JLPT N5文法 – 助詞「で」と「を」の違いがわかる!場所の表現マスター

目次
1. 場所を表現する「で」と「を」
2. 「で」の役割
3. 「を」の役割
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「で」と「を」はどのように使い分ければいいですか?
以下の例文では、なぜ正しいものと不自然なものがあるのでしょうか?
◯「公園で走ります」 ◯「公園を走ります」
◯「ジムで走ります」 ×「ジムを走ります」
A: 「で」は動作の場所、「を」は移動の経路を表します。「公園を走ります」は公園を通り抜けるイメージで自然ですが、「ジムを走ります」は経路として不自然なため使われません。
「で」と「を」の役割を理解して正しく使えるようになりましょう。
「で」の役割
「〜で」は、動作が行われる場所を表します。
イメージとしては、「その場所の中で何かをしている」ことを想像するとわかりやすいでしょう。

[例]
レストランで昼ごはんを食べました。
I ate lunch at a restaurant.

[例]
子供たちが公園で遊んでいます。
The children are playing at the park.
「を」の役割
「〜を」は、移動の通過点や経路を表すときに使います。
たとえば「走る」「歩く」などの移動動詞と一緒に使われるのが特徴です。この場合、「場所」は“動作が行われる場所”ではなく、“通り抜ける場所”として捉えられます。
[移動動詞の例]
歩く、渡る、越える、通る、曲がる など

[例]
道を走ります。
I run on the road.

[例]
橋を渡ります。
I cross the bridge.
比べてみよう
では、「ジムで走ります」と「ジムを走ります」では何が違い、なぜ「を」を使うと不自然なのでしょうか?
「走る」という動作は、ジムの中で行う運動です。つまり、ジムは“通り抜ける場所”ではなく、“運動をする場所”として捉えられます。そのため、「ジムを走ります」と言うと不自然な表現になってしまいます。
一方、「公園を走ります」は、公園が通過点や移動の経路として認識されるため自然な表現です。
「公園で走ります」は、単に公園の中で走る動作を表しています。
このように、「を」が使えるのは、「道」「橋」「公園」など、話し手が移動の経路として意識している場所に限られます。
ジムのような施設は運動をする場所(動作の場所)と考えられるため、「で」を使うのが自然です。
まとめ
- 「で」は、動作が行われる場所を表す。
- 「を」は、通過点や移動の経路を表す。
- 「を」が使えるのは、「道」「公園」「広場」など、通り抜けるイメージのある場所に限られる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. で
9時から15時まで、学校で勉強します。
I studied at school from 9 a.m. to 3 p.m.
*「学校の中で」勉強するので、「で」が正解です。
A. を
大きい橋を渡って、あの島へ行きました。
I crossed a big bridge and went to that island.
*「渡る」は移動動詞なので「を」が正解です。
A. で
公園で運動をしました。
I exercised at the park.
*「公園の中で」運動するので、「で」が正解です。
A. を
その道は危ないですから、この道を歩いてください。
That road is dangerous, so please walk on this road.
*「歩く」は移動動詞なので「を」が正解です。
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