JLPT N4文法 – 「〜ている」と「〜ているところだ」の違い

目次
1. 「ている」と「ているところだ」の違い
2. 「ている」VS「ているところだ」
3. 「ているところだ」の使い方
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
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8. コメント
Q:「母は料理をしています」と「母は料理をしているところです」は何が違いますか。
A: 「〜ている」と「〜ているところだ」はどちらも動作や作用が進行中であることを表しますが、意味に違いがあります。
この記事で詳しく解説していきますね。
「ている」VS「ているところだ」
この2つの大きな違いは、「ている」はある地点から現在まで継続している動作を表し、「ているところだ」は今まさに行っている動作に焦点を当てて強調する点です。
[例]
今、テレビを見ています。
I am watching TV now.
⇒ 現在進行中の動作を表します。
今、テレビを見ているところです。
I am in the middle of watching TV now.
⇒ 今まさに「テレビを見ている」状態を強調しています。
「ているところだ」の使い方
それでは、進行中の動作を特に強く伝えたい場面を考えてみましょう。
[場面1:今、気になるテレビを見ていて、ほかのことをしたくない場合]
母: 早く晩ごはん食べなさい!
子ども: 今、テレビを見ているところなんだよ!!
Mother: Hurry up and eat your dinner!
Child: I’m in the middle of watching TV right now!!
⇒ 子どもがテレビを見ていて、ほかのことをしたくない様子が強調されています。
[場面2:会社で上司に頼まれた資料について聞かれたとき]
上司: 鈴木さん、あの資料はできた?
鈴木: すみません。今、作っているところです。
Boss: Suzuki, is that document ready?
Suzuki: Sorry, I’m in the middle of making it right now.
⇒ 鈴木さんが、今まさに資料を作成中であることが強調されています。
このように「ている」に比べると「ているところだ」は進行している動作の中で、話し手が特に「今」行っている動作に焦点をあたり、その動作がより強調されます。
比べてみよう
では、この2つの文章は「ている」か「ているところだ」のどちらを使うといいでしょう。
[例]
姉はロンドンに住んでいます。
VS
姉はロンドンに住んでいるところです。
雪が降っています。
VS
雪が降っているところです。
正しい表現は、どちらも「ている」です。
「ている」は進行している動作に加え、状態性や自然現象も表せます。
一方でこの場合、「ているところだ」は使えないので注意しましょう。
「ているところだ」が表せるのは、進行している動作だけです。
まとめ
[〜ている]
- 単純に進行している動作を表す。
- 状態性や自然現象も表せる。
[〜ているところだ]
- 今まさに行っている動作に焦点があたり、強調される。
- 状態性や自然現象は表せない。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 通っています
姉は東京の大学に通っています。
My sister goes to a university in Tokyo.
*「通う」は状態性の動詞なので「ています」が正解です。
A. 作っているところ
子ども:お母さん、ごはんはまだできないの?
母親:今、作っているところよ。
Child: Mom, isn’t dinner ready yet?
Mother: I’m cooking it right now.
*子どもがごはんについて尋ねたとき、母親が「今まさに」作っていることを強調したい場合、「ているところ」がよりふさわしいです。「ている」だとニュアンスが弱くなります。
A. 晴れている
今日は晴れているから出かけよう。
It’s sunny today, so let’s go out.
*「晴れる」は自然現象なので「ている」が正解です。
A. 考えているところ
ジョン:この問題についてどう思う?
ゆみ:ちょうど今、考えているところだよ。
John: What do you think about this issue?
Yumi: I’m in the middle of thinking about it.
*「ちょうど今」と言っているので「ているところ」がよりふさわしいです。