JLPT N2・N3文法 – 「〜あげく」「〜末に」と「〜結果」の違い

目次
1. 「〜あげく」「〜末に」と「結果」の違い
2. 〜あげく・〜末に
3. 〜結果
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜あげく」「〜末に」「〜結果」の違いは何ですか?
A: 3つとも「長いプロセスのあとで、最終的にどうなったか」を表しますが、
〜あげく:悪い結果・望ましくない結末
〜末に:良い結果、または悪くても“納得している”結果
〜結果:良い/悪いどちらもOK、感情を含まない客観的な表現
という違いがあります。
〜あげく・〜末に
この2つはいずれも「長いプロセスのあとで、最終的にどうなったか」という意味を表す文型です。
どちらも「多くの出来事・長い時間・さんざんな状況があった」という背景を持ちますが、
使い方や含まれる気持ちに明確な違いがあります。
くわしい解説は以下の記事で紹介しています。

JLPT N2 文法
「〜あげく」と「〜末に」の違い
[~あげく]
[意味]
長く続いた行動や状態が、最終的に残念な結果になったことを表す
[ルール]
[V] 動詞た形+あげく
[N] する動詞の名詞+あげく
[例]
彼は1時間も待たせたあげく、来ないと言ってきました。
He made me wait for an hour, and in the end he said he would not come.
さんざん迷ったあげく、何も買いませんでした。
I thought about it for a long time, but in the end I did not buy anything.
このスマホはすぐ壊れたあげく、修理代が5万円もかかりました。
This smartphone broke very quickly, and in the end it cost 50,000 yen to repair it.
[〜末に]
[意味]
長く続いた行動や状態が、最終的にどうなったかを表す
[ルール]
[V] 動詞た形+末(に)
[N] 名詞+の+末(に)
[例]
いろいろ考えた末に、転職することにしました。
After thinking about many things, I decided to change my job.
努力の末に、JLPT N1に合格できました。
After a lot of effort, I was able to pass the JLPT N1.
夫と話し合った末、離婚を決めました。
After talking a lot with my husband, we decided to get a divorce.
〜結果 (JLPT N3)
[意味]
〜したあとで、その結果 …
[ルール]
[V] 動詞た形+結果
[N] その結果、〜(文頭でも使える)
[例]
ダイエットを続けた結果、5kgやせました。
As a result of continuing my diet, I lost 5 kilograms.
夜更かしした結果、朝起きられませんでした。
As a result of staying up late, I could not get up in the morning.
プロジェクトが遅れ、その結果、納期が変更されました。
The project was delayed, and as a result, the delivery date was changed.
「〜結果」は、ある行為・状態・出来事のあとに起きた“結末”を客観的に述べる表現です。
話し手の感情や評価を含めず、事実として起きた因果関係(A→B) を示すことに焦点があります。
「〜あげく」「〜末に」のように感情・価値判断は入りません。
“A のあとで B になった(事実)”
というシンプルな論理関係を述べるため、ニュース・レポート・ビジネス文書など、
フォーマルで客観性が求められる文脈で特に多く使われます。
[例]
毎日少しずつ練習した結果、日本語で会話できるようになりました。
As a result of practicing a little every day, I became able to speak Japanese.
⇒ 練習という行動の積み重ねで、会話できるという良い結果が生まれています。
電車が遅れた結果、会議に間に合いませんでした。
As a result of the train being delayed, I could not make it to the meeting on time.
⇒ 遅れるという原因で 間に合わないという悪い結果になりました。
データを詳しく調べた結果、新しい問題点が分かりました。
As a result of checking the data carefully, we found a new problem.
⇒ 調べるという分析を行い、 問題点の発見という中立~良い結果になりました。
また、「〜あげく」や「〜末に」と違い、 “良い・悪い・大変だった”などの主観的なニュアンスは入りません。そのため感情を入れると不自然になります。
[例]
× 仕事をがんばった結果、本当にうれしかったです。
⇒ 感情(うれしい)をまとめて述べるなら「〜結果」は不自然です。
○ 仕事をがんばった結果、目標を達成しました。
As a result of working hard, I achieved my goal.
⇒ 事実のみで因果関係を説明するため自然な表現です。
比べてみよう
「〜あげく」は、いろいろ行動した後で悪い結果になったときに使います。 長い時間や多くの試行の末に「結局ダメだった」という、不満や落胆の気持ちを含みます。
「〜末に」は、長い時間・努力・検討などのプロセスを経て最終結論に達したことを表します。 良い結果・悪い結果どちらでも使えますが、悪い場合でも話し手が納得しているニュアンスがあります。
「〜結果」は、行為の後に起きた結末を客観的に説明する表現です。 良い・悪いどちらの結果にも使え、感情を入れず事実だけを述べるときに適しています。
ここでは、同じ内容の文を比べて、
「〜あげく」「〜末に」「〜結果」それぞれのニュアンスの違いをより詳しく確認します。
[例]
① 勉強したあげく、合格しました。
② 勉強した末に、合格しました。
③ 勉強した結果、合格しました。
①「〜あげく」は、“悪い結果”にしか使えないため、この文は不自然(誤用)です。 「さんざん勉強したのに、結局ダメだった」という 不満・落胆のニュアンスを伴う文型なので、 “合格”という良い結果とは本質的に相性が合いません。
②「〜末に」は、“長い時間・努力をかけたプロセス”を丁寧に示し、
最終的に合格に到達したという落ち着いた表現になります。
過度な感情を入れず、
「プロセスを経て最終結論に至った」という語感が強い文型です。
③「〜結果」は、勉強という行動のあとに起きた事実を、客観的に説明する表現です。
“勉強(原因)→ 合格(結果)”という因果関係を淡々と述べており、話し手の喜び・不満などの感情は含まれません。
もう1つ例を見てみましょう。
[例]
① いろいろ探したあげく、見つかりませんでした。
② いろいろ探した末に、見つかりませんでした。
③ いろいろ探した結果、見つかりませんでした。
①「〜あげく」は、「さんざん探したのに、結局見つからなかった」という不満・落胆・予想外の悪い結果を強く表します。
努力や時間を使ったのに成果が出ず、話し手の気持ちとして「がっかり」「疲れた」「無駄だった」といったネガティブな感情が含まれます。
②「〜末に」は、「長い時間・努力をかけて探したが、最終的に見つからなかった」という
納得のニュアンスを含む表現です。
悪い結果ではありますが、話し手は「いろいろやった結果、こうなった」と落ち着いた気持ちで伝えています。
③「〜結果」は、探すという行動のあとに起きた事実を、客観的に説明する表現です。
単に「探した(原因)→ 見つからなかった(結果)」という因果関係を
淡々と述べており、話し手の感情は含まれません。
まとめ
[〜あげく]
- 悪い結果のときだけ使う。
- 多くの試行や時間をかけた末に望ましくない結末となり、 話し手の不満・後悔・落胆などの否定的な感情が含まれる。
[〜末に]
- 良い結果にも悪い結果にも使える。
- 悪い結果の場合でも、話し手が「最終的にこう決めた」と 納得しているニュアンスがある。
- 全体的に丁寧で落ち着いた印象の表現。
[〜結果]
- 良い結果にも悪い結果にも使える。
- 感情を入れずに、原因→結果の関係を客観的に述べる表現。
- ニュース・レポート・ビジネス文書など、事実を淡々と説明する場面でよく使われる。
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