JLPT N0・N1文法 – 「〜きらいがある」と「〜ふしがある」の違い

目次
1. 「〜きらいがある」と「〜ふしがある」の違い
2. 〜きらいがある
3. 〜ふしがある
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜きらいがある」と「〜ふしがある」に違いはありますか。
A: あります。どちらも話し手の評価をふくむ表現ですが、「〜きらいがある」は好ましくない傾向を指摘するときに使い、「〜ふしがある」は断定を避けて、そう思える点があることをやわらかく示すときに使います。
〜きらいがある (JLPT N1)
[意味]
ある人の行動・考え方・態度などに、好ましくない傾向や問題点が見られることを、話し手が指摘するときに使う表現
[ルール]
[V] 動詞辞書形/ない形+きらいがある
[N] 名詞+の+きらいがある
[例]
彼は自分の意見を押し通すきらいがある。
He has a tendency to push his own opinion.
この会社は変化を避けるきらいがあります。
This company has a tendency to avoid change.
日本人は曖昧な言い方を好むきらいがある。
Japanese people have a tendency to like vague expressions.
彼女は慎重になりすぎるきらいがあるね。
She has a tendency to be too careful.
「〜きらいがある」は、やや評価の入った言い方で、「少しそういう悪いところがある」「そのような傾向がある」とやわらかく批判するときに使われます。
強く批判するよりも、「そういう面がないとは言えない」というニュアンスが中心で、人や組織、考え方などに対してよく使われます。
日常会話でも使われますが、少し文章的・説明的な場面で見られることが多い表現です。
[例]
彼は何でもすぐにあきらめるきらいがあります。
He has a tendency to give up quickly.
彼女は人に頼むのを嫌がるきらいがあります。
She has a tendency to dislike asking others for help.
〜ふしがある (JLPT N0)
[意味]
ある事柄について、「はっきりとは言えないが、そのように思えるところがある」と推測や気づきをやわらかく示す表現
[ルール]
[V] 動詞普通形+ふしがある
[A] い形容詞普通形+ふしがある
[Na] な形容詞+ふしがある
[N] 名詞+の+ふしがある
[例]
彼は何かを隠しているふしがあるね。
He seems to be hiding something.
彼女の説明には一貫性が欠けているふしがあります。
Her explanation seems to lack consistency.
その発言は誤解を招くふしがある。
That comment seems likely to cause misunderstanding.
たかしさんは神経質なふしがあります。
Takashi seems to be a little nervous or sensitive.
「〜ふしがある」は、断定を避けながら、「そう感じられる点がある」「そのように見える部分がある」
と、やわらかく指摘したいときに使われます。
特徴として、下記のような傾向があります。
- 批判や疑いをストレートに言わない
- 行動・態度・データなどに対して使いやすい
- 客観的な観察をもとにした表現になることが多い
断定を避けるため、ビジネス文書や説明文でも使われる表現です。
[思い当たるふしがある]
「思い当たるふしがある」は、 「はっきりとは言えないが、自分の中で心当たりがある」 という意味で使う慣用的な表現です。
[例]
マリアさんを怒らせてしまったようですが、思い当たるふしがあります。
It seems I made Maria angry, and I have an idea why.
先生に呼び出されましたが、思い当たるふしがありません。
My teacher called me in, but I have no idea why.
比べてみよう
次の文は、①②のどちらも文法的に正しく使えます。
しかし、話し手が伝えたいニュアンスによって「より自然な選び方」が変わります。
[例]
① 彼は人の話を最後まで聞かないきらいがある。
② 彼は人の話を最後まで聞かないふしがある。
どちらも使えますが、ニュアンスは次のように変わります。
• ①きらいがある:
「そういう悪い傾向がある」と、相手の欠点をやや強めに指摘する言い方。
• ②ふしがある:
「そう見える点がある」と、断定を避けて少しやわらかく述べる言い方。
聞き手にどう受け取られたいかで使い分けます。
では次の例を見てみましょう。
[例]
① うちの犬は、自分を人だと思っているきらいがある。
② うちの犬は、自分を人だと思っているふしがある。
正解は②です。
犬が「自分を人間だと思っている」かどうかは、はっきりと確かめられる事実ではなく、
行動の様子から、話し手がそう感じているだけです。
そのため、「確実ではないけれど、そう思える点がある」「行動からそのように見える」という やわらかい推測 を表す「ふしがある」が自然です。
一方、「きらいがある」は
「好ましくない傾向がある」として、人や組織の“欠点”を指摘するときに使う表現で、
犬のかわいらしい行動の解釈には少し大げさで、批判的なニュアンスが強くなります。
そのため、この文脈では②がより自然な表現になります。
まとめ
| 表現 | 意味 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 〜きらいがある | 好ましくない傾向がある | 人・組織・態度の“弱点”を述べるとき |
| 〜ふしがある | そう思える点がある(推測) | 行動・説明・データを見て推測を述べるとき |
関連記事
▼メールマガジンに登録▼
日本語学習のヒントを無料で受け取ろう!








