JLPT N0語彙 -「秘訣」と「コツ」の違い

目次
1.「秘訣」と「コツ」の違い
2. 秘訣
3. コツ
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 「秘訣」 と 「コツ」の違いは何ですか?
A: どちらも成功や上達のポイントを表しますが、「コツ」は実践的で日常的な要領や技術を指し、「秘訣」はあまり知られていない特別な方法や重要なポイントを意味します。
秘訣 (JLPT N0)
[意味]
あることをするときの最も効果的な方法・とっておきな特別な方法または知識
[例]
彼女の美しさの秘訣は、バランスのいい食事と睡眠だそうです。
The secret to her beauty is a balanced diet and good sleep.
商談を成功させる秘訣を、先輩が教えてくれました。
My senior taught me the secret to successfully closing business deals.
あることの方法や知識を指しますが、それは誰にも知られていないような特別なものをいいます。
特に、その方法を生み出した人が、経験や研究を通じて独自に作ったものを指します。
[例]
このラーメンのおいしさの秘訣は、わたしが長年かけて作りました。他の誰にもまねはできないでしょう。
The secret to the deliciousness of this ramen is that I spent years perfecting it. No one else can imitate it.
⇒ このラーメンのおいしさは、他の人が作れない特別な方法であるということです。
彼の日本語はすごく上手ですね。何か秘訣でもあるんでしょうか。
His Japanese is incredibly good. Does he have some kind of secret to it?
⇒ 日本語が上手である特別な方法をもっているのかということです。
コツ (JLPT N0)
[意味]
物事を上手くこなすための大切なポイントや技術
[例]
発音のコツを掴めば、もっと上手になるのにな…。
If you grasp the key points of pronunciation, you’ll become even better…
料理をおいしくするコツは、このだしなんです。
The secret to making delicious food is this dashi (soup stock).
「コツ」は、主にスポーツ、勉強や音楽などの分野でスキルを向上させるためのポイントや技術を指します。「秘訣」に比べると特別さは低く、簡単に学べて身につけられるものを表すことが多いです。
[例]
A「全然、上手にピアノが弾けないの」
B「じゃあ、コツを教えてあげるよ。もっと指を広げると弾きやすくなるよ」
A「あ、本当だ!」
A: “I can’t play the piano well at all.”
B: “Then I’ll teach you a trick. If you spread your fingers more, it’ll be easier to play.”
A: “Oh, you’re right!”
⇒ ピアノを上手く弾くためのポイントは「指を広げる」で、比較的簡単なことです。
昨日まで上手くボールを蹴られなかったけど、コツがわかって蹴られるようになったよ。
Until yesterday, I couldn’t kick the ball properly, but after learning the trick, I can do it now.
⇒ 短時間で習得し向上しているので、その方法を「コツ」で表しています。
比べてみよう
秘訣」と「コツ」はどちらも「成功や上達のポイント」を意味しますが、特別性や習得のしやすさの違いにより、使い方が異なります。
[例]
◯ この料理の秘訣は、シェフが10年かけて開発した特製ソースにあります。
The secret to this dish lies in the special sauce the chef spent ten years developing.
× この料理のコツは、シェフが10年かけて開発した特製ソースにあります。
The trick to this dish lies in the special sauce the chef spent ten years developing.
「秘訣」は他の人が簡単にまねできないような特別な方法や知識を指すため、この場合は「秘訣」が適切です。一方、「コツ」は日常的な技術や要領を意味するため、この文には合いません。
では、次のような場合はどちらがふさわしいでしょうか?
[例]
◯ 早く文章を読むコツを教えてください。
Please teach me the trick to reading text quickly.
× 早く文章を読む秘訣を教えてください。
Please teach me the secret to reading text quickly.
「コツ」はすぐに実践できるちょっとした工夫や技術を指すため、「読むコツ」は自然な表現です。
一方、「秘訣」は特別な背景や経験を感じさせる言葉なので、この文ではやや大げさに聞こえることがあります。
まとめ
[秘訣]
- 誰にも知られていない特別な方法や知識 を指す。
- 特に、その方法を考案した人が 経験や研究を通じて独自に生み出したもの に対して使われる。
[コツ]
- 「コツ」 は 「秘訣」に比べると特別さは低く、簡単に学べて身につけやすいもの を指す。
- 主に スポーツ、勉強、音楽などの分野でスキル向上に関するポイントや技術 を指すことが多い。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. コツ
この漢字の覚え方にはちょっとしたコツがあるんです。
There’s a simple trick to memorizing this kanji.
*簡単に身につく実践的なポイントなので「コツ」が適切です。
A. 秘訣
彼の肌がきれいな秘訣は、毎日の丁寧なスキンケアにあるそうです。
The secret to his clear skin seems to be his careful daily skincare routine.
*他の人が知らない特別な方法なので「秘訣」がふさわしいです。
A. コツ
子供はすぐにコツがわかって、自転車に乗れるようになりました。
The child quickly grasped the trick and learned to ride a bicycle.
*すぐに身につけたことなので「コツ」が正解です。
A. 秘訣
その料理の秘訣は、シェフだけが知っています。
The secret to this dish is known only by the chef.
*シェフだけが知っていると特別な方法なので「秘訣」が正解です。
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