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レッスン価格は、いつ・どう上げればいいのか


目次

1. レッスン価格は、いつ・どう上げればいいのか
2. 値上げのサインを考える

3. 値上げすることは、悪いことではない
4. 自分のサービスを、自分自身が安く扱わない
5. 生徒が離れたら、値上げは失敗なのか
6. 値上げは、サービスと働き方を見直すこと
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レッスン価格は、いつ・どう上げればいいのか

こんにちは。Enuncia代表のハミルトン葉奈です。

前回は、レッスン価格を相場や感覚だけで決めるのではなく、商品内容や実際の労働時間、働き方まで含めて考える必要があるというお話をしました。

今回は、その続きです。

「今の価格では少し厳しい」
「そろそろ値上げしたい」

と思っていても、実際に価格を変えるとなると、不安を感じる方は多いと思います。

いつ上げればいいのか。
どのくらい上げればいいのか。
今の生徒に、どう伝えればいいのか。
値上げによって生徒が離れたら、失敗なのか。

今回は、こうした疑問について考えていきます。

値上げのサインを考える

値上げには、「指導歴が何年になったら上げる」といった絶対的な基準はありません。
ただし、価格を見直した方がよいサインはあります。

例えば、

予約枠が継続的に埋まっている。
新規の問い合わせを断ることが増えた。
教材やカリキュラムを改善した。
特定分野の指導経験や実績が積み上がった。
今の価格では、無理なく続けることが難しくなった。

こうした変化があるなら、価格を見直すタイミングです。

また、値上げの基準を自分で決めておく方法もあります。

私が日本語講師を始めたころに使っていたプラットフォームでは、「100レッスン売れたら、2ドル上げる」というルールを自分で設けていました。

100レッスンを行えば、指導経験が増えるだけでなく、教材や説明もブラッシュアップされ、生徒の質問やつまづきの傾向も見えてきます。その積み重ねを価格に反映するという考え方です。

もちろん、100レッスンや2ドルという数字が、すべての講師に当てはまるわけではありません。
予約率や継続率、レビュー、指導実績など、自分の商品に合った基準で構いません。

大切なのは、そのときの気分や自信だけで判断するのではなく、
「この条件を満たしたら価格を見直す」という目安をあらかじめ持っておくことです。

値上げすることは、悪いことではない

既存の生徒に値上げをすること自体に、強い抵抗を感じる講師は多いように思います。

「長く受けてくれているのに申し訳ない」
「途中で価格を変えるのは不誠実ではないか」
「値上げを伝えたら、関係が悪くなるかもしれない」

そう考えて、値上げを先延ばしにしてしまいます。
しかし、そもそも値上げをすることは、それほど申し訳ないと思うべきことなのでしょうか。

物価やサービス内容、経験、働き方が変わっても、一度決めた価格を永久に維持しなければならないわけではありません。
講師は、最初に提示した金額で、将来にわたって教え続けることを約束しているわけでもありません。

もちろん、突然価格を変えたり、購入済みのレッスンに後から新価格を適用したりするのは適切ではありません。

しかし、十分な案内期間を設け、今後の価格を明確に伝えるのであれば、通常のサービス改定です。

既存の生徒を大切にすることと、同じ価格を永遠に維持することは全く別です。
値上げ後も受講を続けるかどうかは、生徒が判断します。

講師は新しい価格と条件を提示し、生徒はその内容に納得すれば継続する。
難しければ、別の選択をする。

ただそれだけのことです。

講師と生徒は、どちらかが一方的に我慢して成り立たせる関係ではありません。
価値を提供する側と、その価値に対価を支払う側として、対等な関係です。
だから、値上げを伝える際に必要以上に謝ったり、許可を求めるような姿勢を取ったりする必要は一切ありません。

値上げは、生徒へのお願いではなく、講師が、自分のサービスの新しい条件を伝えることなのです。

自分のサービスを、自分自身が安く扱わない

価格だけでなく、サービスの範囲についても同じことが言えます。

例えば、

レッスン外の質問に無制限で答える。
無料で添削を追加する。
直前の予定変更を毎回受け入れる。
時間を超えてもレッスンを続ける。
要望されるたびに、対応を増やしていく。

こうしたことを続けていると、無料対応がいつの間にか「当然のサービス」になってしまいます。

自分の仕事を安く扱っていれば、生徒からも安く扱われやすくなります。
反対に、自分の専門性や提供範囲を明確にし、それにふさわしい価格をつけていれば、生徒も一つの専門的なサービスとして受け止めます。

安さは、常に強みになるわけではありません。

例えば、こんな話があります。

高級リゾートとして知られるニセコで、周囲よりも大幅に安い価格で商品を販売した店がありました。

ニセコでは観光客向けの価格が定着しているため、その店は日本の一般的な価格で販売すれば、「安くてお得」と思ってもらえると考えたそうです。

ところが、実際には、「なぜ、これだけ安いのだろう」「品質に何か問題があるのではないか」と、不安を持たれ、思うように集客できなかったといいます。

価格が安すぎることで、かえって品質まで低く見られてしまったのです。

価格は、単なる数字ではありません。
その商品やサービスが、どの程度の品質なのかを判断する材料にもなります。

もちろん、単純に高くすればよいという話ではありません。
大切なのは、専門性やサービス内容に見合った価格をつけ、その範囲を明確にすることです。

レッスン料金に何が含まれるのか。
レッスン外ではどこまで対応するのか。
キャンセルや変更には、どのようなルールがあるのか。

生徒を大切にすることと、すべての要望を無料で受け入れることは違います。
自分の時間や専門性を、まず講師自身が適切に扱うことが大切です。

生徒が離れたら、値上げは失敗なのか

値上げをすると、予算の都合で継続を見送る生徒が出る可能性はあります。
それは残念なことではありますが、だからといって、値上げ自体が失敗だったとは限りません。

大切なのは、生徒数だけでなく、値上げ後の働き方全体を見ることです。

例えば、月100コマだったレッスンが80コマに減ったとしても、

売上を維持しながら休みを取れるようになったり、生徒一人ひとりへの対応が丁寧になったのであれば、働き方はむしろ改善しています。

値上げの成功を、「一人も離れなかったかどうか」だけで判断してはいけません。
すべての生徒を残すことを優先し、無理な価格や過剰なサービスを続ければ、講師自身が疲弊します。

生徒が離れることを恐れて価格を据え置くのではなく、収入、労働時間、レッスンの質、自分の余力、このバランスが良くなったかどうかで判断することが大切です。

値上げは、サービスと働き方を見直すこと

値上げは、レッスンの単価だけを上げることではありません。

予約状況や実績、提供内容、準備時間、手元に残る収入を確認し、自分なりの基準を持って整理し、今の自分に合う価格へ調整することです。

レッスン価格を上げることは、生徒を大切にしないことではありません。
講師が自分の時間と専門性を適切に扱い、質の高いレッスンを長く提供するために必要な見直しです。

必要以上に罪悪感を感じる必要も、自分の仕事を安く扱う必要もありません。
自分が提供している価値と働き方に合った価格を、堂々と提示すればよいのです。

次回は、価格を上げても選ばれるレッスンには何が必要なのか、商品設計と価値の伝え方についてお話しします。

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