似ているけれど違う! 「十分/充分」と「さびしい/さみしい」の使い分け

目次
1. 「十分」と「充分」の違い
2. 「さびしい」と「さみしい」の違い
3. まとめ
4. 関連記事
5. コメント
Q: 「十分」と「充分」に違いはありますか?
A: どちらも「じゅうぶん」と読み、意味もほとんど同じですが、使い方やニュアンスにわずかな違いがあります。
以下で詳しく説明していきます。
十分・充分 (JLPT N4)
[①十分]
[品詞] 名詞
[意味] 10等分すること
[例]
給料の十分の一は、毎月貯金するようにしているんです。
I try to save one tenth of my salary every month.
お土産を十分にして配りました。
I divided the souvenirs into ten equal parts and handed them out.
[②十分・充分]
[品詞] な形容詞
[意味] 不足がなく、充実して完全な状態であること
[例]
病気になったので十分な休養をとることにしました。
I decided to get plenty of rest because I was sick.
彼は充分な能力を持っています。
He has sufficient ability.
[③十分・充分]
[品詞] 副詞
[意味1] 思い残しがないこと
[例]
充分に楽しんだよ。
I enjoyed it enough.
十分、気をつけてください。
Please be very careful.
[品詞] 副詞
[意味2] 必要なだけあること
[例]
バッテリーはまだ充分あるよ。
The battery still has enough power.
古いけどまだ十分使えるよ。
It’s old, but it still works.
[品詞] 副詞
[意味3] 量や時間などがそれ以上ある状態
[例]
その町まで車でも1時間は十分にかかるでしょう。
It will take a good hour to get to that town by car.
見た感じ、ここまで1キロは十分にあるんじゃない。
It seems to be about one kilometer to here.
「じゅうぶん」にはさまざまな意味がありますが、①(10等分すること)以外は「十分」「充分」のどちらを使っても大きな意味の違いはありません。ただし、漢字の使い分けにはニュアンスの差があります。
十分:「十」は客観的・数値的・物理的に満たされていることを表す。
充分:「充」は「みちる・みたす」という意味を持ち、主観的・精神的に満たされていることを表す。
そのため、話し手の気持ちや感覚を込めたいときには「充分」を用いると自然です。
[例]
A: 料理は足りていますか。
① B: はい、十分です。
② B: はい、充分です。
A: Is there enough food?
① B: Yes, it’s enough.
② B: Yes, I’m satisfied.
①は「量的に足りている」という客観的な意味。
②は「その量でお腹が満たされた」という主観的なニュアンス となります。
Q: 「さびしい」と「さみしい」は違いますか?
A: どちらも同じ意味ですが、使う場面で少しニュアンスが変わります。「さびしい」は客観的な表現、「さみしい」はより感情的・主観的な表現です。
さびしい・さみしい (JLPT N5)
[さびしい]
[意味]
① 仲間や相手がいなくて心細い気持ち、孤独感があること
② 心が満たされず、物足りない気持ち
③ 人がいなくて静かな様子
[例]
一人暮らしは寂しいです。(①)
Living alone is lonely.
ちょっと口が寂しいから、おやつでも食べようかな。(②)
I want something to nibble on, so I’ll have a snack.
昔はにぎやかでしたが、今は寂しい商店街ですね。(③)
It used to be lively, but now this shopping street is lonely.
[さみしい]
[意味]
心細くて、心が満たされないこと。特に個人の感情に強く結びつく。
[例]
一人暮らしを始めてさみしいです。
I feel lonely after starting to live alone.
妻を亡くしてさみしい毎日です。
I feel lonely every day after losing my wife.
「さびしい」と「さみしい」はどちらも同じ意味ですが、視点の違いがあります。
さびしい:客観的な表現。静かな空間や光景、状況の描写に使われやすい。
さみしい:主観的な表現。孤独や悲しみを強く感じる心情を表すときに使われる。
[例]
一人で買い物に行くのはさみしいから、友達でも誘おうかな。
Going shopping alone feels lonely, so maybe I’ll invite a friend.
⇒ 主観的に「一人より誰かと一緒のほうが楽しい」という気持ちです。
日本に来てから国の家族にも友達にも会えなくて、さびしいです。
Since coming to Japan, I haven’t been able to see my family or friends back home, and I feel lonely.
⇒ 客観的に「孤独で涙があふれるような気持ち」を表しています。
まとめ
「十分」と「充分」
- 十分:客観的な表現。数値的・物理的に「足りている」ことを示す。
- 充分:主観的な表現。精神的に「満たされている」ことを表す。
「さびしい」と「さみしい」
- さびしい:客観的な表現。心情だけでなく、静かな空間や光景の描写にも使える。
- さみしい:主観的な表現。孤独や悲しみを強く感じ、涙が出るような心情を表すときに適している。
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