JLPT N4・N5 語彙 – 助数詞「回」と「度」の違い
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目次
1. 助数詞「〜回」と「〜度」
2. 「〜回」 VS 「〜度 」
3. 〜回
4. 〜度
5. 何回 VS 何度
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「一回」と「一度」は同じ意味ですか?
A: 「回」と「度」は経験や出来事を数える助数詞です。
同じような意味で使われますが文によっては少し不自然になったり、ふさわしくなかったりするときもあります。
それではこれらの助数詞をどのように使い分けているいるのか、詳しく見ていきましょう。
「〜回」 VS 「〜度 」
次のように経験や出来事を話す場合はどちらもふさわしいです。
[例]
山田さんは二回遅刻しました。
山田さんは二度遅刻しました。
Mr. Yamada was late twice.
西田様には一回お会いしたことがあります。
西田様には一度お会いしたことがあります。
I have met Mr. Nishida once.
しかし、このように丁寧に話す場合には比較的「度」のほうがよく使われます。
〜回 (JLPT N5)
それでは次に「度」には言い換えができない場合をいくつかみていきましょう。
①少数 / 多数
「回」は数字が少なくても多くても使うことができます。
その反面、「度」は特殊な数え方を除いて、多くてもだいたい「3」ぐらいまでです。
[例]
〇 ディズニーワールドに10回行ったことがあります。
× ディズニーワールドに10度行ったことがあります。
I have been to Disney World ten times.
②繰り返しの行為
規則的に継続や反復が考えられるときは「回」を使います。
[例]
山田さんは奥さんに5回プロポーズしたらしいです。
I heard that Mr. Yamada proposed to his wife five times.
母を6回呼んでも母は気が付きませんでした。
Even though I called my mother six times, she didn’t notice.
③接頭語を伴うとき
「第」「全」「計」などの接頭語を使うときは「回」しか使えません。
[例]
第100回目の卒業式をはじめます。
We are starting the 100th graduation ceremony.
これは全12回のドラマです。
This is a drama series with a total of 12 episodes.
山田さんは、計10回遅刻しています。
Mr. Yamada has been late a total of 10 times.
〜度 (JLPT N4)
ここまで読むと何でも「回」でいいじゃないかと思われるかもしれませんが、「度」を使うと話し手の気持ちが変わります。
その気持ちとは「同じことが繰り返されることが考えられない・期待されない」です。
「回」は繰り返しの行為に使われますが、「度」はそれとは反対になります。
[例]
姉の離婚はこれで3度目です。
This is my sister’s third divorce.
⇒ 4度目の離婚は避けてほしい気持ちが表れています。
あの人には2度と会えないかもしれません。
I might never see that person again.
⇒ あの人に1度は会えたけど、次(2度目)はわからないことを表しています。
何回 vs 何度
それでは疑問詞の「何」を使うとどうなるのでしょうか。
「何回」は比較的、ある程度の時間や期間に繰り返し行ったことに対して使われます。
[例]
20代のときは何回も東京へ行きました。
I went to Tokyo many times in my twenties.
⇒ 20代という期間に繰り返し東京へ行ったことを表しています。
父に何回電話をしても出ません。
No matter how many times I call my father, he doesn’t answer.
⇒ 電話を一定の時間に繰り返ししていたことを表しています。
それでは次に「何度」ですが、「何回」と同様に、同じことを繰り返し行ったことに対して使われます。
しかしその期間や時間がはっきりしないこと、また明確には数えられない行為に使われます。
[例]
何度でもチャレンジするつもりだ。
I intend to try as many times as necessary.
⇒ チャレンジというのは明確に数えられない行為です。
きっと何度言ってもわたしの気持ちは伝わらないだろう。
No matter how many times I say it, my feelings probably won’t get across.
⇒ 気持ちを伝える期間ははっきりしません。
まとめ
〜回
- 幅広く使えて、継続的・反復的に起こることに使われます。また回数に制限がありません。
- 「第」「全」「計」と一緒に使う場合は「回」のみ使うことができます。
- 「何回」はある程度の時間や期間に繰り返し行われた数えられる行為に使われます。
〜度
- 「度」は同じように継続的・反復的に使われますが、少数の回数にしか使われません。
- またその継続的な行為は話し手が「同じことを避けたい・次を期待しにくい」場合に使われます。
- 「何度」は時間や期間があいまいで、行為自体が明確に数えられない場合に使われます。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A.回
東京には8回行ったことがあるよ。
I have been to Tokyo eight times.
*8という数字が大きいので「回」が正解です。
A. 度
3度目の失敗は許されません。
A third failure is not acceptable.
*「許されない」ということから話し手が失敗を繰り返したくないことが考えられるので「度」がふさわしいです。
A. 何回
子どものときは何回も、母と遊園地へ行きました。
When I was a child, I went to the amusement park many times with my mother.
*「子どものとき」の一定の時間であること、「行った」という数えられる行為から「何回」がふさわしいです。
A. 何度
失敗しても何度もやってみると、きっとうまくいきますよ。
If you keep trying despite failures, it will surely work out.
*「やってみる」は明確に数えられるものではないので「何度」がふさわしいです。
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