なので、手でよけました。
Since I don’t like cigarette smoke, I waved it away with my hand.
また、「よける」は物理的な回避だけでなく、「ある集団の中から一部だけを取り除く」という意味でも使われます。
[例]
このパーツは不良品なので、よけておきました。
This part was defective, so I set it aside.
⇒ 多くのパーツの中から、不良品だけを取り除いたということです。
腐った野菜をよけて、新鮮なものだけ袋に入れました。
I removed the rotten vegetables and put only the fresh ones in the bag.
お客様にパンフレットをお渡しするために、一冊よけておきました。
I set aside one brochure to give to a customer.
比べてみよう
「よける」と「さける」はどちらも「避ける」と書きますが、使う対象や状況によって適切な使い
分けが必要です。以下の例文を通して、違いを確認してみましょう。
[例①]
津波をさけるために、大きな防波堤を建てました。
津波をよけるために、大きな防波堤を建てました。
正解は②「さける」です。
「津波」は深刻な自然災害であり、物理的に瞬時に回避するというより、被害を未然に防ぐための計画的な対応が求められます。このようなケースでは「よける」ではなく、「さける」が適切です。
[例②]
忙しい時間帯をさけて、買い物に行きました。
忙しい時間帯をよけて、買い物に行きました。
正解は②「さけて」です。
「忙しい時間帯」は人が多く混雑しているという状況全体を表す抽象的な対象です。ここでは「その時間を避ける」という意図的・計画的な選択がなされており、「さける」を使うのが自然です。
「よける」はその場で人や物をすり抜けるような動作的な回避に使うため、この文脈には合いません。
このように、
よける:物理的な対象(車・雨・人など)を身体や動作で回避する場合
さける:抽象的または重大な対象(災害・トラブル・時間帯など)を意識的・計画的に回避する場合
という基準で使い分けましょう。
まとめ
[さける]
- 「時間」「トラブル」などの抽象的または重大な事象を対象とし、それらに意図的・計画的に関わらないようにする行動を表す。
- 「津波」「地震」「台風」などの甚大な被害をもたらす自然災害には、「よける」ではなく「さける」を使うのが適切。
[よける]
- 身体や動作を使って、自分に悪い影響を与えるものを回避することを表す。
- また、それとは別に「全体の中から一部を取り除く・別にする」という意味でも使われる。
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