JLPT N3・N4文法 – 「〜ことになる」と「〜ことになっている」の違い

目次
1. 「〜ことになる」と「〜ことになっている」の違い
2. 〜ことになる
3. 〜ことになっている
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜ことになる」と「〜ことになっている」に違いはありますか?
A: どちらも「決定」や「結果」を表しますが、意味に違いがあります。「〜ことになる」は①ある状況から当然そうなること ②外的な要因による決定や結果を表し、「〜ことになっている」は社会や組織で定められた規則・習慣・予定を表します。
〜ことになる (JLPT N4)
[意味①]
ある事情や状況から考えて、当然そのようなことになる
[ルール]
[V] 動詞普通形+ことになる
[N] 名詞+という+ことになる
[例]
このパーティーには大人が3人、子どもが5人来るので、参加者は合計8人ということになります。
Since three adults and five children will come to this party, there will be a total of eight participants.
試験に落ちたので、結局来年もう一度受けることになります。
Because I failed the exam, I will end up taking it again next year.
このままでは準備が間に合わないので、結局徹夜することになります。
If things stay as they are, I will have to stay up all night to finish the preparations.
「つまり/結局~になる」と同じような意味合いで、「ある状態から考えると、結果的に当然そうなる」と言いたいときに使います。この文型は、「~たら・ば」などの条件節や理由を前提にして、結果を述べるときによく使われます。
[例]
何も考えないで行動すると、失敗することになるでしょう。
If you act without thinking, you will end up failing.
誰も参加してくれないなら、今年は参加者0ということになります。
If no one joins, it means there will be zero participants this year.
若いときに苦労しなかったら、将来苦労することになります。
If you don’t work hard when you are young, you will have a hard time in the future.
[意味②]
~することに決定する
[ルール]
[V] 動詞辞書形・ない形+ことになる
[例]
来月から日本に出張することになりました。
It has been decided that I will go on a business trip to Japan starting next month.
毎週あった会議をしないことになりました。
It has been decided that the weekly meetings will no longer be held.
「話し手の意志」ではなく、「外的な要因によって決められたこと」や「その結果」を伝えるときに使います。決定事項を表すときは、過去形(~ことになった)で使うことが多いです。
[例]
来月から、運賃が10円上がることになりました。
Starting next month, the fare will increase by 10 yen.
⇒ 鉄道会社によって決められた値上がりを伝えています。
国の政策で、日本の小学校でも英語を勉強することになりました。
Due to national policy, English will now be taught in Japanese elementary schools as well.
このレストランでは、全席でたばこが吸えないことになりました。
At this restaurant, smoking is no longer allowed at any of the tables.
大雨のため、試合が行われないことになりました。
Because of the heavy rain, it has been decided that the match will not be held.
〜ことになっている (JLPT N3)
[意味]
~という決まりや予定になっている
[ルール]
[V]動詞辞書形・ない形+ことになっている
[例]
この語学学校では、母語を使ってはいけないことになっています。
At this language school, it is decided that students are not allowed to use their native language.
社員は全員、名札を付けることになっています。
All employees are required to wear name tags.
社会や組織などで定められている規則・習慣・予定を述べるときに使います。
規則を説明するときは、「してもいい・してはいけない・しなければならない」といった表現と結びつきやすいです。
より丁寧で硬い言い方をしたい場合には、「〜こととなっている」が使われます。
[例]
この会社では、年に一度、健康診断を受けることになっています。
At this company, it is decided that employees must undergo a health check once a year.
⇒ 会社によって健康診断を受けるルールが定められていることを表します。
法律により、道路でたばこを吸ってはいけないことになっています。
By law, smoking on the street is prohibited.
イベントのお申し込みには、事前にご連絡いただくことになっています。
For event applications, it is required that you contact us in advance.
比べてみよう
「〜ことになる」と「〜ことになっている」は、どちらも“決定”という意味を持ちますが、ニュアンスに違いがあります。次の文を読んで、その違いを考えてみましょう。
[例]
① テストのときに、紙の辞書を使ってもいいことになりました。
② テストのときに、紙の辞書を使ってもいいことになっています。
①は、ある時点で新しく決められた事柄が、これから実行されることを表します。
②は、過去に決められた事柄が、すでにルールや習慣として定着している状態を表します。
もう1つ例を見てみましょう。
次のような場合は、どちらが自然でしょうか。
[例]
① 日本にいるあいだは、在留カードを持つことになりました。
② 日本にいるあいだは、在留カードを持つことになっています。
正解は②です。
外国人は日本で在留カードを携帯するという既に定められたルールがあるため、「〜ことになっている」が自然です。
まとめ
[〜ことになる]
「〜ことになる」には、2つの用法がある:
- ① ある事情や状況から考えて、当然そのようなことになる。
「つまり/結局~になる」と同じような意味合いで、ある状態から考えると結果的に当然そうなるときに使う。
「~たら・ば」などの条件節や理由を前提にして、結果を述べることが多い。 -
② ~することに決定する。
話し手の意志ではなく、外的な要因によって決められたことやその結果を伝えるときに使う。
決定事項を表す場合は、過去形(~ことになった)で使われることが多い。 - 新しく決められた事柄がこれから実行されることを表す。
[〜ことになっている]
- 社会や組織などで定められた規則・習慣・予定を表す。
- 規則を述べる場合、「してもいい・してはいけない・しなければならない」といった表現と結びつきやすく、より硬い言い方をしたいときには「〜こととなっている」を使う。
- すでに決められた事柄が習慣やルールとして定着している状態を表す。
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