JLPT N4文法 – 「〜ている・〜ていない」完全解説

目次
1. 「〜ている・〜ていない」完全解説
2. ①現在進行形
3. ②結果の状態
4. ③習慣の継続
5. 比べてみよう
6. まとめ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「〜ている」は英語の “-ing” に当たるなら、「〜ていない」は “not -ing” になると思いましたが、”not yet”や “have not” の意味にもなるのですか?混乱しています。
A: 「〜ている」には単なる進行だけでなく、「結果の状態」や「習慣の継続」を表す意味もあります。この記事では、その3つの用法と「〜ていない」との違いをわかりやすく解説します。

JLPT N4 文法
現在進行形以外の「〜ている」の使い方
①現在進行形
動作が「今まさに進行中」または「継続中」であることを表します。 否定文になると、「今その動作が行われていない」ことを意味します。
書き言葉では「〜ている・〜ていない」が一般的ですが、 話し言葉では「い」を省略して「〜てる・〜てない」と言うのが自然です。
[例]
A:今、何をしているの?
B:何もしてないよ。
A: What are you doing now?
B: Nothing right now.
A:今、雨が降ってる?
B:ううん、降ってないよ。
A: Is it raining now?
B: No, it’s not.
A:今、電話中?
B:ううん、電話してないよ。音楽を聞いてるんだ。
A: Are you on the phone?
B: No, I’m not. I’m listening to music.
②結果の状態
「結婚する」や「持つ」などの瞬間動詞と結びつくと、「過去のある時点で起きたことが、今もそのまま続いている状態」を表します。
否定文では「その状態にまだ達していない」という意味になります。
[例]
わたしは結婚していません。
I’m not married.
⇒ つまり、今は独身ということです。
免許は持っているけど、車は持っていません。
I have a driver’s license, but I don’t own a car.
⇒ 過去に免許を取得したが、現在は車を所有していないという意味です。
また、肯定文と否定文では使い方が異なる動詞もあります。
たとえば「知る」は否定形に「〜ていない」を使えず、原形の否定「知らない」を使います。
[例]
A:このレストラン、知っていますか。
B:〇 はい、知っていますよ。
× いいえ、知っていません。
A: Do you know this restaurant?
B: Yes, I know it.
一方で、否定形では使える動詞が増え、「まだ〜ていない」の形で「ある結果や状態がまだ起きていない」ことを表すのが一般的です。 (※「まだ」は文脈で省略されることもあります。)
[例]
A:もう駅に着いた?
B:ううん、まだ着いてない。
A: Have you arrived at the station yet?
B: No, not yet.
⇒ 「着く」という結果がまだ完了していません。
A:宿題してるの?
B:ううん、まだしてないよ。
A: Are you doing your homework?
B: No, not yet.
⇒ Aは「今、進行中か」を尋ねていますが、Bは「まだ始めていない」状態を伝えています。
A:もう資料はできましたか。
B:すみません、まだできていません。
A: Are the materials ready yet?
B: Sorry, not yet.

JLPT N5語彙
「分かる」と「知る」の使い方
③習慣の継続
肯定形の「〜ている」は、過去のある時点で始めたことが現在も続いている状態を表します。
[よく一緒に使われる動詞]
作る・働く・教える・売る など
[例]
アップルはパソコンを作っています。
Apple makes computers.
父は銀行で働いています。
My father works at a bank.
一方、否定形の「〜ていない」は、 「過去のある時点から今まで一度も〜していない」という意味になります。
[例]
アップルは化粧品を作っていません。
Apple doesn’t make cosmetics.
⇒ 創立以来、化粧品を製造したことがないという意味です。
父は銀行で働いていません。郵便局で働いています。
My father doesn’t work at a bank. He works at the post office.
昔はこの商店でたばこを売っていましたが、今は売っていません。
In the past, this shop used to sell cigarettes, but it doesn’t sell them now.
⇒ 昔ある時点までは販売していたが、その後は一度も売っていないという意味です。
比べてみよう
日本語では、同じ文でも文脈や状況によって意味が変わることがあります。
したがって、次のような文だけではどの意味なのか判断しにくい場合があります。
[例]
働いていません。
I’m not working.
では、次の文を見てみましょう。
[例]
去年の10月に仕事を辞めてから、働いていません。
I haven’t worked since I quit my job last October.
この場合、「去年の10月から現在まで一度も働いていない」という意味になります。つまり、「習慣の継続の否定」として使われています。
ただし、文脈によっては「現在進行形の否定」として解釈されることもあります。その違いは、話し手の焦点にあります。
「習慣の継続」や「結果の状態」の否定:
ある時点【過去】から現在までの時間の流れに焦点がある。
「現在進行形」の否定:
焦点は【現在】に限定され、過去の出来事は意識されていない。
日本語は英語のように文法で区別せず、文脈や状況によって意味を判断する言語です。
まとめ
◆どの場合も、書き言葉では「~ている・~ていない」が適切だが、話し言葉では「~てる・~てない」と‘い’を省略して言うことが多い。
[現在進行形]
- 動作や作用が進行中・継続中であることを表し、否定文では今その動作が起きていないことを示す。
- 「現在進行形」の否定は【現在】に焦点があり【過去】は含まれない。
[結果の状態]
- 「結婚する」や「持つ」などの瞬間動詞と結びつき、肯定形では「過去のある時点で起こったことが今も続いている状態」を表す。
- 否定形では「その状態に至っていない」ことを意味する。
- また、「知る」の否定形は「知っていない」ではなく、原形の否定「知らない」を使う必要がある。
- 否定文では使える動詞が増え、「まだ~ていない」の形で「結果や状態がまだ起きていない」ことを表すことが多いが、「まだ」は省略される場合もある。
- 【過去】から【現在】までの時間の流れに焦点がある。
[習慣の継続]
- 肯定形では「過去のある時点で始めたことが現在も続いている」状態を表し、
- 否定形では「過去のある時点から現在まで一度もしていない」ことを意味する。
- 【過去】から【現在】までの時間の流れに焦点がある。
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