美しい日本語を学ぼう:花の散り方の表現

目次
1. 花の散り方の表現
2. 花と日本語
3. 花の散り方と日本語の表現
4. まとめ
5. 関連記事
6. コメント
Q:梅が「こぼれる」という表現を聞きました。花は「散る」と言うのではないですか?
A:いい質問ですね!実は、日本語では花の種類によって「散る」以外にもいろいろな表現が使われます。この記事で詳しく見ていきましょう。
花と日本語
日本では、花は古くからとても大切にされてきました。
生け花や和歌、絵画や音楽など、さまざまな文化の中で花は表現のモチーフとして使われています。
花は見た目の美しさだけでなく、季節のうつり変わりや時間のながれを感じさせてくれる存在でもあります。
そして日本語には、そんな自然の変化をていねいに表す言葉がたくさんあります。なかでも「花が散るときの言い方」には、それぞれの花の特徴や、日本人の繊細な感性がよく表れています。
花の散り方と日本語の表現
桜:「散る」

桜は日本でとても人気のある花です。「桜が散る」という言葉は、花びらが風にゆれて落ちるようすを表します。でも、それだけではありません。
「試験に落ちた」「夢がかなわなかった」ときにも「桜が散った」というように、気持ちを表すことばとしても使われます。
梅:「こぼれる」

梅の花は、木の下の方に小さく咲きます。花びらがポロポロ落ちるようすから、「梅がこぼれる」といいます。
落ちた花を「こぼれ梅あります。しずかで、やさしいイメージの言葉です。
萩:「こぼれる」

秋の花・萩も「こぼれる」と表します。「萩」という漢字は、日本で作られた国字です。昔の人は、秋になると「萩の花見」を楽しんでいました。
椿:「落ちる」

つばきは花びらが一枚ずつではなく、花がまるごとポトンと落ちます。だから「つばきが落ちる」といいます。
朝顔:「しぼむ」

朝顔は、朝に花が開いて、お昼ごろにはとじてしまいます。そのようすを「しぼむ」と表します。
牡丹:「くずれる」

大きな花びらがバラバラといっきに落ちる牡丹は、「くずれる」と表します。
薔薇:「枯れる」

薔薇は水が足りなかったり、時間がたったりすると茶色くなってしおれます。「枯れる」は、花のいのちが終わるようすです。
紫陽花:「しおれる」

あじさいも水がなくなるとしおれてきます。花に元気がなくなるようすを「しおれる」といいます。
菊:「舞う」

桜とならぶ日本の国花、菊は、昔から高貴な花とされてきました。皇室のマーク「菊のご紋」にも使われています。
菊は花びらがすぐに落ちず、すこしずつ垂れていきます。そして風でゆれるそのようすがまるで「おどる」ように見えるため、「菊が舞う」と言われます。
まとめ
いかがでしたか?
日本語では、花が咲き終わるときもとても大切に表現されます。ただ「終わる」のではなく、「美しく終わる」「しずかに変わる」といった、やさしい気持ちがこめられています。
花の終わりにはさびしさもありますが、それは次の季節や新しい出会いへの始まりでもあります。
日本語のこうした表現を学ぶことで、言葉の奥深さと、日本人の自然への思いを感じることができるでしょう。