JLPT N5語彙 – 「する」と「やる」の違い

目次
1. 「する」と「やる」の違い
2. 「する」と「やる」の用法
3. 「する」と「やる」の置き換え
4. 置き換えができない言葉
5. 比べてみよう
6. まとめ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「する」と「やる」は同じ意味ですか?
使い分けが必要でしょうか?
A: 「する」は一般的な動作や行為を広く表す言葉で、文章でも会話でも使われます。一方、「やる」はより口語的で、漠然とした動作や行為を表すときに使われます。
置き換えができる場合もありますが、言葉によっては「やる」に置き換えられないものもあります。
詳しく見て行きましょう。
「する」と「やる」の用法
[する]
[使い方]
① 意図的または無意識的に行動・動作を行うこと
② ある役割を務めること
③ 状態や性質が変化すること
④ アクセサリーや雑貨などを身につけること
[例]
受験生は毎日、勉強をして宿題をして忙しいです。(①)
The student preparing for an exam studies and does homework every day, so he is very busy.
あの男性は若いのに社長をしています。(②)
That man is young, yet he works as a company president.
氷を水にします。(③)
I turn ice into water.
鈴木さんは青いネクタイをしている人です。(④)
Mr. Suzuki is the person wearing a blue tie.
[やる]
[使い方]
① 意図的な動作や行為を強調するときに使う
② 漠然とした動作や行為を表し、意味の範囲が広い
[例]
さっさと宿題をやってしまおう。(①)
Let’s hurry up and finish the homework.
最近、元気でやってる?(②)
How have you been doing lately?
「する」と「やる」の置き換え
「する」と「やる」は類義語として扱われることが多く、「する」の用法のうち、①「意図的・無意識的な動作や行動をすること」と②「ある役割を務めること」は「~やる」に置き換えることができます。
一方で、③「ある状態や性質になる」と④「身体にアクセサリーや雑貨を身につける」は「やる」に置き換えることはできません。
さらに「する」の①(意図的・無意識的な動作や行動)と②(ある役割を務める)の用法を詳しく見ると、「やる」の①(意図的な動作・行為を強調する)および②(漠然とした動作や行為を表す)と共通する点があり、文脈によっては入れ替えても自然に使える場合があります。
① 意図的・無意識的な動作や行動をすること
■ 日常的な動作や活動を表す言葉
運動(を)する/スポーツ名+(を)する/勉強(を)する/仕事(を)する など
[例]
どんな運動をしていますか。
どんな運動をやっていますか。
What kind of exercise do you do?
急いでこの仕事をしてください。
急いでこの仕事をやってください。
Please hurry and do this work.
子供のときから野球をしています。
子供のときから野球をやっています。
I have played baseball since I was a child.
■ 決まった対象がなく、漠然とした行為を表す場合
[例]
経験のためになんでもしてみたいです。
経験のためになんでもやってみたいです。
I want to try doing anything for the experience.
彼女は、すると決めたらしますよ。
彼女は、やると決めたらやりますよ。
When she decides to do something, she does it.
② ある役割を務めること
■ 役職・身分・商売などを目的語にする場合
[例]
この会社の役員をしています。
この会社の役員をやっています。
I work as an executive at this company.
鈴木さんは昔、教師をしていたそうですね。
鈴木さんは昔、教師をやっていたそうですね。
I heard that Mr. Suzuki used to be a teacher.
何か商売でもしてみようかな。
何か商売でもやってみようかな。
I’m thinking about trying some kind of business.
祖母は小さな村で旅館をしています。
祖母は小さな村で旅館をやっています。
My grandmother runs an inn in a small village.
置き換えができない言葉
「する」と「やる」は多くの場合で似た意味を持ちますが、次のような場合には置き換えることができません。
■ 「漢語熟語の名詞+する」の場合
「やる」は主に日常的・口語的な動作に使われるため、漢語(中国由来の言葉)を含む名詞とは結びつきません。
[例] 要求する、調査する、料理する、希望する、心配する など
■ 無意識的な動作を表す場合(他動詞として使うとき)
自分の意志とは関係なく起こる動作には「やる」は使えません。
[例] あくびをする、くしゃみをする、めまいがする など
■ 擬音語・擬態語と一緒に使う場合
気持ちや状態を表す擬音語・擬態語には「する」しか使えません。
[例] どきどきする、わくわくする、いらいらする など
[例]
〇 しゅみは料理することです。
× しゅみは料理やることです。
My hobby is cooking.
〇 眠くてあくびをしてしまいました。
× 眠くてあくびをやってしまいました。
I was sleepy and ended up yawning.
〇 試験が近くてどきどきします。
× 試験が近くてどきどきやります。
I feel nervous because the exam is coming up.
[ポイント]
「やる」は意志的な行為・実際の動作に強いニュアンスを持つため、意識しない動作や心理的な状態を表す言葉とは組み合わせられません。
比べてみよう
次の2つの文はどちらも自然な言い方ですが、ニュアンスに違いがあります。
[例]
① さあ、するぞ!
② さあ、やるぞ!
All right, let’s do it!
「やる」は「する」よりも行動や動作そのものに焦点を当て、その意志や勢いを強調する働きがあります。
したがって、②のほうが「これから頑張って行動するぞ」という意気込みがより強く伝わります。
(=「やる」の用法①にあたる)
また、相手が何かを上手く成し遂げたとき、話し手はその行為の達成や努力に焦点を当てて「やる」を使って褒めます。
この場合、「する」を使うと不自然になります。
[例](試合で勝った選手たちに対して監督が)
〇 よくやったぞ!
× よくしたぞ!
Good job!
まとめ
[する]
使い方は4つ:
- ① 意図的・無意識的な動作や行動をすること
- ② ある役割を務めること
- ③ ある状態や性質になること
- ④ アクセサリーや雑貨などを身につけること
このうち③と④は「やる」に置き換えることができない。
[やる]
使い方は2つ:
- ① 意図的な動作・行為を強調するときに使う
- ② 漠然とした動作や行為を表し、意味の幅が広い
[「する」と「やる」の比較]
「する」の①(意図的・無意識的な動作や行動)のうち、これらは「やる」に置き換えることが可能。
- 日常の動作や活動を表す場合
- 明確な対象がなく、漠然とした行為を表す場合 また②(ある役割を務める)
一方、次のような場合は置き換えができない:
- 「漢語熟語の名詞+する」の言葉
- 他動詞として無意識的な動作を表す場合
- 擬音語・擬態語と一緒に使う場合
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