JLPT N2・N4 語彙 – 「汚れ」は“よごれ”?“けがれ”?意味と使い分けを解説

目次
1. 「汚れ」は“よごれ”?“けがれ”?
2. よごれ
3. けがれ
4. まとめ
5. 関連記事
6. コメント
Q:「汚れ」は「よごれ」と読むときと「けがれ」と読むときの違いはありますか?
A: 同じ漢字「汚れ」でも、「よごれ」と「けがれ」では読み方だけでなく意味や使い方も大きく異なります。このページでは、それぞれの違いや使い分けを、具体例を交えてわかりやすく解説します。
よごれ
[意味]
視覚的に確認できる、物や身体についた「きれいではないもの」
[関連語]
汚す(他動詞)、汚れる(自動詞)
[例]
公園で遊んで、くつに汚れがつきました。
I played in the park and got dirt on my shoes.
手の汚れをせっけんで洗いました。
I washed the dirt off my hands with soap.
シャツにコーヒーの汚れが残っていて、洗濯しても落ちません。
There’s a coffee stain left on my shirt that won’t come out even after washing.
キッチンのシンクに油の汚れがこびりついています。
Grease stains are stuck to the kitchen sink.
視覚的に確認できる泥やシミなど、不快に感じる汚れを指します。主に衣服や物の表面についた、目に見える汚れに使われます。
[例]
テーブルに黒い汚れがついています。
There’s a black stain on the table.
⇒ 黒い汚れは目で確認でき、話し手にとって「不潔なもの」として認識されています。
庭の手入れをしていたら、服に汚れがついてしまいました。
While I was tending the garden, my clothes got dirty.
子供が遊んで帰ってくると、服にはたくさんの汚れがついています。
When children come home after playing, their clothes are covered in dirt.
けがれ
[意味]
① 心や精神的な清らかさ・純粋さを失った状態
② 名誉や評価が損なわれ、傷ついた状態
[関連語]
汚す/穢す(他動詞)、汚れる/穢れる(自動詞)
[例]
子供の心にはけがれがありません。(①)
A child’s heart is pure and untainted.
清めの儀式は、心身についたけがれを祓うために行われます。(①)
The purification ceremony is held to cleanse both physical and spiritual impurity.
過ちを犯し、彼女はかつての名声にけがれをつけてしまいました。(②)
After committing a mistake, she tarnished her once-glorious reputation.
長年守ってきたブランドの信頼が、たった一度の不祥事でけがされました。(②)
The trust that had been built in the brand over many years was damaged by a single scandal.
「けがれ」は、目に見える「よごれ」と異なり、目に見えない抽象的な概念を指します。
多くの場合、「穢れ」という漢字で表記されます。
この言葉は、以下の3つの観点から使い分けられます:
・精神的な清らかさの欠如
・社会的・道徳的な信用の損失
・宗教的な不浄
◆精神的なけがれ
心の純粋さや誠実さが保たれていない状態を指します。
[例]
子供のきらきらした笑顔は、心がけがれていない証拠です。
The sparkle in the child’s smile is proof of a pure and untainted heart.
⇒「純粋な心」を肯定的に描写しています。
この詩には、けがれのない愛がまっすぐに表現されています。
This poem expresses a love that is free of impurity, with direct sincerity.
彼女のけがれのない心は、傷ついた人々の心を癒やしました。
Her unblemished heart brought healing to those who were wounded emotionally.
◆倫理的・道徳的なけがれ
名誉ある人物が不正や裏切りによって社会的評価を損なうことを表します。
[例]
その事件は、彼のキャリアに消せないけがれを残しました。
The incident left an indelible stain on his career.
⇒ キャリアに深刻な傷をつけ、社会的信頼を失ったことを示しています。
彼の裏切り行為は、一族全体にけがれをもたらしました。
His act of betrayal brought disgrace upon his entire family.
◆宗教的なけがれ
古来の仏教や神道において、「疫病・死・流血・罪」などは「神聖ではないもの=けがれ」とされてきました。
[例]
その神職は不義の罪によってけがれを負い、社殿への立ち入りを禁じられました。
The shrine priest was burdened with impurity due to a wrongful act and was prohibited from entering the sanctuary.
⇒ 神に仕える者が清らかさを失ったという意味です。
古代日本では、出産や流血も一時的なけがれと見なされていました。
In ancient Japan, even childbirth or bleeding was considered a temporary form of defilement.
神事を行う前には、参加者全員がけがれを祓わなければなりません。
Before performing a sacred ritual, all participants had to undergo purification to cleanse themselves of impurity.
◆関連表現
けがれを祓う:神道の儀式で心身や場所についた不浄・不運を清めること
[例] 神前に立つ前にけがれを祓う。
Before standing before the gods, one must be purified of impurity.
けがれを負う:罪や不正によって社会的・精神的な清らかさを失うこと
[例] 彼は裏切りによってけがれを負った。
He bore impurity as a result of his betrayal.
けがれを清める(浄める):神仏により罪や不浄を取り除く儀式を行うこと
[例] 昔は川で身を清めると、けがれが落ちると信じられていた。
In the past, it was believed that bathing in a river would wash away impurity.
まとめ
[よごれ]
- 目に見える物理的な汚れを指す。
- 泥やシミ、ホコリなど、実際に視覚で確認できる不潔さを表現する際に使われる。
[けがれ]
- 目に見えない抽象的な汚れを意味する。
- 心の状態や名誉、宗教的な清らかさなど、精神的・象徴的な不浄さに用いられる。
- 「汚れ」と「穢れ」という2種類の漢字があり、用途や意味によって使い分けられる。
- 「けがれ」の意味は、以下の3つの観点に分類される:
1. 精神的側面:心の純粋さ・誠実さの欠如
2. 倫理・道徳的側面:不正行為や裏切りなどによる名誉の失墜
3. 宗教的側面:罪・死・流血などによって神聖さを失った状態
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