JLPT N3 文法 – 「〜になる」と「〜となる」の違い

目次
1.「〜になる」と「〜となる」の違い
2. 〜になる
3. 〜となる
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「〜になる」と「〜となる」の違いは何ですか?
A: どちらも「変化」や「決定」を表す表現ですが、使われる場面や文体によって適切な使い分けが必要です。意味合いにも微妙な違いがあり、話し言葉と書き言葉、自然な変化と意図的な決定など、使い方のポイントを押さえることが大切です。
〜になる (JLPT N3)
[意味]
物事が自然に変化すること、または他人によって決められた結果として状態が変わることを表す。
話し言葉でも書き言葉でも使われ、日常会話でも頻繁に登場する。
[ルール]
[V] 動詞辞書形+こと+になる
[A] い形容詞 い+く+なる
[Na] な形容詞 な+になる
[N] 名詞+になる
[例]
公園はそうじされてきれいになりました。
The park was cleaned and became beautiful.
さとうを入れると甘くなります。
If you add sugar, it becomes sweet.
娘は来週6歳になります。
My daughter will turn six next week.
雨が降ったら、試合は中止になるそうです。
If it rains, the game will be canceled.
「〜になる」は、物事が自然な流れで別の状態に変化した結果を表す表現です。
話し言葉でも書き言葉でもよく使われ、日常会話でもよく登場します。
[例]
公園はそうじされてきれいになりました。
The park was cleaned and became beautiful.
⇒ 掃除されたことで、公園がきれいな状態に変わったことを表しています。
氷は溶けると水になります。
When ice melts, it becomes water.
⇒ 氷が自然に溶けて水になるという、物理的な変化を示しています。
また、「〜になる」は、他人の判断や外的な要因によって決まったことを表す場合にも使われます。
[例]
雨が降ったら、試合は中止になるそうです。
If it rains, the game will be canceled.
⇒ 誰か(主催者など)によって試合の中止が決まるという意味です。
来週、出張することになりました。
It has been decided that I will go on a business trip next week.
⇒ 会社や上司などによって出張が決まったことを伝えています。
〜となる (JLPT N3)
[意味]
・予想外の変化や結果を強調したいときに使う。
・決定や方針などの人為的な変化をあらたまって伝えるときにも使われる。
・「〜になる」に比べて硬い・公式的な表現で、書き言葉やニュース・発表などに多く見られる。
[ルール]
[V] 動詞普通形+こと+となる
[N] 名詞+となる
[例]
このままだと、危険な方向に向かうこととなるでしょう。
If things stay like this, it will probably go in a dangerous direction.
雨のため、試合は中止となりました。
Because of the rain, the game got canceled.
来年4月より、新しい制度が始まることとなります。
A new system will start in April next year.
驚いたことに、彼が次期社長となることが決まりました。
To my surprise, it was decided that he will be the next company president.
「〜となる」は、「自然な流れによる変化や結果」ではなく、予想外の展開や意外な変化を表すときによく使われます。
また「〜になる」と比べて硬くあらたまった表現のため、書き言葉や公式文書、ニュースなどの場面で使われやすいのが特徴です。
[例]
このままだと、危険な方向に向かうこととなるでしょう。
If things stay like this, it will probably go in a dangerous direction.
⇒ 「危険な方向に向かうこと」が予想外・望ましくない結果であるため、「となる」が使われています。
誰もがAチームの敗北を予想していた中、まさかの優勝となりました。
Although everyone predicted Team A’s defeat, they unexpectedly became the champions.
⇒ 想定外の結果である優勝を強調するため、「となった」で表現しています。
さらに「〜となる」は、決定事項や方針などの人為的な変化・結果にも用いられます。
とくに正式な発表や案内の文脈では、「〜になる」よりも強調され、改まった印象になります。
[例]
20XX年より、ここでの携帯電話の使用は禁止となりました。
Starting in 20XX, the use of mobile phones here has been prohibited.
⇒ 公式なルール変更をあらたまって伝えている表現です。
医療制度の見直しが、国の政策として実施されることとなりました。
The revision of the medical system is set to be implemented as a national policy.
⇒ 方針や判断の結果を硬い表現で示しています。
比べてみよう
「〜になる」と「〜となる」は意味が似ていますが、場面や文体によってふさわしい表現が異なります。以下の例で、その使い分けを確認してみましょう。
[例①]
A「子供さん、おいくつですか?」
B「まだ5歳ですけど、来月(6歳になります・6歳となります)。」
A: “How old is your child?”
B: “She’s still five, but next month she will turn six.”
ここでは、「6歳になります」が自然です。
このやりとりは日常会話(話し言葉)なので、柔らかく自然な響きの「〜になります」が適しています。
「〜となります」を使うと、やや堅く不自然な印象になります。
[例②](試合観戦のアナウンスで)
「本日はお越しいただきありがとうございます。雨が降った場合、試合は(一時中止になります・一時中止となります)。」
“Thank you for coming today. If it rains, the game will be temporarily suspended.”
この場合、どちらも文法的には正しいですが、よりふさわしいのは 「〜となります」です。
これは公式的な場面(アナウンス・案内)なので、あらたまった印象を与える「〜となります」の方が適しています。
「〜になります」でも意味は通じますが、少しカジュアルに聞こえる場合があります。
まとめ
使用場面 | 主な意味 | 印象・文体 | |
---|---|---|---|
〜になる | 話し言葉・書き言葉のどちらでも使われる | ・自然な流れによる変化の結果 ・他人によって決められたこと | 柔らかく自然な印象 |
〜となる | 書き言葉、公式文書、ニュースなどで使われやすい | ・意外な変化・予想外の結果 ・人為的に行われた決定・変化 | 硬くあらたまった印象、強調される |
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. となりました
「本日は雨の影響により、〇〇便はキャンセルとなりました。」
“Due to the rain, Flight ○○ has been canceled.”
*公的なアナウンスなので「キャンセルとなりました」が自然です。
A. いっぱいになりました
たくさん食べて、お腹がいっぱいになりました。
I ate a lot and now my stomach is full.
*会話の中では「いっぱいになりました」が自然で柔らかい印象です。
A. 市長となった
驚いたことに、まだ25歳の男性が市長となったそうです。
To my surprise, a 25-year-old man became the mayor.
*意外性や改まった文調を出すなら「市長となった」が適しています。
A. 働くことになった
来年から東京で働くことになったよ。
I’m going to start working in Tokyo next year.
*カジュアルな口調なので「働くことになった」が自然です。
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