JLPT N3・N4文法 – 「〜込む」と「〜続ける」の違い

目次
1. 「〜込む」と「〜続ける」の違い
2. 〜込む
3. 〜続ける
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. 関連記事
7. コメント
Q: 「〜込む」と「〜続ける」の違いは何ですか?
A: 「〜込む」は動作が深く入り込むこと、「〜続ける」は動作が途切れずに続くことを表します。
〜込む (JLPT N3)
[意味]
ある状態を長く続けることを表す
[ルール]
[V] 動詞語幹+込む
[例]
先輩と仕事について話し込んでいたら、3時間も経っていました。
I was talking deeply with my senior about work, and before I knew it, three hours had passed.
将来のことを考え込んでいたら、いつの間にか夜になっていました。
I was thinking deeply about my future, and before I realized it, it was already night.
試験に落ちて、しばらく落ち込んでいました。
I failed the exam and felt down for a while.
「〜込む」にはさまざまな使い方がありますが、基本的には、動作が深く入り込む・集中する・長く続くといった意味を表します。単なる動作よりも、「深さ」「強さ」「持続」のニュアンスが加わるのが特徴です。


[例]
彼はそのうわさを本当のことだと信じ込んでいるようです。
He seems to be convinced that the rumor is true.
母は編み物に打ち込んでいます。
My mother is absorbed in knitting.
風邪をこじらせて、一週間も寝込んでしまいました。
I caught a bad cold and ended up bedridden for a whole week.
〜続ける (JLPT N4)
[意味]
ある動作や状態が長く続くことを表す
[ルール]
[V] 動詞語幹+続ける
[例]
彼は何度失敗しても挑戦し続けています。
He keeps trying no matter how many times he fails.
彼は自分の夢を信じ続けてきました。
He has continued to believe in his dream.
彼女はさっきから泣き続けています。
She has been crying for a while now.
「~続ける」は動作や習慣を長い時間・長い期間続けたり、作用が継続したりすることを表します。
[例]
友達は夢についてずっと話し続けていました。
My friend kept talking about his dream for a long time.
⇒ 友達が長い時間、「話す」動作を続けていたということです。
雨が三日間も降り続けています。
It has been raining for three days.
あの店は何十年も地域に愛され続けています。
That shop has been loved by the local community for decades.
比べてみよう
「〜込む」と「〜続ける」は一見似ていますが、表すニュアンスは異なります。ここでは「話し込む」と「話し続ける」を例に見てみましょう。どちらも“長い時間話す”という点は共通していますが、焦点の置き方が違います。
[例]
① 今後の方針について話し込みました。
② 今後の方針について話し続けました。
① 「話し込む」は「ある話を真剣に、深く話す」という意味で、内容の深さや密度に焦点があります。その結果として「長時間話が続く」ことを表します。
② 「話し続ける」は、話すという動作が途切れず続くことに焦点があります。内容の深さよりも、動作の持続そのものを強調します。
この違いをふまえて、次の文ではどちらが自然でしょうか。
[例]
① 友達は楽しい思い出を話し込みました。
② 友達は楽しい思い出を話し続けました。
正解は②です。
「話し込む」は真面目で深い話題のときに使われるため、「楽しい思い出」という軽い内容には合いません。
一方、「〜続ける」は話題の内容に制限がなく、楽しい話でも使えます。
また、「話す相手」の関係にも違いがあります。
[例]
① 誰も聞いていないのに、政治家は話し込んでいます。
② 誰も聞いていないのに、政治家は話し続けています。
正解は②です。
「〜続ける」は話し手が一方的に話している場合でも使えますが、「〜込む」は互いに向き合って会話をしているときに使われます。
[例]
〇 子どもはよく分からないことを話し続けています。
× 子どもはよく分からないことを話し込んでいます。
The child keeps talking about things that don’t make much sense.
⇒ 子どもが一方的に話しており、聞き手が反応していないため「話し続けている」が自然です。
まとめ
[〜込む]
- 動作が深く入り込み、ある状態を長く続けることを表す。
- 単なる動作よりも「じっくり」「集中して」「深く」行うニュアンスがある。
[〜続ける]
- ある動作や状態・習慣が長い時間、または長い期間途切れずに続くことを表す。
- 行為そのものの「継続性」に焦点がある。
[焦点の違い]
- 「〜込む」は、動作の深さや集中に焦点がある。
- 「〜続ける」は、動作の長さや持続に焦点がある。
[状態の違い]
- 「〜込む」は、相手と向き合って行う動作(話し込むなど)に使われやすい。
- 「〜続ける」は、一方的な行動や、相手の有無に関係なく続く動作(話し続ける・雨が降り続けるなど)にも使える。
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