JLPT N4語彙 – 「だいぶ」の使い方

目次
1. 「だいぶ」の使い方
2. だいぶ
3. 使い方① 予想以上
4. 使い方② 物事の進行
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「マリアさんはだいぶ日本語が上手です」という文章は違和感があると日本人の友達に言われました。何がおかしいですか?
A: 「だいぶ」は「予想以上の程度」や「状態の進行」を表しますが、形容詞と一緒に使う際は補助的な表現が必要です。詳しく見てみましょう。
だいぶ (JLPT N4)
[意味]
① 思っていたよりも数量が多かったり、数量や程度が予想以上に大きい様子
② 物事や状態が以前と比べて進行・変化している様子
[例]
海外旅行でだいぶお金を使いました。(①)
I spent quite a lot of money on my overseas trip.
ここでの生活は想像とだいぶ違っていました。(①)
Life here was quite different from what I had imagined.
だいぶ日本の生活に慣れてきました。(②)
I have gradually gotten used to life in Japan.
だいぶ元気になりました。(②)
I have recovered quite a bit.
使い方① 予想以上
1つ目の意味は、数量や程度が「予想以上である」という話し手の驚きを表します。
この意味合いであることは、文脈や状況から理解する必要があります。視覚的なものだけでなく、抽象的な事柄にも使えます。
[例]
あれ、財布にもう千円しかない!知らないうちにお金をだいぶ使っていたな...。
Oh no, I only have 1,000 yen left in my wallet! I must have spent quite a lot of money without realizing it…
⇒ 話し手が予想外にお金を使っていたことを表しています。
朝9時に家を出たのにもう12時か。思っていたよりもだいぶ時間が掛かったね。
We left home at 9 AM, but it’s already 12 PM. It took much longer than I expected.
⇒ 話し手が予定よりも時間がかかったことを強調しています。
この点から、マリアさんの日本語が予想以上に上手であることを伝える場合、
「思った以上に、マリアさんの日本語はだいぶ上手だ。」と言うことができます。
しかし、形容詞と一緒に使う場合は、動詞の場合とは異なり、「思った以上に」「予想以上に」などの表現で意味を補う必要があります。
[例]
マリアさんは日本語が上手だと聞いていましたが、思った以上にだいぶ上手ですね!
I had heard that Maria was good at Japanese, but she is much better than I expected!
⇒ 話し手の期待以上に上手だったことを表しています。
あの映画はつまらないと聞いていたけど、予想以上にだいぶ良かったよ。
I heard that the movie was boring, but it was actually much better than I expected.
⇒ 話し手の予想以上に良かったことを表しています。
使い方② 物事の進行
2つ目の意味は「物事が進行している様子」です。
ここでは「進行していること」や「変化していること」が重要なポイントです。その状態を表すために、動詞や形容詞は「なる」や「てくる」の形を取ることが多いです。
[例]
だいぶ仕事に慣れてきました。
I’ve gotten quite used to my work.
⇒ 仕事の最初の頃から現在まで、少しずつ慣れてきた様子です。
だいぶ英語が話せるようになりました。
I’ve become quite able to speak English.
⇒ 以前よりも英語を話す能力が進歩した様子を表しています。
この点から「上手だ」を状態の進行として捉えた場合、「マリアさんは日本語がだいぶ上手になりました」と表現することができます。
まとめ
「だいぶ」の意味は以下の2つ:
- 数量や程度が予想以上であること(話し手の驚きを表現)。
- 物事や状態の程度が進行している様子を表す。進行中の場合、動詞や形容詞が「なる」や「てくる」の形になることが多い。
クイズ
次の文は正しいですか。◯か×で答えましょう。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. ×
*おいしいの度合いを表しているので、「だいぶ」ではなく「とても・非常に」などがふさわしいです。
A. ◯
*「元気になった」と状態の進行を表しているので正しいです。
A. ×
*単純にケーキの数をたくさん作ったということなので正しくありません。
A. ◯
*思った以上の忙しさを話しているので正解です。