JLPT N1文法 – 「〜こそあれ」と「〜こそすれ」の違い

目次
1. 「〜こそあれ」と「〜こそすれ」の違い
2. Aこそあれb
3. AこそすれB
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜こそあれ」と「〜こそすれ」の違いを教えてください。
A: どちらも文語的で古風な文法表現です。「こそあれ」は逆説を強調する表現で、「〜ではあるが…」というニュアンスがあります。一方、「こそすれ」はAを認めつつも、それ以外を強く否定する言い切りの表現です。
AこそあれB (JLPT N1)
[意味]
AではあるがB/Bではない
Aであることは認めるがBだ/Bではない
[ルール]
[A] い形容詞 い+さ+こそあれ
[Na] な形容詞 な+でこそあれ
[N]名詞+こそあれ
[例]
学ぶ難しさこそあれ、楽しみもあります。
There may be difficulties in learning, but there is also enjoyment.
苦労こそあれ、得るものも多いですよ。
There may be hardships, but there is also much to gain.
「~ではあるが」「~でこそあるが」と似た意味で使いますが、「こそあれ」はAをより強く際立たせる働きがあります。Aには認める事柄が入り、その反対の事実がBに続きます。
[例]
多少の不安こそあれ、計画は順調に進んでいます。
There may be some anxiety, but the plan is progressing smoothly.
⇒ 不安はあるが、全体的には順調に進んでいるということです。
苦労こそあれ、この仕事にはやりがいがあります。
There may be hardships, but this job is rewarding.
反対意見こそあれ、大多数の人がその提案を支持しています。
There may be opposing opinions, but the majority of people support the proposal.
AこそすれB (JLPT N1)
[意味]
Aではあるが、絶対にBではない
[ルール]
[V] 動詞語幹+こそすれ
[N] 名詞+こそすれ
[例]
彼のことは信頼こそすれ、疑ったことなど一度もありません。
I may trust him, but I have never once doubted him.
彼女は遅刻こそすれ、約束を破ることは決してないですよ。
She may be late, but she would never break a promise.
「Aではあるが、それ以外はBだ」という意味合いで使います。「こそすれ」はAの事実を一旦認めながらも、Bを完全に否定する強い言い切りの表現です。
[例]
年を取って体力は衰えこそすれ、気力は今も若いころのままです。
I may have lost physical strength with age, but my spirit remains the same as when I was young.
⇒ 体力の衰えは認めるが、それ以外は衰えていないということです。
日本の人口は減りこそすれ、増えることはないでしょう。
Japan’s population may decrease, but it will not increase.
台風の勢いは増しこそすれ、衰える気配は全くありません。
The typhoon’s strength may increase, but there is no sign of it weakening at all.
比べてみよう
ここで、「AこそあれB」と「AこそすれB」の違いを整理してみましょう。
AこそあれB:Aには強調された逆接が入り、Bにはそれと反対の事実が続きます。
AこそすれB:Aは事実として認めるものの、それ以外のBは認めない、または起こらないという意味になります。そのため、BにはAと対比する内容や、A以外を否定する内容が置かれます。
[例]
苦労こそあれ、その経験には大きな意味がありました。
There may have been hardships, but the experience had great meaning.
⇒ 苦労はあったけど、意味のある経験を得たということです。
苦労こそすれ、無駄なことは一つもありませんでした。
There may have been hardships, but there was not a single moment wasted.
⇒ 苦労はあったけど、無駄な時間は全くなかったという意味合いです。
まとめ
| 意味 | ニュアンス | Bに続く内容 | |
|---|---|---|---|
| AこそあれB | AではあるがB/Bではない。Aを認めつつも、その反対の事実をBで述べる。 | Aを強調しながら逆接を表す。 | Aと反対の事実が入る。 |
| AこそすれB | Aは事実として認めるが、それ以外のBは認めない・起こらない。 | Aを限定し、それ以外を強く否定する言い切り表現。 | Aと対比する内容や、A以外を否定する内容が入る。 |
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