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一人で頑張れば何とかなる、は幻想です


目次

1. 一人で頑張れば何とかなる、は幻想です
2. 会社員には、成長するための仕組みがある

3. 日本語講師には「自分を見てくれる人」が少ない

4. 頑張っているのに伸びない理由
5. 一人で頑張ることは、本当に美徳なのか
6. 伸びる人は、人の力を借りるのが上手
7. まず、環境を変えてみる
8. 関連記事

一人で頑張れば何とかなる、は幻想です

こんにちは。
Enuncia代表のハミルトン葉奈です。

日本語講師という仕事は、「自由な働き方」として紹介されることがよくあります。

好きな時間に働ける。
好きな場所で働ける。
自分の得意なことを活かして働ける。

私自身、この働き方にはたくさんの魅力があると思っています。

会社員時代と比べると、自分で選べることが圧倒的に増えましたし、自分の意思で仕事の方向性を決められることにも大きなやりがいを感じています。

でも、その一方で、長く日本語教育の業界に関わる中で感じることがあります。

それは、日本語講師は、一人で何とかしようとしすぎる人がとても多いということです。

もちろん、自分で考えることは大切です。

わからないことがあれば調べる。
新しい教材を探す。
レッスンを改善する。
必要な知識を学ぶ。

こうした姿勢そのものは、講師として欠かせません。

ただ、「何でも自分一人で解決すること」が当たり前になってしまうと、知らないうちに成長を遅らせることがあります。

会社員には、成長するための仕組みがある

以前、私は人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして働いていました。

多くの企業や働く人たちと関わっていましたが、改めて考えてみると、会社員という働き方には、本人が意識していなくても、他者からフィードバックを受けながら成長できる仕組みがあります。

上司・先輩・同僚がいます。
研修や定期的な面談で成果を振り返る機会があります。

仕事をしていれば、
「この伝え方はわかりにくかったよ」
「今回はここが良かった」
「次はこうしてみたら?」
と、誰かからフィードバックを受ける場面があります。

自分では問題ないと思っていた仕事について、上司から改善点を指摘されることもあります。

逆に、自分では大したことではないと思っていた部分を、周囲から評価されて初めて、自分の強みに気づくこともあります。

つまり会社員は、日々の仕事の中で、自然と他者の視点に触れています。
自分一人では見えない部分を、周囲の人が教えてくれる環境があるのです。

もちろん、すべての会社に十分な教育体制があるわけではありません。

それでも、完全に一人きりで働くケースは少ないと思います。

日本語講師には「自分を見てくれる人」が少ない

では、日本語講師はどうでしょうか。

特にオンラインで個人講師をしている場合、レッスンをするのも、教材作りも、集客も、すべて自分でやらなければいけません。

生徒が辞めたときも、「何が悪かったんだろう」と一人で考えますよね。

体験レッスンから継続につながらなかったときも、

「値段が高かったのかな」
「私の説明が悪かったのかな」

と、誰も教えてくれない答えを探します。

日本語学校で働く先生も状況は少し違いますが、非常勤として働く方も多いです。

もちろん、学校によって研修や授業見学、勉強会などの仕組みが整っているところもあるでしょう。
一方で、担当授業を終えたら帰宅し、日々の授業について継続的なフィードバックを受ける機会は、それほど多くないという先生もいます。

つまり、日本語講師という仕事は、思っている以上に、自分の仕事を客観的に見てもらう機会が少ない仕事なのです。

誰からも指摘されなければ、自分のやり方が正しいのかどうかもわかりません。

そもそも努力する方向がずれていたとしても、一人で考えている限り、そのズレに気づけないことがあります。

頑張っているのに伸びない理由

それでも私たちは、うまくいかないと、

もっと頑張ろう。
もっと勉強しよう。
もっと教材を作ろう。
もっとSNSを更新しよう。

と考えがちです。

もちろん、努力は必要です。

でも、努力すれば必ず前に進むわけではありません。

たとえば、目的地と反対方向に歩いているのに、「もっと速く歩こう」と頑張っても、目的地からはどんどん離れてしまいます。

必要なのは、歩くスピードを上げることではなく、

「そもそも、この方向で合っているのか?」

と確認することです。

仕事も同じです。

努力の量を増やす前に、

今のやり方は合っているのか。
もっと違う方法はないのか。
自分では見えていない課題はないのか。

誰かの視点を入れてみる。

それだけで、何カ月も一人で悩んでいたことが、意外と早く整理されることもあります。

一人で頑張ることは、本当に美徳なのか

私たちはどこかで、「人に頼らず、自分でできる人の方が偉い」と思っているところがあります。

できるだけ人に迷惑をかけず、まずは自分で何とかしよう。
そんな感覚を持っている方も少なくないと思います。

確かに、何でも人任せにするのは違います。
でも、人の力を借りることと、人任せにすることはまったく別です。

プロスポーツ選手にはコーチがいます。
経営者には顧問やコンサルタントがいます。
第一線で活躍する人ほど、自分とは違う視点を持つ人を周囲に置いています。

自分一人では、自分のことを完全に客観視できないと知っているからです。

それなのに、日本語講師になると、

自分で調べて、
自分で勉強して、
自分で失敗して、
自分で改善する。

そこまで全部一人でやることが、当然のようになってしまいます。

でも、本当にそれが一番効率のいい方法なのでしょうか。

伸びる人は、人の力を借りるのが上手

私はこれまで、多くの日本語講師の方と関わってきました。
そこで感じるのは、伸びる人と伸びない人の違いは、必ずしも才能や経験年数ではないということです。

むしろ伸びる人ほど、

わからないことを聞く。
自分のやり方を人に見てもらう。
もらったアドバイスを一度試してみる。
自分とは違う考え方も受け入れてみる。

そんな柔軟さを持っています。

一方で、一人で抱え込んでしまうと、自分の経験と知識の範囲内でしか答えを出せません。
自分の頭の中だけで何度考えても、自分が知らない選択肢は出てこないからです。

まず、環境を変えてみる

もし今、

一生懸命やっているのに、なかなか変化がない。
同じところでずっと悩んでいる。
何を改善すればいいのかわからない。

そんな状態にいるのであれば、必要なのは、さらに頑張ることではないかもしれません。

一人で考える環境そのものを変えてみる。
誰かに見てもらう。
人の意見を聞く。
自分とは違う視点に触れる。

それも立派な行動です。

そして、それは決して「自分でできないから」ではありません。
むしろ、自分の成長を早めるために、必要な力を上手に借りるという選択です。

一人で頑張ることが、必ずしも強さではありません。
ときには、人の力を借りられることの方が、ずっと大きな強さになります。

次回は、「学び続けているのに、なぜ何も変わらないのか」についてお話ししたいと思います。

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