日本で働く外国人必見!はんこ(印鑑)は本当に必要?

目次
1. はんこ(印鑑)は本当に必要?
2. 日本のはんこ文化 ― 歴史と意味
3. はんこの種類と使い方
4. 外国人でもはんこは必要?
5. どうやってはんこを作るの?
6. まとめ
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8. コメント
Q: 日本で働くためには、はんこを作らないといけないと聞きました。どうしても必要ですか?また、どうやって作ったらいいですか?
日本で働くとき、会社への書類提出や銀行口座の開設、アパートの契約など、さまざまな場面で「印鑑を押してください」と言われることがあります。
西洋ではサイン(署名)を書くのが一般的ですが、日本では自分の名前が彫られた“はんこ”を押すことで「本人の意思を示す」文化が根づいています。
この記事では、
・外国人として日本で働くとき、はんこは本当に必要なのか
・どんな種類のはんこを用意すればいいのか
・どうやって作ればいいのか
を、紹介します。
日本のはんこ文化 ― 歴史と意味
日本では、はんこ(印章)を押すことが「正式な証明」として使われてきました。
はんこの歴史は古く、奈良時代(710〜794年)にはすでに公文書に印を押す習慣があったといわれています。
江戸時代になると商人や一般の人々にも広がり、明治時代には政府が「実印登録制度」をつくり、法律上も重要な存在になりました。
つまり、はんこは「自分の名前をかたちにしたもの」であり、信頼や責任を示す印なのです。

はんこの種類と使い方
日本にはいくつかの種類のはんこがあります。使う場面によって使い分けるのが一般的です。
| 種類 | 説明 | 登録の必要 |
|---|---|---|
| 実印 | 市区町村に登録して使う正式な印。 車の購入や不動産契約など、大きな取引に使用。 | 必要 |
| 銀行印 | 銀行口座を作るときに登録する印。 | 必要 |
| 認印 | 日常生活で使う印。宅配便の受け取りや会社の書類などに使用。 | 不要 |
| シャチハタ | インクが入っているスタンプ式。 便利だが正式な契約には使えない。 | 不要 |
外国人でもはんこは必要?
結論:必ずしも必要ではありませんが、あると便利です。
最近では、署名でも手続きできる場合が増えています。
しかし、銀行口座を開くときや会社の書類、アパートの契約などでは、今でもはんこを求められることが多いです。
特に日本で就職や生活を安定して始めたい人は、1本は持っておくことをおすすめします。
どうやってはんこを作るの?
はんこを作る方法はとても簡単です。
外国人でも問題なく注文できます。
以下のステップで作ることができます。
① 名前を決める
はんこには、ローマ字・カタカナ・漢字のいずれかを使えます。
• 外国人登録証や在留カードの名前と同じローマ字で作るのが一般的。
• もし日本語の名前(漢字・カタカナ)を使っている場合は、その名前でもOKです。
※銀行や役所に登録する場合、登録名と同じ表記にしないと受け付けてもらえないことがあります。
② 作る場所を選ぶ
はんこは、いろいろな場所で作ることができます。
| 方法 | 特徴 | 値段の目安 |
|---|---|---|
| はんこ屋 | 相談しながら素材や字体を選べる。 オーダーメイドが可能。 | 約3,000〜10,000円 |
| インターネット注文 | 名前を入力するだけで簡単に注文。 最短1日で届く。 | 約1,000〜5,000円 |
| 100円ショップ/文房具店 | 認印ならすぐ買える。 外国人名はない場合が多い。 | 約100〜500円 |
* 初めて作るなら、ネットやはんこ屋で「銀行印・認印」として使えるタイプを選ぶと安心です。
③ 素材を選ぶ
はんこは、素材によって値段や印象が変わります。
• 木:軽くて使いやすい。一般的で値段も手ごろ。
• プラスチック:安くて壊れにくい。短期間の滞在におすすめ。
• 水牛・象牙:高級感があり、長く使える(ただし価格が高い)。
最近では、環境に配慮した木材やアクリル素材のものも人気です。
④ 登録が必要な場合
実印や銀行印として使う場合は、役所や銀行に登録する必要があります。
登録をすると「印鑑証明書」が発行され、正式な証明として使うことができます。
登録のときは、在留カード・パスポート・マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。
まとめ
近年、日本でも電子署名やオンライン契約などのデジタル化が進み、はんこを使わない「脱はんこ」の流れも見られるようになりました。
特にコロナ禍以降、企業や行政がデジタル手続きを導入し、紙に押印する機会は少しずつ減っています。
それでも、銀行・不動産・行政の重要な手続きでは、今でもはんこが必要な場面が多くあります。
つまり、はんこは依然として日本社会における信頼の証として生き続けているのです。
外国人にとっては少し不思議に思える習慣かもしれませんが、
1本のはんこを持つことは、日本の文化を理解し、この社会の一員として認められる第一歩でもあります。
デジタル化が進んでも、はんこに込められたこの「信頼の文化」は、これからも受け継がれていくでしょう。

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