JLPT N1・N3・N4語彙 – 「殴る」「叩く」「打つ」の違い

目次
1. 「殴る」「叩く」「打つ」の違い
2. 殴る
3. 叩く
4. 打つ
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「殴る」「叩く」「打つ」はすべて英語にすると “hit” になりますが、意味の違いはありますか?
A: いずれも「何かに力を加える」という点では共通していますが、使われる場面やニュアンスに違いがあります。
殴る (JLPT N1)
[意味]
(こぶしや道具で)相手を乱暴に、強い力で打つこと。
[例]
男は突然怒って、相手を殴りました。
The man suddenly got angry and hit the other person.
ボクサーは試合中に相手と強く殴り合います。
The boxers hit each other hard during the match.
「殴る」は、「叩く」「打つ」と比べて最も力が強く、攻撃的なニュアンスを持つ動詞です。
特にボクシングなど相手を倒すことが目的の格闘技では、この言葉が使われます。
また、日常的には喧嘩や暴力的な場面で使われることが多く、使い手の怒りや攻撃の感情が強く表れます。
[例]
ボクシングは敵を殴って倒すスポーツです。
Boxing is a sport where you hit your opponent to knock them down.
怒りが抑えきれず、思わず相手を殴ってしまいました。
Unable to control my anger, I ended up hitting the other person without thinking.
大変です!あそこで男の人たちが喧嘩をして、殴り合っています。
This is serious! Those men over there are fighting and hitting each other.
叩く (JLPT N3)
[意味]
(手や道具で)軽く物に衝撃を与えること。
[例]
友達が前を歩いていたので、肩を叩いて呼び止めました。
Since my friend was walking ahead of me, I tapped them on the shoulder to get their attention.
ドアを叩いて、中の人を呼びました。
I knocked on the door and called out to the person inside.
ドラムを叩くのが趣味です。
Playing the drums is my hobby.
「叩く」は、「殴る」ほど強くはなく、比較的軽い力で何かに触れて音や振動を与える動作に使われます。
この言葉は、親しみを込めたスキンシップとしても、怒りの感情を伴う動作としても使われることがあります。ただし、暴力的な印象は比較的少なく、場面に応じて柔らかい印象にもなります。
[例]
ぼんやり窓の外を見ている後輩の頭を、持っていた本で軽く叩きました。(スキンシップ)
I lightly tapped the head of my junior, who was absentmindedly gazing out the window, with the book I was holding.
子どもが反省しないので、思わず頬を叩いてしまいました。(怒りの感情)
My child showed no signs of reflection, so I ended up slapping his cheek.
また、「叩く」は相手の体(主に肩)や物の表面(主に扉・窓など)とともに使われることが多く、注意を引く・合図を送るといった目的にも使われます。
[例]
イヤホンをしていて気がつかない友達の肩を叩きました。
I tapped my friend on the shoulder because they didn’t notice me while wearing earphones.
コンコンと窓を叩いたら、中の人がこちらに気づいてくれました。
When I knocked lightly on the window, the person inside noticed me.
打つ (JLPT N4)
[意味]
①(足や道具で)ボールなどに力を加えて飛ばす
②勢いよく身体の一部をどこかにぶつける
③[比喩的]心に強い感動を与える
[例]
あの選手がバットでボールを打つ姿は、とてもかっこいい。(①)
The way that player hits the ball with a bat is really cool.
事故のとき、頭を強く打ちました。(②)
I hit my head hard during the accident.
これは本当に心を打つ作品です。(③)
This is a truly moving piece of work.
「打つ」は、道具や体を使って何かに力を加える動作を表す幅広い動詞です。具体的な行動から比喩表現まで、さまざまな場面で使われます。
① ボールや対象物を打つ(スポーツ)
野球・サッカー・ゴルフなどの球技で、足や道具を使ってボールに力を加えるときに使います。
[例]
サッカー選手が強いシュートを打ちました。
The soccer player took a powerful shot.
ホームランを打つのは簡単ではないよ。
Hitting a home run is not easy.
② 体を何かにぶつける
事故や不注意で体の一部を硬いものにぶつけたときにも「打つ」が使われます。
[例]
自転車から落ちて、地面に腰を強く打ちました。
I fell off my bicycle and hit my lower back hard on the ground.
頭を打って、たんこぶができちゃったよ。
I hit my head and ended up with a bump.
③ 心を打つ(比喩的表現)
「心を打つ」は、人の心を強く動かす・深く感動させるといった比喩的な表現です。
[例]
子どもたちの真剣なまなざしが、私の心を打ちました。
The children’s serious expressions touched my heart.
被災地の人々が助け合う姿に、心を打たれました。
I was deeply moved by how people in the disaster-stricken area helped one another.
そのほか、特定の表現として以下のような使い方もあります:
メール/メッセージを「打つ」:文字を入力する
[例] 友達にすぐLINEを打ちました。
I quickly sent a LINE message to my friend.
注射/ワクチンを「打つ」:医療的に注射をする
[例] 毎年インフルエンザの予防接種を打っています。
I get a flu shot every year.
まとめ
| 意味 | ポイント | 主な使用場面 | |
|---|---|---|---|
| 殴る | (こぶしや道具で)相手を乱暴に強く打つ | ・暴力的で攻撃的なニュアンスが強い ・3語の中で最も力が強く、威圧的 | ・ボクシングなどの格闘技 ・喧嘩や暴力的な行為の描写 |
| 叩く | (手や道具で)軽く打つ | ・比較的弱い力で、人や物に衝撃を与える ・スキンシップや合図としても使われる ・暴力的な場面でも「殴る」よりは穏やか | ・軽く注意を引くとき(肩を叩くなど) ・音を出す目的で(ドア・窓など) ・軽いスキンシップやしつけの場面 |
| 打つ | ① 足や道具でボールに力を加えて飛ばす ② 勢いよく身体を何かにぶつける ③ 比喩的に心に強く訴える | ・「力を加える」動作全般を広くカバー ・比喩表現にも使われ、決まった言い回しが多い | ・球技(野球・サッカーなど) ・身体の一部を物にぶつけたとき ・心を打つ(感動する) ・メールを打つ、注射を打つなどの慣用表現 |
関連記事
▼メールマガジンに登録▼
日本語学習のヒントを無料で受け取ろう!








