JLPT N3 文法 – 「痛み」と「痛さ」は何が違う?形容詞の名詞化「み」と「さ」

目次
1. 形容詞の名詞化「み」と「さ」の違い
2. 「み」を使った名詞化
3. 「さ」を使った名詞化
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「痛み」と「痛さ」のように、形容詞を名詞にするとき、違いはありますか?
A:はい、少し違いがあります。
形容詞は、「み」や「さ」をつけることで名詞にすることができます。
ただし、「み」と「さ」は、同じように見えても意味のニュアンスが少し違います。
基本的には、「み」は、感覚・性質・特徴そのもの
「さ」は、程度・強さ・量を表します。
このあと、それぞれの使い方と違いを詳しく見ていきましょう。
「み」を使った名詞化 (JLPT N3)
[ルール]
[A] い形容詞い+み
[ポイント]
「み」は、感覚・感情・味・質感などを表すときによく使われます。
例:痛み、甘み、悲しみ、かゆみ、苦み、うまみ、重み、 深み、厚みなど
*使える言葉がかなり限られているので、注意が必要
[例]
年を取ってひざに痛みを感じるようになりました。
As I have gotten older, I have started to feel pain in my knees.
このいちごは甘みが強いです。
These strawberries have a strong sweetness.
大事な犬を亡くしてわたしたち家族は悲しみの中にいます。
After losing our beloved dog, my family is enveloped in sadness.
肌が乾燥するとかゆみが強くなります。
When my skin gets dry, the itchiness becomes more intense.
「さ」を使った名詞化 (JLPT N3)
[ルール]
[A] い形容詞い+さ
[Na] な形容詞な+さ
*「いい」は「よい」を使い「よさ」になる。
[ポイント]
「さ」は、形容詞が表す性質を「程度」や「強さ」として名詞化するときによく使います。
例:痛さ、甘さ、長さ、高さ、寒さ、眠さ、嬉しさ、便利さ、静かさなど
「み」と比べると、「さ」は使える形容詞が多いです。
[例]
出産は死にそうなぐらいの痛さでした。
Giving birth was so painful that it felt like I was going to die.
この車のシルエットのかっこよさが好きなんだ。
I love the cool silhouette of this car.
N1に合格した嬉しさは計り知れません。
The joy of passing the N1 exam is immeasurable.
この町の便利さが気に入っています。
I like the convenience of this town.
比べてみよう
基本的には「み」は感覚や性質・特質、「さ」は具体的な程度を表現します。
[例]
年を取ってひざに痛みを感じるようになりました。
As I have gotten older, I have started to feel pain in my knees.
この文では、「痛み」は体で感じる感覚そのものを表しています。
一方で、
出産は死にそうなぐらいの痛さでした。
Giving birth was so painful that it felt like I was going to die.
この文では、「死にそうなぐらい」という表現からもわかるように、「どのくらい痛いか」という程度を表しています。
では、もう少し深く違いを考えてみましょう。
[例]
厚み VS 厚さ
このステーキの厚みはすごいですね。
このステーキの厚さはすごいですね。
The thickness of this steak is incredible.
この場合は、どちらを使っても意味は伝わります。
ただし、少しニュアンスが違います。
「厚み」は、そのステーキが持っている特徴や存在感を表します。
「しっかり厚い」「ボリュームがある」という印象です。
一方で、「厚さ」は、何センチあるかという具体的な寸法や程度を表します。
つまり、
厚み:特徴・質感・存在感
厚さ:寸法・程度
という違いがあります。
[例]
甘み VS 甘さ
このいちごジュースは甘みがあって人気です。
This strawberry juice is popular because it has a pleasant sweetness.
ここのジュースは甘さのレベルを変えられます。
You can adjust the level of sweetness in the juice here.
「甘み」は、甘い味そのものを表します。
味の特徴として「甘い感じがある」と言いたいときに使います。
一方で、「甘さ」は、甘い程度を表します。
「甘さ控えめ」「甘さを調整する」「甘さのレベル」のように、強さや量として考えるときによく使います。
「み」が使えない形容詞
実は「み」には使える形容詞に限りがあります。
例えば「長い」は「長さ」とは言えますが「長み」とは言えません。
「み」が使いにくい・使えない形容詞の例
白い・黒い・大きい・かたい・太い・新しい・いい(よい)・悪い・難しい・高い・安い・うれしい・眠い・寒い・暑い・冷たい・熱い・忙しい・おいしい・しょっぱい・すっぱい
感情や感覚でも「さ」を使うことがある
「み」は感覚や性質を表すと説明しましたが、感覚や感情を表す形容詞でも、必ず「み」を使うわけではありません。
たとえば、次のような言葉は「さ」を使うのが自然です。
[例]
このうれしさは言葉では表現できません。
This happiness cannot be expressed in words.
眠さががまんできなくて昼寝をしました。
I couldn’t bear the sleepiness and took a nap.
今年の寒さは去年よりましです。
This year’s cold is better than last year’s.
このように、感情や感覚を表していても、「程度」や「状態」として言いたいときは「さ」が使われます。
まとめ
[「み」を使った名詞化]
- 感覚・性質・特徴そのものを表す。
- 使える形容詞に制限があり、すべての形容詞に使えるわけではない。
[「さ」を使った名詞化]
- 程度・強さ・量を表す。
- 「み」より使える形容詞が多い。
- い形容詞にもな形容詞にも使える。
- 迷ったときは、まず「さ」が使えるかを考えるとよい。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 上手さ
マリアさんのピアノの上手さには誰もかないません。
No one can match Maria’s piano skills.
*「上手」には「さ」だけが使えるので「上手さ」が正解です。
A. 長さ
そのスカートの長さ、短すぎるんじゃない?
Isn’t that skirt too short?
*スカートの丈の程度を言っているので「長さ」が正解です。「長み」という言葉はありません。
A. 悲しみ
ときには悲しみを感じることも大切です。
Sometimes it’s important to feel sadness.
*「感じる」というのは感覚なので「悲しみ」がふさわしいです。
A. 重み
先生はいつも重みのある言葉をおっしゃいます。
The teacher always speaks words with weight.
*物質的な「重い」ではなく、「言葉」を指しており抽象的なことなので「重み」が正解です。
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