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そのレッスン価格、どうやって決めましたか?


目次

1. そのレッスン価格、どうやって決めましたか?
2. 「50分だから、この金額」は間違い

3. 相場を見ることと、相場に従うことは違う

4. 生徒が来ないとき、すぐ値下げしていませんか
5. 講師が続けられない価格は、生徒のためにもならない
6. 価格を考えるときに確認したい数字
7. 価格設定とは、働き方を数字にすること
8. 関連記事

そのレッスン価格、どうやって決めましたか?

こんにちは。Enuncia代表のハミルトン葉奈です。

相談会やサロンで、非常によく出るご相談が「価格設定について」です。
今日から3回に分けて、日本語講師のレッスン価格についてお話しします。

今回はまず、価格を決める前に考えるべきことから見ていきましょう。

「初心者なので、安くした方がいいですか」
「他の先生より高いと、選ばれませんよね」
「新規の生徒が来ないので、値下げしようと思っています」
「値上げしたら、生徒が離れそうで怖いです」

こうした質問を聞いていると、多くの方が、どこかに「正解の金額」があると思っているように感じます。

でも、同じ50分の日本語レッスンでも、レッスンの内容によって必要な専門性も準備時間も、提供するサポートも違います。

すべての日本語講師に当てはまる、正解の価格はありません。

「50分だから、この金額」は間違い

オンラインレッスンは、30分、50分、60分といった時間単位で販売されることが多いため、価格もレッスン時間だけで考えがちです。

しかし、講師が仕事に使っている時間は、画面の前にいる50分だけではありません。

レッスン前の準備や教材の選定や作成。
宿題の確認やレッスン後の記録。
フィードバックや生徒とのやりとり。
予約やスケジュールの調整。

こうした時間も、すべて仕事の一部です。

例えば、50分のレッスンに対して、準備と記録に合計40分かかっているなら、実際には90分の仕事をしています。
50分で20ドルだからといって、時給20ドルではありません。

そこからプラットフォームの手数料も引かれます。
表示されているレッスン時間と、講師が実際に働いている時間は違うのです。

相場を見ることと、相場に従うことは違う

競合講師の価格を調べること自体は必要です。

市場にはどの価格帯の講師が多いのか。
どのような経験や専門性を持つ講師が、高い価格を設定しているのか。
どの価格帯で予約が入っているのか。

こうした情報は、自分の商品や立ち位置を考える材料になります。

ただし、「他の先生が20ドルだから、私も20ドル」では、自分の価格を決めたことにはなりません。

講師によって、経験や専門分野、対象とする学習者、レッスン外のサポートは違います。
働ける時間が違いますし、必要な収入もそれぞれです。

相場はあくまで参考情報であって、答えではありません。

生徒が来ないとき、すぐ値下げしていませんか

予約が入らないと、「価格が高いから選ばれないのではないか」と考えたくなります。
でも、本当に価格だけが原因でしょうか。

プロフィールが見られていない。
誰向けの講師なのか分からない。
他の講師との違いが伝わっていない。
レッスンを受けた後の変化が想像できない。

こうした問題が残ったまま価格だけを下げても、選ばれない理由は解消されません。
むしろ、同じ収入を得るために、より多くの生徒を教える必要が出てきます。
その結果、準備時間を削り、疲弊し、レッスンの質まで落ちてしまうかもしれません。

そして、少し厳しいことを言います。
内容を改善せず、安さだけで生徒を集めようとするのは、やめてほしいと個人的には思います。

十分な準備もせず、明確な価値も提供しないまま価格だけを下げれば、「日本語レッスンは、この程度の金額で受けられるもの」という認識が広がってしまいます。

そうなれば、専門性を磨き、丁寧に準備をしている講師まで価格競争に巻き込まれます。

もちろん、経験を積むために期間限定で価格を抑えることや、戦略的に低価格の商品を作ることまで否定するつもりはありません。
問題なのは、選ばれない原因を見直さず、値下げだけで解決しようとすることです。

一人ひとりの価格設定が、日本語教育業界全体の相場にも影響します。
値下げは、原因を確認した後に選ぶ施策であって、困ったときの最初の対応ではありません。

講師が続けられない価格は、生徒のためにもならない

価格を考えるとき、生徒が払えるかどうかばかりを気にする講師は少なくありません。
もちろん、生徒側の負担を考えることは大切です。

ただ、安くすればするほど、生徒にとって良いレッスンになるわけではありません。

価格が低すぎると、同じ収入を得るために、より多くのレッスンを入れなければならなくなります。

その結果、

準備に十分な時間をかけられない。
一人ひとりへのフィードバックが雑になる。
教材やレッスン内容を改善する余裕がなくなる。
レッスン数を詰め込み、講師自身が疲弊する。

といったことが起こります。

最初は続けられても、半年、1年と同じ働き方を続けるのは難しいかもしれません。
無理な価格で働き続け、最終的にレッスンを減らしたり、講師を辞めたりすることになれば、継続して学んできた生徒も困ります。

講師が適切な準備をし、サービスを改善しながら、安定してレッスンを続けられることも、生徒に提供する価値の一部です。

安ければ、必ずしも生徒に優しいわけではありません。

生徒が無理なく続けられることと同時に、講師自身も無理なく提供し続けられること。
その両方が成り立つ価格を考える必要があります。

価格を考えるときに確認したい数字

価格を決めるときは、「高いか、安いか」という感覚だけで考えないことも大切です。

まず確認したいのは、1コマのレッスンに実際どれだけの時間を使っているかです。

さらに、プラットフォームの手数料を引くと、いくら残るのか。
教材費やツール代はいくらかかっているのか。
1か月に無理なく何コマ提供できるのか。
目標収入を得るには、何コマ必要なのか。
そのコマ数を半年、1年と続けられるのか。

なども確認する必要があります。

例えば、50分20ドルのレッスンでも、準備や記録を含めて90分かかり、さらに手数料が引かれるのであれば、実際の時給は想像より低くなります。

表示価格だけを見ていると、それなりに稼げているように感じるかもしれません。
しかし、本当に見るべきなのは、最終的に手元に残る金額と、そのために使っている総労働時間です。

価格設定とは、希望する金額をつけることではありません。
その価格で、どのような働き方になるのかまで計算することなのです。

価格設定とは、働き方を数字にすること

レッスン価格は、周りの講師がいくらにしているかだけで決めるものではありません。

誰に、どんな価値を、どこまで提供するのか。
そのために、実際にはどれくらいの時間と労力がかかるのか。
そして、その価格で自分自身が無理なく続けられるのか。

ここまで考えて、初めて自分の価格が見えてきます。

生徒が来ないからといって、すぐに値下げをする必要はありません。
まず見直すべきなのは、価格ではなく、商品や見せ方かもしれません。

価格設定とは、1つのレッスンに数字をつけることではありません。
自分のサービスと働き方を、数字に置き換えることなのです。

ただし、一度決めた価格を、ずっと変えずに続ける必要もありません。

経験が増えた。
提供できる価値が高まった。
予約が埋まるようになった。
働き方を見直したくなった。

そうした変化に合わせて、価格も見直していく必要があります。

次回は、どのタイミングで値上げをするのか、そして生徒にどう伝えるのかについてお話しします。

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