JLPT N1 文法 – 「〜ようが」と「〜ようが〜まいが」の違い

目次
1. 「〜ようが」と「〜ようが〜まいが」の違い
2. AようがB
3. AようがAまいがB
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「ようが」と「ようが~まいが」はどう違いますか?
A:「ようが」は「~ても」と同じような意味で、ある状況が起こっても影響を受けずにBをする、という表現です。
一方、「ようが~まいが」は、あることの肯定・否定両方の場面を仮定し、どちらでもBが成立することを強調します。詳しく見ていきましょう。
AようがB (JLPT N1)
[意味]
たとえAでもBには影響しない。
「〜ても」と同じ意味だが、より強調した表現。
[ルール]
[V] 動詞意向形+が
[A] い形容詞 い+かろう+が
[Na] な形容詞 な+だろう+が
[N] 名詞+だろう+が
[例]
何度失敗しようが、やってみせます。
No matter how many times I fail, I will make sure to try again.
天気が悪かろうが、試合は予定通り行われます。
Even if the weather is bad, the match will proceed as scheduled.
どんなに有名だろうが、わたしはあの人に興味がありません。
No matter how famous they are, I have no interest in that person.
雨だろうが旅行に行くつもりです。
Whether it rains or not, I plan to go on the trip.
「ようが」は、易しい日本語では「〜ても」と同じ意味を持ち、ある状況を仮定しながらも、それに関係なくBの行動や状態が成立することを表します。
Bには「影響を受けない・自由だ・平気だ」といったニュアンスが含まれます。
[例]
何度失敗しようが、やってみせます。
No matter how many times I fail, I will make sure to try again.
⇒ 何度失敗しても、それに左右されずに挑戦します。
たとえどんなに強い敵だろうが、このヒーローは必ず勝ちます。
No matter how strong the enemy is, this hero will surely win.
⇒ このヒーローは相手がどれほど強くても、必ず勝利します。
*「たとえ〜ようが」「疑問詞〜ようが」の形でもよく使われます。
AようがAまいがB (JLPT N1)
[意味]
Aの 肯定・否定の両方を仮定し、それに関係なくBが成立する ことを表す。
「〜ても〜なくても」と同じ意味だが、より強調した表現。
[ルール]
[V] 動詞意向形 + が + 動詞辞書形 + まいが
*グループ2・3の動詞は語幹+まいの形もOK
「する」 は「するまいが」「すまいが」の両方が使える
[例]
雨が降ろうが降るまいが、父は登山をするそうです。
Whether it rains or not, my father will go hiking.
住民が反対しようがすまいが、この計画は実行されます。
Whether the residents oppose it or not, this plan will be carried out.
彼が来ようが来るまいが、パーティーは予定通り行われます。
Whether he comes or not, the party will proceed as scheduled.
彼女が信じようが信じまいが、真実は変わらない。
Whether she believes it or not, the truth remains unchanged.
「まい」は、意志・推量の否定を表す助動詞であり、ある事柄の 肯定・否定の両方を仮定し、それに関係なくBが成立する ことを示します。 つまり、「AしようがAしまいが」 は、「Aする場合でも、しない場合でもBは変わらない」 という意味になります。
[例]
雨が降ろうが降るまいが、父は登山をするそうです。
Whether it rains or not, my father will go hiking.
⇒ 雨が降っても降らなくても、父は変わらず登山をします。
住民が反対しようがすまいが、ビルは建設されるでしょう。
Whether the residents oppose it or not, the building will be constructed.
⇒ 住民が反対してもしなくても、ビルの建設は進められます。
比べてみよう
「ようが」の後ろには「影響されない・自由だ・平気だ」といったニュアンスが続きますが、例えば 下の例のように、肯定・否定のどちらの可能性も含めた表現になることがあります。
この点について比較してみましょう。
[例]
① 住民が反対しようがすまいが、ビルは建設されるでしょう。
Whether the residents oppose it or not, the building will be constructed.
② 住民が反対しようが、ビルは建設されるでしょう。
Even if the residents oppose it, the building will still be constructed.
どちらも自然な文ですが、①の文では「反対する場合」と「反対しない場合」の両方を仮定し、どちらの状況でもビルが建設されることを明確に強調 しています。
これに対し、②の文は「反対する場合」のみを仮定し、それでもビルが建設されることを伝えているため、比較的限定的なニュアンス になります。
つまり、①の「ようが~まいが」を使うことで、「肯定・否定のどちらでもBの結果は変わらない」という、より包括的な意味 を持たせることができます。
一方、②は「Aの肯定のみ」を仮定しており、「Aの否定の可能性」は暗示されるにとどまります。
このように、「ようが~まいが」は単なる「ようが」よりも、より強調的かつ詳細に状況を伝えるのに適した表現です。
まとめ
[AようがB]
- ある事柄を仮定し、それに関係なくBが成立することを表す。
- 「たとえAでもBは変わらない」という意味。
[AようがAまいがB]
- Aの 肯定・否定の両方を仮定 し、どちらであってもBが変わらず成立することを強調する。
- 「Aする場合でも、しない場合でもBは変わらない」というニュアンス。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 弱かろうが
風が強かろうが弱かろうが電車は動くようです。
Whether the wind is strong or weak, the train seems to be running.
*「ようが~まいが」で、い形容詞は「-い+かろうが」になるので「弱かろうが」が正解です。
A. 大変だろうが
どんなに大変だろうがこのプロジェクトは成功させたいです。
No matter how difficult it is, I want to make this project a success.
*「ようが~まいが」で、な形容詞は「-な+だろうが」になるので「大変だろうが」が正解です。
A. 言おうが
たとえ、親が何と言おうが日本に行くつもりです。
No matter what my parents say, I intend to go to Japan.
*「たとえ~ようが」の形なので「言おうが」が正解です。
A. 参加すまいが
この集まりに参加すまいが、必ず募金はしてください。
Whether you attend this gathering or not, please make sure to participate in the donation.
*「ようが~まいが」で「参加すまいが」が正解です。「参加しようが」だけでは否定の仮定が含まれず、文の意味が変わります。
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