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日本語講師、営業弱すぎ問題


目次

1. 日本語講師、営業弱すぎ問題
2. 私たちは講師であると同時に、小さな会社の社長である

3. なぜ日本語講師は営業が苦手なのか
4. 営業とは「売ること」ではなく「届けること」
5. 営業が苦手な人ほど、設計を見直すべき
6. 関連記事

日本語講師、営業弱すぎ問題

こんにちは。Enuncia代表のハミルトン葉奈です。

「トライアルレッスンが苦手です」
「売り込むようなことはしたくありません」
「もっと教えることに集中したいです」

相談会で日本語講師の方とお話ししていると、こうした言葉をよく聞きます。

もちろん、無理に商品を押しつけたり、必要としていない人にしつこく勧めたりする必要はありません。

私も、そういう営業は好きではありません。
ただ、「営業そのものをしたくない」という考え方には、非常に違和感があります。

なぜなら、オンライン日本語講師として活動していく以上、自分で生徒を集め、自分でレッスンを販売し、営業をしなければならないのは当たり前のことだからです。

私たちは講師であると同時に、小さな会社の社長である

皆さんは、オンラインで自分のサービスを提供している個人事業主です。
規模は小さくても、自分のビジネスを経営していることには変わりありません。

どの会社にも、営業部があり、営業担当者がいますよね。
なぜだと思いますか。

それは、営業しなければ売れないからです。

良い商品を作っていれば、何もしなくても勝手に売れていくのであれば、営業部など必要ありません。
ブランディングやマーケティングという概念も不要でしょう。

でも、現実には、どれだけの大企業であっても、ネームバリューだけで商品やサービスが勝手に売れていくほど、甘い世の中ではありません。

相手の困りごとを聞く。
商品を知ってもらう。
商品の価値を伝える。
相手の問題を解決できる商品を提案する。
契約をする。
アフターサポートを提供する。

こうした活動をしなければ、どれほど良い商品でも、必要としている人には届かないからです。

だから、会社は、わざわざ人を雇い、営業活動やマーケティングに時間とお金を使います。

それなのに、オンライン講師だけが、「良いレッスンをしていれば、営業しなくても自然に生徒が来る」と考えるのは、おかしなことだと思いませんか。

営業をしたくないのであれば、学校やスクール型のオンラインプラットフォームに雇用されて働けばよいと思います。

集客も、料金設定も、契約も、決済も、基本的には運営側が担ってくれます。
その代わり、報酬や働き方、教える内容、スケジュールの自由度には制限があります。

でも、多くの方は、
「非常勤では収入が安定しない」
「決められた時間や場所に縛られたくない」
「自分の力で、もっと収入を増やしたい」
と思って、オンライン講師という働き方を選んだのではないでしょうか。

それなら、自由だけを受け取り、営業や集客の責任は負いたくないというのは通りません。

自分で料金を決められる。
自分で働く時間を決められる。
自分で教える相手や内容を決められる。

その自由と引き換えに、自分で商品を作り、自分で生徒を集め、自分で売上を作る責任が生まれます。

会社員ではなく、個人事業主として働くというのは、そういうことです。
私たちは講師であると同時に、自分の小さな会社を経営する社長なのです。

なぜ日本語講師は営業が苦手なのか

では、なぜ日本語講師は営業に苦手意識を持ちやすいのでしょうか。
私は、大きく3つの理由があると思っています。

1.教育者意識は強いが、経営者意識が弱い
日本語講師は、「先生」としての意識を強く持っています。

どうすれば分かりやすく教えられるか。
どんな教材を使えばよいか。
生徒の間違いをどう直すか。

こうしたことには、真剣に向き合います。

一方で、
どのような商品を作るのか。
誰にその商品を届けるのか。
どのように知ってもらうのか。
どのように申し込みにつなげるのか。

という経営者としての視点は、あまり持っていません。

教える準備には何時間もかけるのに、プロフィールや商品設計、体験レッスン後の案内には、ほとんど時間をかけていない方もいます。

しかし、自分でレッスンを販売する以上、教育者であるだけでは不十分です。
皆さんは、講師であると同時に、商品開発、広報、営業、顧客対応まで行う経営者でもあるのです。

