JLPT N1・N4語彙 – 「つつむ」と「くるむ」の違い

目次
1. 「つつむ」と「くるむ」の違い
2. つつむ
3. くるむ
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「包む」は「つつむ」と読むときと「くるむ」と読むときで意味に違いはありますか?
A: どちらも「物を中に入れて外から覆う」という意味ですが、使い方やニュアンスが異なります。それぞれ比べてみましょう。
つつむ (JLPT N4)
[意味]
① 紙や布などで物を中に入れて覆うこと
② (主に受身形)あるものに取り囲まれている状態や様子
③ 気持ちや感情を心の中に秘めること、隠すこと
④ 雰囲気・空気・感情などが空間を満たしている様子
[例]
プレゼントをきれいな包装紙で包みました。(①)
I wrapped the present in beautiful wrapping paper.
霧に包まれて何も見えなくなってしまいました。(②)
I was enveloped in fog and could no longer see anything.
悲しみを心に包んで、友人を見送りました。(③)
I sent off my friend while keeping my sadness hidden in my heart.
会場はファンの熱気に包まれています。(④)
The hall is filled with the enthusiasm of the fans.
主な使い方は4つあります:
① 全体を覆う
中身が見えないように、紙や布で物をしっかり覆うイメージです。
[例]
風呂敷で箱を包みました。
I wrapped the box with a furoshiki, a traditional Japanese wrapping cloth.
友達にあげるプレゼントを白い包装紙で包みました。
I wrapped the present for my friend in white wrapping paper.
② 周囲に取り囲まれる
主に受身形で使い、外から何かに囲まれている様子を表します。
[例]
知らないうちに霧に包まれて、前が見えなくなってしまいました。
Before I knew it, I was wrapped in fog and could no longer see ahead.
木造の家はたちまち激しい炎に包まれました。
The wooden house was quickly wrapped in fierce flames.
小道を歩いていると、いつの間にか雑木林に包まれていました。
As I walked along the path, before I realized it, I was surrounded by a grove of trees.
③ 感情を秘める
感情や本音を相手に見せず、心の中に隠すことを表します。叙情的で比喩的な表現になります。
[例]
彼は怒りを胸に包んで、何も言わずにその場を立ち去りました。
He held his anger in his heart and left the place without saying anything.
彼は過去の苦しみを胸に包んで、決して人に語ろうとはしませんでした。
He kept the pain of his past hidden in his heart and never spoke of it to anyone.
ずっと誰にも言えなかった不安や迷いを、親友に包み隠さず話しました。
I told my best friend about the worries and doubts I had never been able to share with anyone, without hiding them anymore.
④ 雰囲気で満たされる
主に受身形で使い、空間が雰囲気や感情に満たされているニュアンスを表します。
[例]
部屋は花の香りで包まれていました。
The room was filled with the fragrance of flowers.
試験会場は緊張感に包まれていました。
The examination hall was filled with tension.
結婚式は幸せとあたたかな笑顔で包まれていました。
The wedding was filled with happiness and warm smiles.
くるむ (JLPT N1)
[意味]
柔らかい素材で、人や物を巻いたり、巻くようにして優しく覆うこと
[例]
赤ちゃんを毛布で包んで寝かせました。
I wrapped the baby in a blanket and put him to sleep.
おにぎりをラップで包みました。
I wrapped the rice ball in plastic wrap.
「くるむ」は、タオルや毛布のような柔らかい布で、人や物をやさしく覆うときに使います。必ずしも全体をすっぽり覆う必要はなく、部分的でもかまいません。そのため「つつむ」と比べると、より柔らかく親しいニュアンスがあります。
[例]
ワインボトルを布で簡単に包みました。
I simply wrapped the wine bottle in a cloth.
手から血が出たので、ハンカチで包みました。
I wrapped my hand with a handkerchief because it was bleeding.
お風呂から出てきた子供をタオルで包みました。
I wrapped the child in a towel after the bath.
比べてみよう
次のような場合、どちらがふさわしいでしょうか。
[例]
①プレゼントなので、丁寧につつんでください。
②プレゼントなので、丁寧にくるんでください。
正解は①です。
「つつむ」は中身が見えないように、全体をしっかりと覆うときに使います。
ここでは「丁寧に」とあるため、きちんと包装紙で覆うニュアンスのある「つつむ」が適しています。
では、次のような場合はどうでしょうか。
[例]
①子供を毛布でつつむとすぐ寝てしまいました。
②子供を毛布でくるむとすぐ寝てしまいました。
正解は②です。
「くるむ」は、必ずしも全体を覆う必要はなく、柔らかい布などでやさしく包むときに使います。
毛布で子供を軽く巻いてあげるイメージなので「くるむ」が自然です。
まとめ
[つつむ]
「人や物を全体的に覆う」ということを表す。
- ① 紙や布などの中に入れて覆うこと
- ② (主に受身形)あるものに取り囲まれている状態を表す
- ③ 【比喩的】気持ちや感情を心の中に秘めること、隠すこと
- ④ 【比喩的】雰囲気・空気・感情などが空間を満たす、やさしく漂う様子を表す
[くるむ]
- 柔らかい素材で、人や物をやさしく、巻くようにして覆うことを表す。
- 全体を完全に覆わなくてもよく、部分的に包む場合にも使う。
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