形容詞の並べ方に注意!より自然な表現を学ぼう

目次
1. 形容詞の並べ方
2. 「いい」と「親切」の意味
3. 形容詞をつなぐときのポイント
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
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8. コメント
Q: 「ゆみさんは親切で、いい人です」は自然なのに、「ゆみさんはよくて、親切な人です」は不自然だと言われました。なぜですか?
A: 形容詞の意味の広さとつなげ方が関係しています。
「いい」は意味が広いため、より具体的な「親切」を先に置き、「親切で、いい人」とするのが自然です。
「いい」と「親切」の意味
まず、それぞれの言葉の意味を考えてみましょう。
「いい」 は、人だけでなく、物や味など幅広い対象に使われる形容詞です。
物質的なものを表す場合、「いい」が指す対象は限定されますが、人を表す場合は具体的な説明が必要になります。
[例]
ゆみさんはいい人です。
Yumi is a good person.
ゆみさんは体調がいいです。
Yumi is in good condition.
⇒ ゆみさんの何が「いい」のかを具体的に言う必要があります。
このパソコンはとてもいいです。
This computer is very good.
⇒ パソコンの機能や動作の良さを指しています。
この味はちょうどいいです。
This taste is just right.
⇒ 味を表しています。
一方で、「親切」 は人に対してのみ使われ、物には使われません。
[例]
〇 先生はとても親切です。
The teacher is very kind.
× このパソコンはとても親切です。
This computer is very kind.
このように、「いい」は対象が広く、「親切」は人に限定されるという違いがあります。
形容詞をつなぐときのポイント
前述の内容から、「ゆみさんはよくて、親切な人です」では、「いい」 という意味が曖昧で、何が「いい」のか伝わりません。「いい」は意味が広いため、具体的な言葉と直接つなげると不自然になります。
そのため、形容詞をつなぐときは より具体的な形容詞を先に、意味が広い形容詞を後に 並べると、自然な表現になります。
[例]
〇 ゆみさんは親切で、いい人です。
Yumi is kind and a good person.
⇒ 具体的な「親切」を先に置き、広い意味の「いい人」を後にすることで自然な表現になります。
× ゆみさんはよくて、親切な人です。
Yumi is good and a kind person.
⇒ 「いい」は意味が広いため、後ろに具体的な「親切な人」がくると不自然になります。
比べてみよう
では、このような場合、どちらが正しい表現でしょうか?
[例①]
彼はかっこよくて背が高いです。
彼はかっこよくて高いです。
[例②]
たろうくんは悪くてうそつきです。
たろうくんはうそつきで悪い子です。
正解:
① 彼はかっこよくて背が高いです。
He is handsome and tall.
② たろうくんはうそつきで悪い子です。
Taro is a liar and a bad kid.
「いい」だけでなく、「高い⇔低い」、「良い⇔悪い」、「多い⇔少ない」 のように幅広い意味を持つ形容詞も、文の後半に置かれるのが自然です。
また、それらの形容詞が指す対象を具体的な言葉で補う必要があります。
まとめ
- 形容詞は、具体的な意味を持つものから、より広い意味を持つものへとつなげる。
- 幅広い意味を持つ形容詞は、それが指す対象を具体的な言葉で補う必要がある。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. おもしろくて、いい人です
父はおもしろくて、いい人です。
My father is funny and a good person.
*「いい」は幅広い言葉なので後ろに置き、具体的な言葉(人)と使います。
A. 背が低くてかわいい人です
鈴木さんは背が低くてかわいい人です。
Mr. Suzuki is short and a cute person.
*「低い」は幅広い言葉なので具体的な言葉(背)と使います。
A. きれいでいいところ
横浜はきれいでいいところです。
Yokohama is beautiful and a nice place.
*「いい」は幅広い言葉なので後ろに置き、具体的な言葉(ところ)と使います。
A. にぎやかで人が多いです
東京はにぎやかで人が多いです。
Tokyo is lively and has many people.
*「多い」は幅広い言葉なので後ろに置き、具体的な言葉(人)と使います。