2.営業を「押し売り」だと思っている

営業と聞くと、

無理に買わせる。
強引に契約させる。
相手の不安をあおる。

このようなイメージを持つ方も多いと思います。
だから、営業を避けたくなる。

でも、本来の営業は押し売りではありません。

相手のことを知る。
相手が抱えている課題を知る。
自分がどのように役に立てるかを考える。
そのうえで、適切な解決策を提案する。

これが営業です。

必要としていない人に無理に売ることではありません。
必要としている人に、「あなたの悩みには、この方法が合うと思います」と伝えることです。

むしろ、相手の課題を理解せず、自分が教えたい内容だけを一方的に提供する方が、よほど講師本位な押し付けではないでしょうか。

3.良いレッスンなら自然に売れると思っている

これは、日本語講師が最も陥りやすい幻想だと思います。

経験が豊富。
教材が充実している。
説明が分かりやすい。

もちろん、どれも大切です。

ただし、ネット上では、良い授業=売れる授業ではありません。

どれほど良いレッスンでも、その良さがプロフィールから伝わらなければ、体験レッスンには申し込まれません。
どれほど説明が上手でも、誰のどのような悩みを解決できるのかが分からなければ、選ばれません。

良い商品を作ることと、その商品が売れることは、別の問題です。

これは、日本語レッスンに限りません。
世の中には、品質は高いのに売れていない商品がたくさんあります。

逆に、必ずしも最高品質ではなくても、価値が分かりやすく伝わり、必要な人に届いている商品は売れています。

「良いものを作れば売れる」という考えだけでは、オンラインでは通用しません。

営業とは「売ること」ではなく「届けること」

営業という言葉に抵抗があるなら、少し意味を捉え直してみてください。
営業とは、自分のサービスを無理に売りつけることではありません。

自分の存在を知ってもらう。
相手のことを知る。
自分が提供できる価値を伝える。
相手に合った次の一歩を提案する。

そうした一連の活動です。

つまり営業とは、必要としている人に、自分の価値を届ける活動です。

例えば、JLPTに何度も落ちて困っている学習者がいるとします。
その人に対して、「私はJLPT対策ができます」と伝える。

なぜ点数が伸びないのかを聞く。
弱点を整理する。
必要なレッスン内容を提案する。

これは押し売りでしょうか。
違いますよね。

困っている人に、自分ができる支援を伝えているだけです。

営業をしないということは、必要としている人が目の前にいるのに、自分が助けられることを伝えないということでもあります。

教える力があるのに、その価値が誰にも知られない。
本当は相性のよい生徒がいるのに、お互いに出会えない。

それは、生徒にとってももったいないことです。

営業が苦手な人ほど、設計を見直すべき

「営業が苦手です」という方に、私はよくこうお伝えします。
本当に営業が苦手なのではなく、何を伝えればよいのか分からないだけではありませんか、と。

誰に向けたレッスンなのか。
その人は何に困っているのか。
自分は何を得意としているのか。
どんなレッスンを提供するのか。
受講すると、どのような変化があるのか。

これらが整理されていなければ、自信を持って説明できないのは当然です。
自分でも分からないことを、他人に分かりやすく説明することはできません。

営業が苦手なのではなく、

商品設計が曖昧。
対象者が曖昧。
強みが曖昧。
提供価値が曖昧。

だから、話せないのです。

逆に言えば、誰に何を届けるのかが明確になれば、営業はずっと楽になります。

「この人には、自分のレッスンが合う」
「この悩みなら、自分が支援できる」

そう判断できれば、無理に売り込む必要はありません。

必要なことを、必要な人に、普通に説明すればよいだけです。

 日本語講師は、教える力を磨くことにはとても熱心です。

資格を取る。
教材を研究する。
教授法を学ぶ。
授業準備に時間をかける。

それはもちろん大切です。
でも、それと同じくらい、自分の価値を伝える力も必要です。

どれほど教える力があっても、知ってもらえなければ、生徒には届きません。
どれほど良いレッスンでも、価値を説明できなければ、選ばれません。

教える力がある人ほど、自分の価値を伝える力も身につけるべきだと、私は思っています。

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