JLPT N4文法 – 「〜すぎる」の使い方

目次
1. 「〜すぎる」はポジティブな意味では使えない?
2. 「〜すぎる」
3. 「〜て」
4. 「〜すぎる」と「〜て」の役割
5. 「おもしろすぎて好きです」はなぜ不自然?
6. まとめ
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8. コメント
Q: 「このゲームはおもしろすぎて好きです。」という文章は間違っていると言われました。「〜すぎる」はポジティブな意味では使えないんですか?
A:「すぎる」自体はポジティブな意味でも使えますが、問題は続く文とのバランスにあります。ここで大事なのは、「すぎる」単体の使い方 だけでなく、「〜て」などの接続表現との組み合わせ です。特に「〜すぎて」のように接続する場合、後ろに続く文の種類に注意が必要になります。この記事で解説しますね。
〜すぎる (JLPT N4)
[ルール]
[V] 動詞の語幹+すぎる
*ない⇒なさすぎる
[A] い形容詞 い+すぎる
*いい⇒良すぎる
[Na] な形容詞+すぎる
[例]
今月はお金がなさすぎて、どこにも行けません。
I have too little money this month, so I can’t go anywhere.
あの犬、かわいすぎる!
That dog is too cute!
この仕事は大変すぎるよ。
This job is way too tough!
~て (JLPT N4)
[ルール]
[V] 動詞て形
*ない⇒なくて
[A] い形容詞て形
*いい⇒良くて
[Na] な形容詞て形
[N] 名詞て形
[例]
走って疲れました。
I ran and got tired.
声が小さくて聞こえません。
your voice is too quiet, and I can’t hear.
富士山がとてもきれいでおどろきました。
Mt. Fuji was very beautiful, and I was surprised.
台風で電車が止まりました。
The train stopped due to the typhoon.
「〜すぎる」と「〜て」の役割
では、「このゲームは おもしろすぎて好きです。」という文について考えてみましょう。
この文が不自然に感じられる理由を、「〜すぎる」と「〜て」の役割をもとに説明します。
① 「〜すぎる」
・ある程度を超えていることを表す。
・話し手の驚き・感動・残念な気持ち のいずれかを表現する。
② 「〜て」
・理由や原因を示す。
・「困る・大変だ・疲れた」などの心理的・身体的な状態 や、「笑う・驚く・泣く」などの変化 が後ろに続くことが多い。
「おもしろすぎて好きです」はなぜ不自然?
[理由①:「〜すぎて」の後ろに「好き」が続かない]
「〜すぎて」は 理由や原因 を示し、その結果 何かしらの変化や反応 が起こることが多いです。
[例]
◯ 彼の冗談が おもしろすぎて 笑ってしまいました。
His joke was too funny, and I couldn’t help but laugh.
⇒「冗談」が原因で、「笑う」という変化が起きています。
× このゲームは おもしろすぎて 好きです。
This game is too interesting, so I like it.
⇒ 「好き」は継続的な感情であり、「すぎる」ほどの過剰な影響を受けているわけではないため、不自然です。
[理由②:「すぎる」は程度の過剰性を強調する]
「すぎる」は、「ある基準を超えすぎて問題がある」というニュアンスを持つことが多いです。
一方、「好きです」は程度の問題ではなく、個人の継続的な感情を表します。
そのため、「おもしろすぎて好き」という構造は成り立ちません。
[適切な言い換え]
× このゲームはおもしろすぎて好きです。
This game is too interesting, so I like it.
◯ このゲームはおもしろいですから好きです。
I like this game because it is interesting.
◯ このゲームはおもしろすぎて、夢中になってしまいました。
This game is too interesting, and I got completely absorbed in it.
このように、「好き」の理由を説明する場合は、「〜すぎて」ではなく 「〜から」 を使うのが適切です。
まとめ
- 「〜すぎる」はポジティブな意味でもネガティブな意味でも使える。
- 「〜すぎて」は理由や原因を表し、後ろには変化や状態が続くことが多い。
- 「好き」は継続的な感情なので、「〜すぎて」とは組み合わせにくい。
- 「好き」の理由を表したい場合は「〜から」を使うのが自然。
それぞれの言葉の意味や役割を理解して、自然な文が使えるようにしましょう!
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